番外編3 浮泡育のプロフィール
今回は(多分)みんな大好き男の娘、育くんです!
それではどうぞ!
キーンコーンカーンコーン。
きりーつ!
礼!
よろしくお願いします!
ちゃくせーき!
「さあ始まりました番外編パート3! 遂にイクの番だよ!」
「恋先輩と葵先輩に聞いてましたけど、こんな風になってるんですね……頑張ります!」
「イクの意気込みを聞けたところで注意事項を! この番外編は異次元空間にある教室にて行われる授業風な形式でこの世界やその他もろもろを語るコーナーだよ! 地の文は黒板、パネルのようなものとして扱うからそういうのが苦手は人は気を付けてね!」
「おお、なんかテレビ番組っぽい!」
「でしょ? それじゃあ授業を始めよう!」
~1時限目 自己紹介~
「ベネトさん、書けました!」
「了解! それじゃあオープン!」
【名前】浮泡 育
【性別】男
【誕生日】3月24日
【身長】154cm
【趣味】散歩
【特技】裁縫、料理
「……本当に男、なんだよね?」
「男ですよ! まあ女の子に見られてるって自覚はありますけど」
「キミの場合は女の子っぽい服を着てるっていうのもあるだろうけどね……そういう趣味なの?」
「ほら、やっぱりボクって可愛いじゃないですか? それなら着飾らないとダメかなって!」
「うーん、僕にはよく分からない世界だ。でも面白いね!」
「趣味は散歩ってあるけど、これは?」
「音楽を聴きながら色んなところを歩くんです。やっぱり目新しい景色とか見るのが好きなんですよー」
「それは分かるよ! やっぱり新鮮なモノを見るのが良いよね!」
「ベネトさんもそういうのが趣味だったりするんですか?」
「僕は纏まった休暇を取って旅に出ることかな。色んなヒトと出会えて楽しいよ!」
「いいなぁ。ボクも旅行とかそういうの行ってみたいな……でもお金がなぁ……」
「特技は裁縫ってあるけど、どんなものを縫ったりするんだい?」
「そうですね、最近だと羊毛フェルトで小さい熊を作りました! 自分で見ても良い出来です!」
「ほうほう。ちなみにだけど何で裁縫をするようになったの?」
「うーん、昔からやってたのもあるんですけど1番はお金が浮くからですね。既製品を買うよりも安く済むので!」
「イクは節約家なんだね。料理は何で得意なんだい?」
「ボクがよくご飯を作ってるので自然と得意になった感じです! 安くて美味しいがモットーです!」
「お店のキャッチコピーみたいだね」
「少し気になったんだけど、育ってお金があまり無いのかい?」
「うぐっ。いやー、そうではないんですけど……ちょっと申し訳なさの方が勝っちゃって」
「うーん、子供らしく我が儘をいってもいいと思うけどなぁ」
「でも、やっぱりお金は大事に使うのが1番です! 食材を買う時はチラシと睨めっこしながらスーパーを渡り歩くのも慣れました!」
「なんていうか……主婦? いや、男だから主夫か」
~2時間目 緑の魔法少女~
「それじゃあここからは魔法の授業だよ! イク、変身しよう!」
「はい! メモリアライズ!」
【Yes Sir. Magic Gear, Set up】
「変身完了しました!」
「よし、それじゃあ解説を始めるよ!」
「まずは2人のときにもやった武器の解説から。イクの武装は右腕に装着された銀色に輝く魔法製糸機械! 魔力を籠めることで糸が最大10本まで作成した後射出して攻撃する。敵を貫く、切り裂く、拘束するとなんでもござれさ!」
「理論上の射程は無限らしいですけど、遠くに伸ばそうとすればするほどコントロールがあやふやになるので基本は中距離から遠距離で扱ってます。要するに視界内ですね」
「イクは参戦したのが1番後だけど、どういうイメージで魔法を使ってたんだい?」
「基本的には裁縫のイメージですね。糸を通した針を操るように動かしてました!」
「なるほど、特技の裁縫が活きた……というよりは、それに合わせてメモリーズ・マギアが武器にしたってところかな」
「これ、本当にすごいんですねぇ……まさに魔法の道具って感じです。ボク、運動苦手なんですけど変身してる間は思った通りに動けたおかげで戦えました!」
「変身する姿は理想の自分。思い描いた動きが再現されるのは当たり前の事さ」
「そしてなんと言っても注目なのはその姿! 緑と白でまとめられた服装と胸の黒いリボンがロリータ服っぽいイメージを出してるね、下もしっかりスカートだし」
「こういう服、憧れだったから本当に満足です! 魔法少女になって良かったって思いました!」
「そう言って貰えると戦いに巻き込んでしまった側としては救われるよ。あとは3人共通の腰布と、イクの場合もブーツだね。というかメモリーズ・マギアは戦闘服だから脛を守ることが出来るブーツが基本デザインとして取り入れられているんだ」
「へえ、そうだったんですね。カッコいいながらも可愛い、まさに魔法少女です!」
~3時間目 育の魔法、基礎編~
「それじゃあここからはイクが使う魔法の解説! はいドン!」
・エンハンス……自身が指定したものを強化する。
・プロテクション……ドーム形状のバリアを作成する。
・コンストラクト……糸で思い描いた物を作り出す。
・コネクト……糸が触れた対象と物理的、魔法的に接続する。
・ロック……指定した物体を一定時間空間に固定する。
「まずはエンハンス。これは使用者が指定した要素を強化できる魔法だ」
「ボクはいつも糸の切断力、身体能力を強化しています!」
「複数の要素を強化できる代わりに数を増やしていくごとに1つごとの強化の倍率が下がっていくんだよ。強化で加算できる数値を100として、それを割り振るイメージかな」
「なので身体能力を強化する場合は腕力、脚力など1つの要素を強化してるんです!」
「必殺技はバイオレント・フィニッシュ。1つは相手を糸で雁字搦めにして無防備になったところに強化した蹴りを繰り出す。もう1つは糸の切断力を極限まで強化して敵を引き裂くものだよ」
「近・中と使い分けれて便利です!」
「イクのプロテクションは中距離や遠距離攻撃、範囲攻撃を守ることに長けている。複数人を守ることが出来るから仲間と戦うときには重宝されるよ」
「これのお陰で防御は万全でした。発動すれば防御出来ましたからね!」
「おっと、弱点もあるよ。アオイの壁みたいにバリアの形状、大きさは一切変更が効かない。つまり近付かれたら無意味になるんだ」
「……え、うわほんとだ!? まったく考えてなかった……」
「イクが参加してからは怒涛の戦いだったからね。これからは近距離の対策もしよう!」
「コンストラクトは魔力を消費して想像した物を作る魔法なんだけど、きちんとした設計図を頭に描かないと中身がスカスカな物が出来上がるよ。イクが最初に作った時計も見た目だけで全く動かないものだったんだ」
「黒山羊戦のときは四角い頑丈な板を作るだけだったから簡単に出来たけど、役立つものを作ろうとしたら大変なんですよね……編み物なら慣れてるおかげで何でも作れるんですけど」
「まあこの魔法はおまけみたいな感じになってしまうよね。あとで出てくるけど主にロックと一緒に使うよ」
「次はコネクト。これは繋がった相手に魔力を譲渡出来たり逆に奪うことも出来る。その他には繋がっている相手にエンハンスを使えたり念話みたいなことも出来るよ」
「少し気になったんですけど、”物理的に繋がる”っていうのはまだしも”魔法的に繋がる”ってどういうことなんですか?」
「お、じゃあついでに解説しようか。物理的に繋がる、まあ少し難しく言うと”物理的接続”っていうのは糸と対象が物理的に接続している状態のこと。ちなみにこの魔法で接続したモノはイクが自ら離すか糸が切れるか対象が消失することで離れるよ。まあイクの糸はとんでもなく頑丈だから切断される事なんてそうないだろうけどね」
「えへへ、少し照れますね……じゃあ、もう1つは?」
「”魔法的接続”は2つ以上のの生物、物質間で魔法を使ってやり取りを行う状態のことを言うんだ。ちなみにボクがみんなに使っている念話も魔法的に繋がっている状態と言えるよ」
「なるほど! 実際に声を出してないのに会話が出来ますもんね!」
「その通り。こんな説明で大丈夫だった?」
「はいっ! 分かりやすかったです!」
「ロックの魔法は生物じゃないなら基本的になんでも止めることが出来る。黒山羊戦でイクはこの性質を利用してアオイの矢を杭にして疑似的な拘束具を作り出したんだ」
「我ながら良い発想でした!」
「ちなみに止めている間に加わった力は蓄積され、解除と共に一気に開放される。これを利用して普段はビクともしない物体を動かすことも出来るよ」
「正直、使い方が多くてボクの手には余る感じです……」
「ここで小さな補足! 『基本的に』と言ったのはもちろん例外があるからで、それは身に着けている衣服や装備している武器。要するに生物が触れている、物理的に接続している物に対してはロックを使うことが出来ない。だけど魔法的接続は無視することが出来るから、例えば魔法で浮かせている物体をロックすればその魔法を強制的に切断して固定するんだ」
~4時間目 育の魔法、応用編~
「イクもは追加された魔法とかは無かったからこの時間で魔法の分類分けをするよ! はいドン!」
・攻撃系……エンハンス
・防御系……プロテクション
・特殊系……コンストラクト、コネクト、ロック
「攻撃1、防御1、特殊3。この構成から分かるけどイクは尖った魔法が多いんだよね」
「今までは恋先輩と葵先輩の助けがあってあれだけ動けてただけなんです……」
「しかも攻撃系のエンハンスもコネクトと併用すれば他人にも使うことが出来る。そう考えると本当に本人の機転や発想に戦闘が左右される可能性が高いよ」
「うぅ、もう少し単純な魔法が欲しかった……」
「嘆いても仕方ないさ。もし詰まったらレンやアオイにも相談しなよ? 2人なら真摯に考えてくれるさ」
「はい……」
「さて、一応は応用も考えてみるけど……イクは何かあったりする?」
「うーん、あんまり思いつくのはないです……。あ、でもロックをもっと上手く使いたいです!」
「ほうほう、だったら上手く悪用出来ないか考えなきゃね!」
「あ、悪用って……」
「え? 僕、何かおかしいこと言ったかい?」
「その考え方は陰湿過ぎません? なんか他にないのかなぁと」
「でも、これは結構真理だよ思うよ? 基本的に戦闘っていうのは相手の嫌がることをしてれば勝てるからね。究極的に言えば自分の弱点は晒すことなく、強みを相手に押し付けて相手の弱点は突くのがベストな戦い方だよ。決して相手の土俵には乗っちゃいけないんだね」
「うーん、勉強にはなるけどボクに出来るかなぁ……」
「まあ戦闘スタイルは人それぞれ。僕のも一例に過ぎないし自分に合ったものが1番だよ」
「……そうですね! 頑張ってみます!」
「いい調子だ! キミの魔法少女としての道はまだ始まったばかりなのだから!」
~HR~
「さて、今日はどうだったかなイク」
「はい! 自分のこれからの課題も見つけることが出来たので良かったと思います!」
「それなら良かった! さて、次回の番外編は3人一緒に本格的な魔法の授業に入るよ! それに合わせて僕のプロフィールも大公開しちゃうかも?」
「本当ですか! 僕たちベネトさんのこと全然知らないから知りたかったんですよ!」
「おお、そう言って貰えると嬉しいな。それじゃあ今回はこれでおしまい! じゃあね~」
「……壁に向かって翼振ってる……」
ここまで読んでいただきありがとうございます!
さて、次回は遂に日常編その1になります。予告通りオムニバス形式にするのでサクサクと進んで行きますよ。学生には欠かせないイベントもきちんと書いていくのでよろしくおねがいします!
後書きはここまで!
それではまた次話でお会いしましょう!




