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メモリーズ・マギア  作者: 雨乃白鷺
始まりの章が終わってから!
27/166

番外編2 立花葵のプロフィール

今回は紫の魔法少女こと立花葵です!

ついに彼女の性格が露わになる……!?


 キーンコーンカーンコーン。


 起立。

 礼。

 よろしくお願いします。

 着席。


「さあ始まりました番外編パート2! 今回はアオイだよ!」

「……扉を開けたら、そこは教室だった」

「はい、アオイの発言は置いておいて注意事項を! この番外編は異次元空間にある教室にて行われる授業風な形式でこの世界やその他もろもろを語るコーナーだよ! 地の文は黒板、パネルのようなものとして扱うからそういうのが苦手は人は気を付けてね!」

「……ベネトさん、ここは私たち以外誰もいない」

「ああ気にしないで様式美だから。それじゃあ早速いってみよう!」



  ~1時限目 自己紹介~



「……ん、書けたよ」

「よし、それじゃあ見てみよう! はいドン!」


【名前】立花(たちばな) (あおい)

【性別】女

【誕生日】11月28日

【身長】168cm

【趣味】美味しいものを食べる

【特技】アーチェリー、決めた時間に絶対起きれる


「やっぱりアオイは女の子にしては身長高いよね」

「……中学3年の春に測ったときは166cmだったから、まだ伸びるかも」

「成長期だねぇ。……こう、スタイルも良いしモデルさんみたいだ」

「…………なに? 言いたいことあるなら言っていいよ」

「あ、いいの? 胸は控えぐべらァッ!?」

「……次言ったら、もっと強くいく」

「い、言っていいって言ったのに……」


「……こほん。葵はアーチェリーが特技ってあるけど、いつぐらいからやってるの?」

「……初めて弓を持ったのは小学生のとき。本格的に始めたのは中学生になってから」

「そんなに前からだったんだ! それなら魔獣と戦ってたときの命中精度も頷けるね」

「……でも、移動しながら撃つのはやっぱり難しかった。だから頑張って練習した」

「アオイは努力家なんだね。あとは……決めた時間に絶対起きれるっていうのは?」

「……言葉のまま。どんなに疲れてても可能。地味だけど」

「いやいや、充分すごいと思うよ」


「趣味は美味しいものを食べることってあるけど、どういうモノ食べるの?」

「……お店のものからコンビニの商品まで目について気になったものは食べる。この前は美玖……友達が教えてくれたラーメン屋に行ってきた」

「ラーメン……地球、それも日本で主に食べられている食品だね。美味しいらしいし、僕もサブテラーに帰る前に1度食べてみたいなぁ……でも忙しいからなぁ……」

「……お湯を注げば食べれるラーメンもある。おすすめ教えてあげるから、それを持っていけばいい」

「そんなのがあるの!? 楽しみだなぁ」

「……鳥が鶏肉食べたりラーメン食べるって、なんか面白いね」

「そこは気にしないお約束で。まあ僕の事情は置いておいて、アオイはよくそのスタイルを維持できるね。聞いてるとそこそこ食べるんだろう?」

「…………そう、たくさん食べてる。それなのに……」

「あっ」


「そういえばアオイ、料理が苦手なんだってね」

「……なんでベネトさんが知ってるの」

「始まる前にレンからアオイのことをちょっと教えて貰ってね、なんでも鍋を爆発させたとか。あと最近ではクッキーを作ろうとして黒焦げになったんだって?」

「……私の心は傷付いた。訴えたい」

「なんで!? というか何の罪で!?」

「……事実陳列罪かな」

「僕何も悪くないじゃないか!? ……でもいいじゃないか、レンとお揃いで。具体的には言ってなかったけど卵料理以外はほとんど作れないっぽいし」

「…………」

「ん? どうしたの葵、突然黙って」

「私、料理苦手でもいい」

「何だこの子」



 ~2時限目 紫の魔法少女~



「それじゃあここからは魔法の授業だよ! さあアオイ、変身して」

「……メモリアライズ」

Yes Sir(了解). Magic Gear(魔法機装), Set up(装着)


「……ん、完了」

「よし、それじゃあ解説を始めるね!」


「まずアオイの主武装は銀色に輝く大きな機械弓! メモリアの装填スロットが2つ備わっていてここにメモリアを装填することでそれに対応した矢を生み出すよ。ちなみにメモリアを装填していないときはスタンダードな性能である通常の矢を生み出すんだ。この矢は突出した性能こそ無いけど魔力の消費量がとても少ないから、攻撃魔法を使わなくても堅実に戦えるんだよ」

「……基本的に通常矢は戦闘が始まって直ぐの様子見に使う。でも、普通の矢を射るようにしないと感覚がおかしくなりそうだから他でもなるべく使うようにしてる」

「アオイのこういう実直なところは美点だよね。基礎に忠実、忘れそうになるけど大切なことだ」


「ここで小さな補足! 実は魔法少女たちが持つ武器は途轍もなく硬くて軽い特殊魔法金属で作られているんだ。しかも少しでも異常があった場合、平常時のデータと照合して使用者の魔力を消費することで一瞬で修復してくれる。アオイが黒山羊戦のときに弓を盾みたいに使っても平気だったのはこういう訳があったんだよ」


「そうだ、アオイが考える自分の今後の課題はとかってある?」

「……もっと速く、正確に矢を射ることが出来るようになること。それに私はまだ魔法少女として戦闘経験が少ないから敵を接近させないように射撃するのにも限界がある。今まではレンちゃんや育がいたからある程度安全に射撃できてたけど、それが出来ないときが来るかもしれない。だから近距離や中距離で敵と戦うときの立ち回りも練習したい」

「おおう、すっごく真面目……。まあ確かに弓っていう武器の性質上、一度敵の接近を許してしまえば引き剥がすことも困難だ。急務とはいかなくても、考えなくちゃいけない重要な課題だね」

「……一応近距離戦に関しては自分で考えてることがある。今はそれの練習中」

「そうなんだ! みんなは披露されるのを楽しみにしよう!」

「……誰に向かって言ってるんだろう」


「体は黒いボディスーツに包まれていてその上から紫の衣装を着ている形。動く度にスカートと腰布がひらひらするのはカッコいいよね。あとはその色合いもあってアオイの髪と弓の銀色が映えるんだ」

「……少し、照れる」

「足はブーツだけど、これは脛を守るためでもあるね。アオイはこういうの履いたことはあるかい?」

「……長いのは経験ない。でも、これは良く馴染む」

「メモリーズ・マギアは読み取った記憶を利用して使用者にとって最適化された装備の形になるからね。まさにそれはアオイが望んだ姿ってことだよ」

「……カッコいいから、大満足」



 ~3時間目 葵の魔法、基礎編~



「それじゃあここからはアオイが使う魔法の解説になるよ! はいドン!」


・スパイカー……貫通力が高い矢を作成する。

・クラスター……射出後に分裂、拡散する矢を作成する。

・チェイサー……指定した敵を自動で追尾する矢を作成する。

・プロテクション……防御壁を作成する。

・フラッシュ……強烈な閃光を発生させる矢を作成する。


「……スパイカーは威力、貫通力が高い。基本的に巨体を持つ敵、硬い敵に使う」

「しかも貫通力が高い影響でこの矢の時は他の矢を使うときより射程が伸びるんだ。かなり遠くから矢を放っても威力が減衰しないんだよね」

「……まさに狙撃手、そういう魔法」

「必殺技はグローリア・シューティング。魔力を超圧縮されることで放たれた矢はまさに光の如き速さで襲い掛かり、矢が放たれたのを気付いた時には敵はもう撃たれた後さ」

「……射程が圧倒的に伸びるから本来ならもっと遠くから撃てる。でも私の今の技術じゃまだ狙った場所に正確に当てられないから、要練習」


「次はクラスター。さっきのスパイカーが1か所を狙って使われるのに対してこの魔法は複数、広範囲を攻撃するために使う魔法だ。その能力上、仲間を誤射してしまう可能性もあるから使う際には注意が必要だね」

「……私のお気に入りの魔法」

「あ、そういえば最初に使ったとき何回も使ってたよね。理由とかある?」

「……これを使っておけば大体当たるから」

「雑だね!?」

「……あと、必殺技が私好み」

「なら紹介しなきゃね。必殺技はアサルト・ストライク。通常よりも魔力を大量に込めることで矢を巨大化、分裂数を増やす……だけでなく。使用者の任意のタイミングで放たれた矢に込められた魔力が解放、爆発を引き起こすんだけど、それぞれの爆発がお互いの威力を高め合うことで消費した魔力以上の破壊力を生み出すんだ」

「……一番派手な魔法だから、使ってて気持ち良い」

「これ、やってることかなりエグいんだけどね……」


「チェイサーは放つと敵を自動追尾してくれる便利な魔法だ。でも威力はそこまで高くないからあくまで牽制として使う位だね」

「……初めの頃は良く使ったけど、最近ではほとんど使わなくなった」

「アオイの動きはアーチェリーを元にしている。移動しながら弓を射るなんて初めてだっただろうし、今では主に対人戦向けの魔法って感じだね」

「対人戦……経験しておいた方が良いのかな」

「まあ無いよりはあった方が良いと思うよ。なんだったらレンたちと模擬戦をするとかどうだい?アオイの課題の近距離戦も練習できるよ」

「……人に向かって矢を射るのは憚られるけど……考えてみる」

「必殺技はファロウシャス・バイパー。1度放てば攻撃が当たっても込めた魔力が尽きるまでずっと襲い続ける攻撃だよ」

「……私があまり使え熟せてない魔法。使い方は模索中」


「ここで小さな補足。ファロウシャス・バイパーの綴りは『FEROCIOUS VIPER』、直訳すると獰猛な鎖蛇ってところかな。まだ本編で1回も使われてないけど魔獣相手の場合は瞬間的な攻撃力の方が大切だったんだ。これからの活躍に期待だね」


「アオイのプロテクションは壁を作成するんだ。近・中・遠全ての攻撃に対応してるけど、1方向からの攻撃しか防げないのが難点だね。レンの盾の防御範囲を広げたって感じかな」

「……でも、この魔法は少し離れている場所にも壁を作ることが出来る。あとは形、向きが調整できることがレンちゃんと育との違い。……例えばだけど、横に倒した壁を空中に作れば疑似的な足場にも出来るよ」

「黒山羊戦では空中で壁を作って防御しながらそれを踏んで方向転換、なんてこともしてたんだよね」

「……でも、最後は私のミスで迷惑をかけた。助けてくれた育には本当に感謝してる」


「フラッシュは名前そのままの魔法だね」

「……用途は主に敵の目くらまし。他に考えてるのは……上空に打ち上げて信号として使ったりかな」

「限定的ではあるけど、使いどころがはっきりしてる魔法だね」

「……あと最近、魔力を籠め続ければ光り続けるからライト替わりになることが分かった。停電しても安心」

「えぇ……」



 ~4時間目 葵の魔法、応用編~



「アオイは追加された魔法とかは無いし、決戦形態の説明は3人分の個人編が終わってからにするからこの時間で魔法の分類分けをするよ! で、したのがこちら!」


・攻撃系……スパイカー、クラスター、チェイサー

・防御系……プロテクション

・特殊系……フラッシュ


「攻撃3、防御1、特殊1。攻撃的な編成だね」

「……個人的には防御系がもう1つ欲しかった、かな」

「うーん、それはちょっと厳しいかな。メモリーズ・マギアの仕様的に」

「……?」

「んんっ、でもこの割合も攻撃支援役って考えたら強いと思うよ」

「……まあ、攻撃の手段は多いに越したことは無い」

「でもアオイが打たれ弱いのは事実だ。そこを立ち回りでしっかりカバーすることがこれから求められるね」

「……課題がいっぱい。でも、やりがいがある」


「さて、一応は魔法の応用編だからそこもしっかり考えないとね。アオイは何か考えてるのある?」

「……1つ、練習中のものがある。ちゃんと使えることも実証済み」

「おっ、もしかしてこの授業の最初に言ってたこと?よかったら聞かせてよ」

「……私のプロテクションはある程度形を変えることが出来る。これを利用する」

「なるほど、具体的には?」

「……まず、作る壁を細めの四角柱の形に設定する」

「ふむふむ」

「これを敵に向かって勢いよく伸ばして突き刺す」

「…………ん?」

「他には建築物などに向かって壁を作成することで挟まった敵を圧殺、もしくは部位を圧壊させる」

「ちょ、ちょっと待って! アオイ何言ってるの!?」

「……? どうすれば攻撃の手段を増やせるか考えた結果だけど」

「え、何、じゃあさっき言ってた事ってそういうことだったの!? プロテクションを攻撃に使うから他に防御魔法が欲しかったってこと!?」

「……それ以外に、何かあるの?」

「ちょっと待っていくらなんでも攻撃的すぎない!? というか心底不思議そうにしないでくれる!?」

「……近付けさせたら終わりじゃ駄目、近距離戦用の迎撃手段も持っておく必要がある。でも私が弓を射るより早く敵は攻撃できるかもしれない。魔法を発動して、作られた矢を番えて、弦を引いて、放つで4アクション。通常の矢でも番えて、弦を引いて、放つの3アクション。だけどプロテクションは魔法を発動させるだけの1アクション。コンマ秒が大切になる近距離戦でプロテクションを攻撃に使うのは自明の理」

「の、脳筋だァァァァ!!!」



 ~HRホーム・ルーム



「ぜぇ、ぜぇ……なんで僕がこんなに疲れてるんだ。本来は振り回す側のはずなのに……」

「……大丈夫? なんでそうなったの?」

「……ねぇアオイ、キミ分かってて言ってる? もしそうだったら僕もそれなりの対応をしなくちゃいけないんだけど」

「…………???」

「これは分かってない顔だぁ……。くそぅ、トリックスターと呼ばれるこの僕がここまで振り回されるなんて……」

「……なにそれ、カッコいい。今度からトリックスター・ベネトさんって呼ぶね」

「普通にベネトでいいよ! もうこれ以上は疲れるからここで終わり! 次回はイクの番だよ!」

「……楽しかった。またお話ししようね、ベネトさん」

「レンと一緒ならしてもいいよ!!それじゃあサヨナラ!!」


ここまで読んでいただきありがとうございます!

葵の思慮深くもありながら考えて自分なりの答えが出たら即行動、攻撃されるなら攻撃される前に攻撃するといった性格と共に、なぜ彼女の魔法が攻撃系3つなのかなんとなく理解していただけたかと思います。

後日譚で服選びが早いというシーンがありますが、彼女の性質を表していることだったんですよ。


さて、そんなこんなで次回の投稿は後日譚その2になります。時系列で言えば後日譚その1の翌日である日曜日、恋と幼馴染である柊桐花とその家族との関係を掘り下げます。

それが終わったら後日譚は終了。番外編3の育に入り、そこからはオムニバス形式で恋たちの返ってきた日常編と番外編でこまごまとした魔法の設定などを書いていきたいと思ってます。


そして先にお知らせします。第2章が始まるのは時系列的で言うところ、夏休みからです。


……言いたいことは分かります。「長すぎだろ」ですよね?ご安心を、そのためのオムニバス形式です。簡単に言うと描写する必要が無い期間はバッサリとカットしながら話を進めます。

なので少ない話数で時間がアホみたいに進みます。そこのところはご容赦を。


では後書きもこの位にして。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

評価、感想をいただけると大変嬉しいです。誤字、脱字報告は見つけ次第よろしくお願いします。

そして、これからも『メモリーズ・マギア』をよろしくお願いします!

それでは次話でまたお会いしましょう!

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― 新着の感想 ―
[良い点] トリックスター・ベネトさんすらも振り回すド天然で脳筋の葵ちゃんさすがです。 [一言] 葵ちゃんはモデル体型なんですね……え、言いたいこと言っていいって? では……ぺったん! ぺったん! つ…
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