ネズミ捕りⅡ 〜下水道の決戦・序章〜
ふざけたサブタイでごめんなさい。思いつかなかったんです。
千字ちょいなので、少し短めです。
翌日──
僕らは、再び──いや、三度か──冒険者ギルドに来ていた。
新たな依頼を受けるためと、昨日の毛皮を受け取るためだ。
その用事の一つ、素材の受け取りはもう済んでいた。
掲示板を眺めて、短時間で、かつ高報酬な依頼を探す。
が、そんな都合のいい依頼なんてそうそうないだろう。最悪、またネズミ捕りかな……。
……あった。
『下水道のスノウラットの討伐 10匹〜 成功報酬銀貨五枚 別途、一匹につき銀貨二枚』
Fランクの割に報酬がいいのは、下水道という環境だからだろうか。
下水道は、暗くて見通しが悪いし、何より臭い。
そう。臭いのだ。
暗いのは灯りやら魔術やらでどうとでもなるが、臭いのだけはダメだ。
この一張羅のローブに臭いがついてしまったら、目も当てられない。
ハルカも臭いのはいやだろう。
うん。やめだ、やめ。
他のを探そう。
『なんで? 受ければいいじゃん』
「臭いからやだ」
『あのなぁ……、そんな甘ったれた根性じゃこんな稼業やってらんないぞ?』
「いや、でもさ。今は服、一枚しか持ってないんだよ。僕もハルカも。それに臭いが移ると、着る物がなくなっちゃうじゃん」
『そうか……。もう、しょうがないなぁ(ダミ声)』
アルはなぜかダミ声で言う。
『ま、この始祖と魔導書に任せなさい。てことで、受けてきて』
「ええ……? 本当に大丈夫なんだろな」
『だいじょびだいじょび。任せなさいって』
やけに自信満々だ。他に案もないし、ここは従っておくか。
「ハルカ、下水道だけどこれでいい?」
「うん……。下水道は嫌だけど、何か対策があるんでしょ? それならいいよ」
これは常時依頼ではないようなので、掲示板から剥がしてカウンターへ持っていく。
「はい、承認しました。下水道の入り口はわかりますか?」
「わからないです」
「では、地図をお渡ししておきます。貸与は無料ですが、破損や紛失をされると大銅貨一枚で弁償していただきますので、気をつけてください。では、ご武運を」
手渡された地図には、下水道の入り口までの経路と、下水道の中の地図が書いてあった。
それの通りに街を歩き、下水道の入り口にたどり着いた。
「で、対策って?」
始書の中にいるであろうアルに聞く。
『始書の334ページのやつ使って。あ、数以外は弄らなくていいよ』
対策、というのは、やはり魔術だったらしい。
とりあえず使う。
「《展開:風纏 並列二重展開 発動》」
僕とハルカの身体の周りに、立体的な魔法陣が現れ、それが一際強く輝くと、消える。
「何か変わった?」
ハルカがアルに聞く。
『身体に触ってみ』
触ろうとすると、手が弾かれる。
『身体の表面に、空気の膜が張ってあるのさ。これで臭いも防げる。ちょっとしたバリア機能も完備だ。
これがほんとの風DEコートってね!』
そんなことを言って笑った。
一体何を言っているのだろうこの人は。
それが僕とハルカの気持ちだ。
本当にこいつはあの始祖なのだろうか。
とても信じ難い。
『……スベった? もしかしてスベった?』
当たり前だろう。
しょーもないギャグなんてかまして。
すべりすぎて空中で回転するレベルだ。
「おほん! ……じゃ、行こうか」
僕は魔術で灯りをつけ、下水道へと入っていった。
なんかもう、『ネズミスレイヤー』とかに題名変えた方がいいかもしれません。……しないけど。
2022/09/18
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