名
なんかかけちゃいました。
サブタイトルは、思いつかなかったのでこうなりました。
どうやって宿に戻ってきたかは、覚えていない。
気付くと、宿の、僕の部屋にいた。
「ねぇ、レーブ、本当に大丈夫?」
そう声をかけられて、初めて気付く。
ハルカがいたことに。
「大丈夫ですよ」
別に心配することはない。
「絶対大丈夫じゃないって! 顔色も悪いし! 貼り付けたような気持ち悪い笑い方してるし!」
気持ち悪い。
そうですよね。
僕もそう思います。
「それに、敬語はやめてって、言ったよね!」
「……一体、どうしたって言うのよ? あの人たちが言ってたこと? グリモワルがなんなの?」
ああ、そうだった。ハルカは知らないのか。
この世界の人間じゃないから。
「僕の家名」
「え?」
「僕は、レーベンス・グリモワル。グリモワル家の、魔術も使えないミソッカスさ」
「それがどうかしたの? 魔術が使えない人なんて、たくさんいるんじゃないの?」
「僕がグリモワルなのが問題なんだ。
グリモワル家は、始祖と剣神の一族。魔術と、剣術の名門なんだ。だから、一族は皆、魔術か、剣術のどちらかに秀でている。
現に、僕の兄たちもそうだ」
「でも、僕は違った」
「魔術が、使えないんだ。生まれつき。
それどころか、魔力さえ感知できない。
操作もできないから、魔導書さえ使えない」
「魔術が使えない? でも、使ってたじゃない。翻訳魔術とか」
「アレは、始書があったからだよ……。僕は結局、借り物の、始祖の力でいい気になっていただけ。始書がなければ、何もできない。そんな人間なんだ」
「そんなことない!」
「いや、そんなことあるさ。今だって、君にそう言って欲しくてこんな風になっているのかもしれない。
僕は、他人に認めてもらわないと生きていけないんだ」
「私は認めてる」
「え?」
前を向く。
「私は、あなたのこと、認めてる」
「嘘だ! だって、僕はグリモワルで、でも、剣も魔術も使えなくて、それにーー」
ぼむーー
僕の身体を、温かく、柔らかい感触が包む。
僕は、ハルカに抱きしめられていた。
「剣とか、魔術なんて、どうだっていい。
私は、貴方を認めているの。私を助けてくれた、誰でもない貴方を。
貴方がいなかったら、きっと私は今、生きていなかった。
私を助けてくれたのは、剣とか、魔術とかじゃない。ましてや、グリモワルの名でもない」
「レーベンス、貴方なのよ」
視界がぼやける。
不意に、口の中に塩辛いものが広がる。
僕は、泣いていた。
こんなことは、初めてだった。
くさい話でごめんなさい。
多分次回もこんな感じです。
あと、会話文ばっかでごめんなさい。
更新時期は未定です。
案外早かったりするかもしれません。




