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祭り ギロック

作者: 明原かや

時が過ぎるのははやい。


そんな言葉はだいきらい。


秋の放課後は長くて長くて、

空はものすごく高かった事を覚えている


果てしないくらいに、遠く高い場所にいたのに

時は夢みたいに、流れていく


あまりに容赦がなくって、

どこかで誰かがせき止めてくれればいいのに


そんな風に願う間もなく、

転がって、落ちていく


そうして、そこまできたら、

手なんて届かなくなっている


今、いたはずの場所が、記憶になって、

今度は記録になる

歴史があっても、

感情は、もうずうっと水で薄まったみたいに、

どんどん透明に近づいていく


あの瞬間、時間はあったのかな

永遠に今が続いていくみたいに


さようなら。


ふいに、耳元で囁かれる。

私は、ぬるま湯みたいな場所にいて、

騒いでいたいだけだったのに


全てが回っていく

ピエロの乗ったボールみたいにして。

ずうっと、ぐるぐると。


帰っていく。みんな。


私は、また。

目を覚ます。

誰一人、思い出せなくなっても。


永遠みたいなあの場所は、水の欠片みたいになって、

ずっと遠いところで、光っている。




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