表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/52

神と現地人との接触

「ろ・・・きろ・・起きんか小童!神パンチ!」


ぐぇぇ、後頭部に鈍い痛みが生じる。目を開けると目の前には髭の生えた荘厳そうなじいさんがいる


「やっと起きたか、あまり神を待たせるんでないぞ」


何だこのじいさんボケてんのか? いきなり人の頭を殴っておいて神だと? 神が暴力を振るうものか。

神様ってのはな、もっと尊いんだよ! ちね!


「あ? お前神様に向かってちねとは何だ! お前がちね! 天罰!」


じいさんが右手を少し捻った思うと体全体に雷に打たれるような衝撃が走る


「げぇぇぇぇぇ!」


よくわからないが、私がのたうち回る姿をニヤニヤ見ているのを見るとこいつが原因に違いない

であるならばご老体とはいえ仕方ない


「てめえも道連れだ、ひげもじゃ!」


私はじいさんに抱きつき、一緒に感電させる強硬手段に出る

しかし、私に抱きつかれたじいさんは鼻をほじりながらハンドスピナーをしている


「アホか、神気による電撃でワシにダメージが通るわけなかろう」


どうやら私の手に負える相手ではないようだ 

私はこのじいさんに媚びを売って生かしてもらう方向に行動を変える


「申し訳ありませんでした神様、よく見たらなんと神々しい方なんだろう! ぼかぁ感激だぁ! 」


私は格上と認めた相手にはプライドもクソも無くなるのだ


「フン、調子のいい奴だ。まぁいい」 


じいさんは私への攻撃をやめると、玉座のような壮大な椅子に腰を下ろす


「貴様に転移の権利を与えたのはワシだ、ワシの顔に泥を塗ってくれるなよ?

 とりあえずお前の能力でから揚げを出してみろ」


私がから揚げを出すと、じいさんはその一つを手に取りムシャムシャと食べ始める


「駄目だな、肉は安物の冷凍外国産しかも胸肉。油も安物の使いまわし

 スキルレベルが低いとはいえほんとに使えない奴だ」


そんなこと言うなら初めから旨いから揚げが出せる能力にすればいいのにね


「それが出来たら苦労せんわいアホう。とにかくさっさとスキルレベルを上げて

 電子パネルの能力を解放しろ。金を稼いで寄付するか悪党を殺すなりして善行ポイントを溜めればよい」


そこそこ有用な情報が手に入ったな。善行ポイントという奴が今後の鍵を握りそうだ


「そのまま川沿いに進めば寂れてはいるが村につく。そこで拠点を作れ。はい解散」


じいさんが手を叩くと周りは白い光に包まれた

これは森に戻されるパターンか!?


「待ってくれぇ! 神様と言うならオラの願いを叶ぇてくれ! とりあえず金を三億ほどと、美人で胸はcカップで、デート代は全部出してくれて、生理の日でも機嫌の悪くならない彼女をオラにくれえぇ!」


目が覚めるとさきほど居た森の中に戻っていた。夢だったのかあれは?

後頭部にジンジンと鈍い痛みを感じる

とりあえずもう一度寝て起きたら考えよう

迫る睡魔に勝てず二度寝と洒落こもうとすると少し離れた場所から獣のうめき声と

誰かが走りながら何かから逃げるような足音が聞こえる



「囲まれたか!クソが!」


青年は焦っていた。自分一人なら逃げ切れそうだが妹が一緒なので離脱できないのだ

一度に五匹の狼を相手に武器も無く妹を守りながら戦うのは無理だ


「しくじった、欲をかいて森の奥に進み過ぎた。せめて妹だけでも・・・・・・」


私は遠目から見て葛藤していた

私は正義の味方ではない、狼から人を救えるほど強くも無い

しかし青年の年の頃は15,6才 女の子の方は7,8才程度なのだ

私のような32才のおっさんよりもよっぽど命に価値がある

死ぬべきは私のようなロートルだ

子供は人類の宝というのが私の持論だ。無限の可能性を持っているのである



こんなくたびれたおっさんの命よりもな

私は勇気を振り絞って狼と対峙することを決意する


「あああああああああ!」


大声を出して自分を鼓舞しつつ狼の注目を集める


「タダではやられん、子供を逃がして少なくとも一匹は道連れにしてくれるわ」


私はから揚げを右手から作成すると狼に向かってばら撒く

狼は投げた物に警戒して避けるが、匂いで食べ物とわかるとムシャムシャと貪り始めた

相当飢えているようだ


「まだまだあるぞ! ついてきな!」


私はから揚げを手に持つと今度は投げずに握り締めそのまま全力で走りだした

狼は私を上質な獲物と認識すると、子供たちには目もくれず私に向かって一斉に走り出した


「兄ちゃん!」


青年はあっけにとられていたが妹の言葉で我に返る


「早くしないと!」


青年と少女も夜の森に向かって走り出していった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ