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から揚げのスープ

「善行オプションから恩恵を選択してくださいねぇ」


画面には善行ポイント10pと表示されている

善行とは何だろう。狼を退治したことか? から揚げを分けてやったことか?

所持ポイントはわかっても取得方法や条件が出てこないクソ仕様である

これじゃあどうやってポイントを貯めればいいかわからない

メーカーどこだよ鬼電するぞこら


まぁなんだ要は課金要素みたいなものか

課金要素は恩恵が強いと相場は決まっているのだ

私はさっそく恩恵一覧を確認してみることにする


恩恵一覧

電子マネーチャージ 10P 1000円 50p 5500円 100p 12000円

から揚げ能力付与  筋力増強(小) 頑丈増強(小) 各200p 摂取後一時間のみ強化

新フレーバー    醤油ニンニク ハバネロ 柚子胡椒  各300p  


注意


1、電子マネーは電子パネルの異世界コンビニ機能より使用できます


2、能力付与のから揚げには重複効果はありません


3、現在の恩恵は上記のみですが、累計善行ポイントにより順次解放されます


「なるほどね」


現状10pしか持っていないので選べるのはマネーチャージの10pコースだけだ

しかし異世界コンビニという言葉は初耳だ

液晶をスクロールしてみてもそのような機能は存在しない


「ええいままよ!」


私は持っているポイントを電子マネーに交換することにした

こういったものは実際自分で使ってみないとわからないところがあるからな


「電子マネーチャージにより1000zが付与されました」


「初めての電子マネーチャージにより異世界コンビニ通販機能が解放されました」


「おお!なんか解放されたぞ!」


さっそく私はコンビニ通販機能をクリックして中身を確かめてみる

まぁ予想通りだな、私の世界のコンビニの商品を電子マネーで買うことができると


「って、品ぞろえが私の働いてたコンビニと同じじゃねえか!」


そうなのである。私の勤めていたコンビニのオーナーさんはとても気さくな方で、私が好きな一般受けしないカップ麺を1フェイスのみ仕入れてくれているのだ

ジンギスカン風パイナップルヌードルなど私の店以外置いているはずがないのだ

一見親切そうに見えるがサービス残業や代理出勤もよくさせられた

良い感じに洗脳されていたのかもな。いや、基本好きなのよ田畑オーナー


「うん、水や食料品はもちろんマスクやボディソープ等の雑貨もある」


しかしは私は何も買わずに通販アプリを終了させる

これから先何があるかもわからないのに貴重な金を使うわけにはいかない

私は欲望の解放のさせ方がへたなのだ


「そろそろ寝ないとやばいな」


一日中歩き回って疲れている私はすぐに眠りに落ちた


-----------


「いてて」


朝になると体の関節の痛みで目が覚めた

布団やマットなどといった気の利いた物は持っておらず木製の床にそのまま寝たため体中がバキバキだ

森を長時間歩き回ったから筋肉痛も併発しているなこりゃ


「30過ぎると床に直寝はきついな」


重い体を起こし軽いストレッチを始める


「起きたか、俺らの準備もすぐにできるからそろそろ出よう。これはおっさんの分の水な。これで最後だから大切に飲んでくれよ。」


マルスが私に水を手渡す。ありがてぇ、なんという好青年なのだろうか


「おはようマキマキ」


荷物の整理をしているマキちゃんに絡む


「 ? 昨日はありがとうとても美味しかったよ」


作業の手を止めて笑顔で答えてくれる、

おお、太陽のような笑顔だ。おじさん浄化されちゃうよぐへへ

二人とも出立の支度はしてるが朝飯は食べないのかな?


「朝飯は食べないのか?」


「ああ、昨日で保存食は食いきっちまったからな。悪いが今日はこのまま村まで行くぞ」


うーむ、朝飯を抜くのは非常によろしくない

朝飯は食べないと力が出ない。集中力の低下や自律神経の乱れに繋がるのだ


「お鍋貸してもらえる?」


マルスから鍋を受け取ると二人から離れて電子パネルを起動させる

コンビニ通販で食材を買って朝食を作ることに決めたのだ


しかし下手な食材や加工品は目立つので避けた方がいいだろう

残高は1000円と少し心許ない


よし決まった!


「とりあえず、2Lの水を三本購入450円 醤油500mℓ 200円 以上!」


私は鍋に買った水をドバドバと注ぎ始める

三人前で600mℓくらいかな?私は目分量で注ぐのをやめる


「マキちゃん、朝ごはんを作ってるからたき火の準備をしてくれないか? 私ではヘタクソだから火をつけられないんだ」


「いいよ、ちょっと待っててね」


マキちゃんは木の上に細い枝を乗せると、着火剤にワラのような細い草を被せ火打ち石で火をつける。

この年で器用なもんだ


私は水の入った鍋をたき火の上に置き加熱する

水がお湯になったくらいのタイミングで手からから揚げを出して鍋にぶち込む


「から揚げの出汁でもスープになるだろ。」


一人4個食べるとして12個入れようか

から揚げを入れ終わると醤油を入れ味を調整する

更に三分ほど煮込む

簡単から揚げスープのできあがりだ

油で少しギトギトしているが、味見をした限りまあ食えるレベルだとは思う


「スープを作ったから食べよう、味は期待しないでくれよ。水もあるから遠慮せず飲んでくれ」


「え? おっさん手ぶらだったのに何で朝飯を作れるんだよ。そういやアイテムボックス持ちだったな」


そう言うとマルスは差し出した器を手にとる


「はい、これマキちゃんのね。火をつけてくれて助かったよ」


マキちゃんは手に取るとお腹が空いていたのかすぐにスープを口に入れる


「おいしい!昨日のお肉が4個も入ってる。スープもしっかり味がする!いつもはうすい塩味なのにとってもおいしいよ」


醤油の味が受け入れられるか不安だったが好評のようだ

さすが醤油様、お前が調味料界のナンバー1だ


飯を食ったらいよいよ村に向けて出発だ

私は期待と不安を感じながらも二人のコップに水を注ぐのであった

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「私アイテムボックス持ちなんだ。これを一緒に食べよう」って前の話でおっさんが言っているのに「え? おっさん手ぶらだったのに何で朝飯を作れるんだよ。まあいいや」とは一体?
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