番外編1 櫻木恋のプロフィール
先に番外編になりました。最初は今作の主人公、櫻木恋からです!
気になっていたことが明かされる、かも?
キーンコーンカーンコーン。
きりーつ。
礼。
よろしくお願いしまーす。
着席ー。
「さあ始まりました授業風な形式で行う番外編のコーナー! ここではこの世界やその他もろもろを語る場所だよ! 読者の皆様にもお届けするために異次元空間に存在する教室セットからお送りしておりまーす!」
「……なあベネト、そのテンションでやるのか? あと中継ってなんだよ、こんな教室みたいな場所あったのか」
「まあまあ細かいことは気にしないの! さてここで見て頂いてる皆様にご説明を! 番外編では地の文を黒板、またはパネルのように使っていることを想像してくれれば分かりやすいと思うよ! その辺ヨロシクねっ! さあ、これから頑張っていこーう!」
「……俺はもうお前を見るだけで疲れたよ……」
~1時限目 自己紹介~
「……ベネトー。言われたことは書けたけどこれでいいか?」
「うん、ちゃんと書けてるね! それじゃ見てみよーう、はいドン!」
【名前】櫻木 恋
【性別】男
【誕生日】4月19日
【身長】170cm
【趣味】ボランティア、鍛錬
【特技】体を動かすこと
「レンは三人の中では一番身長が高いんだよね」
「ああ。でも葵は俺と少ししか違わないから結構高い方だな。逆に育が小さ過ぎるくらいだ」
「イク、下手な女の子より女の子らしいもんねぇ……」
「服も女っぽく見える服着てるし、そういう趣味なのかね?」
「さあ? それは本人のみが知るってやつでしょ」
「それにしても趣味がボランティアというのは中々の奉仕精神だね。いつぐらいからこうなの?」
「そうだな……だいたい中学校1年くらいだったかな。やっぱり誰かのために何かをするっていうのは良いことだぞ」
「うへー、僕はそういうの分からないや」
「お前は自分が楽しければ良いって感じだもんな……」
「そりゃそうさ! 折角なら楽しく生きたいだろう?」
「うーん、特技は体を動かすこと……他に何かなかったのかい?」
「そう言われてもな……恥ずかしいけど、熱中するようなことなんて今までほとんどなかったし。人に自慢できるような事なんて他人より少し運動が得意なだけ……強いて言うなら習ってた武術かな」
「そうだ、その恋が習ってたっていう武術のこと教えてよ!」
「そうだな……まず武術の名前は無い。幼馴染である桐花の爺さんから習ってたんだけど、型を覚えるっていうよりは自分の体に合った体の動かし方を見つけることと、心構えを教わったのが主だな」
「へえ! 結構本格的だね。やっぱり厳しかった?」
「そりゃそうだけど、嬉しかったよ。俺みたいなやつにも根気良く教えてくれたし、すごくカッコいい人だ」
「趣味が鍛錬ってこともあるし、レンの強さはこうして育まれたんだね」
「突然だけど、レンは苦手なことって何かあるのかい?」
「……料理だな。超簡単なのは出来るけど道具を使い始めるとお手上げだ」
「ええ……道具使わないって何なら作れるのさ」
「……卵関連ならいけるぞ」
「ねえ、それ卵焼きとか目玉焼きとかスクランブルエッグのこと言ってるんじゃないよね?」
「……」
「あっ……」
~2時限目 赤の魔法少女~
「2時限目からは魔法の授業だよ! さあレン、変身して!」
「はいはい……メモリアライズ」
【Yes Sir. Magic Gear, Set up】
「……ほい、変身したぞ」
「おっけい! それじゃあ解説しよう!」
「まずレンの主武装は両手に装備された銀と黒の幾何学線が輝く機械籠手! メモリアの装填スロットは左右に1つずつだよ。何か戦闘中に意識してることとかある?」
「そうだな、片方に攻撃系メモリア、もう片方に防御系メモリア……いや、プロテクションしかないんだからそれで固定するか。プロテクションを装填するのが安定してるかな。逆に一気に攻めたいときとかは両腕に攻撃用メモリアを装填してる」
「ほうほう、なるほどねぇ」
「ここで小さな補足。実はメモリアを重ねて装填すると前に装填していたメモリアは自動的にケースに転送されるんだ。1つのスロットには1枚しか存在できないんだよ」
「次には脚部装甲! 恋の場合は補助武装として機械ブーツで足が包まれていて攻撃も防御もお手の物! 接近戦においては足が重要になってくるからだろうね」
「実際蹴りも良く使うからな。……それよりも俺としてはこのショートパンツが気になる。短いせいで太もも見えるし……いや、違和感は無いんだけどさ。違和感がないのが逆に違和感というか……」
「あれあれ? レンってば男の子なのに照れてるのかなー?」
「男だからこそ恥ずかしいんだよ!!」
「あとは腰布が良い味出してるよね。3人共通だけど戦闘の時にひらひら揺れてるの見ると心を擽られるなぁ」
「それに関しては俺もカッコいいと思う。……男を魔法少女にするのは意味わかんないけど」
「まあまあ、それは僕に目を付けられたと思って諦めておくれ♪」
「はあ……まあ、そのおかげで桐花を救えたし、感謝してるよ」
「おおう……感謝されるってやっぱりむず痒い」
「ここで小さな補足。メモリーズ・マギアには魔法防御が常に張り巡らされていて物理、魔法問わずダメージを軽減してくれるんだ。だからみんなある程度安全に戦えていたんだよ」
「それじゃあ次の時間からはレンの使う魔法を細かく解説していくよ! おー!」
「……おー」
~3時間目 恋の魔法、基礎編~
「よし、レンの魔法を書き出してみたよ! はいドン!」
・インパクト……衝撃を発生させる。
・ブラスト……魔力を収束、固定することで着弾時に炸裂する魔力弾を作成する。
・プロテクション……魔力で盾を作成する。
・ミラージュ……自身の幻影を作成する。
・スイッチ……自分の視界内にいる人と自分の位置を入れ替える。
「上から1つ1つ行こうか。まずはインパクトだね」
「インパクトは魔力を消費して衝撃を生み出す魔法だ。敵に叩き込むことで内側からダメージを与えることも出来るし、その反動を利用して大きく跳んだり空中で無理やり動くことも出来る。俺が気に入ってる魔法だな」
「必殺技はクリムゾン・インパクト。衝撃を発生させる魔力を大量に超圧縮、それを一気に開放することで爆発的に増幅された衝撃によって途轍もない破壊力を生み出すことが出来るんだ。ちなみにパンチとキックの2パターンあるけど、キックの方が威力が高いんだよ」
「ブラストは魔力弾を飛ばして攻撃する魔法だ。俺の場合は生み出した魔力弾を殴ったり蹴ったりすることで放ってるぞ」
「必殺技はメテオ・ライト・ブラスター。魔力を巨大な球体上に圧縮、それに刺激を加えることで一気に放出するんだ。その威力はクリムゾン・インパクトよりも圧倒的に高いんだよ」
「だけどその分問題もある。チャージまでに時間がそこそこ長いこと、一発撃ったら魔力がほとんど空になることだ。最終決戦の時は葵と育から少し魔力を分けてもらったんだ……」
「そこはこれからの課題だね」
「レンのプロテクションは盾型。範囲こそアオイとイクよりは狭いけどその硬さは3人の中でもトップ……に納まらず、たぶん僕が見てきた中で1番くらいに硬いよ」
「へえ、硬さって個人差あるのか。理由ってあったりするのか?」
「……知りたい?」
「え? まあ、理由があるなら」
「それは……秘密ー!」
「……なんか、ホント疲れる……」
「レンの盾はそれこそ近・中・遠全ての距離の攻撃を防御できるんだけど問題もあって、それこそさっき言った守れる範囲が狭いから範囲攻撃や広域爆撃なんかは気を付けなきゃいけないんだ」
「まあそうなりそうだったらやられる前にやるけどな」
「レンの偶に出る脳筋感すごいね……。あ、プロテクションで生み出される物は透明な魔力の色だから守っている間に敵を見失う、なんてことが無いんだよ。これは防御魔法全てに言えることで恋の場合は赤色の透明な盾ってことだね」
「それに関しては本当にありがたい。盾なんて使った経験無かったからな」
「ミラージュは触ることが出来る幻影を生み出す魔法だ。見た目や感触の再現は完璧だけど匂いの再現だけは出来ない。嗅覚が鋭い相手には直ぐにバレてしまうんだ。ちなみにレンは魔法少女になって初めの頃、この魔法を使っても一瞬で見つかったことから魔獣戦ではほとんど使わなくなったんだよ」
「まあ獣は鼻が利くからな、そこは割り切ってたよ」
「スイッチは自身の視界内にいる人としか入れ替われないから対人戦だと視線の動きでバレやすいのが使いにくい理由だな」
「だけどその効果は今回みたいなチーム戦において絶大な効果を発揮する。しゅ……おっとっと。黒山羊戦では仲間と前衛後衛を一瞬で入れ替えることが出来たりするね。レンはまだ使ってないけど、レン自身に触れているものも一緒に転移できるんだよ。それでも使いどころは選ぶ魔法だね」
「それじゃあここまで出てきたレンの魔法を分類分けしてみよう!」
・攻撃系……インパクト、ブラスト
・防御系……プロテクション
・特殊系……ミラージュ、スイッチ
「攻撃2、防御1、特殊2の割合だね。安定してるなあ」
「なあベネト、一応まだ俺の魔法はあったよな?」
「ああ、それなら次の時間にやるよ。一応分類は別になるからね」
「なるほど、分かった」
「レンの元々武術をしていたっていう経験とこのバランスの良い魔法の組み合わせで序盤は1人でも戦えていたんだ」
「初めは魔法に慣れるまで大変だった……」
~4時間目 恋の魔法、応用編~
「さあここからは応用編だ! はいドン!」
・リアライズ……両手剣を召喚する。
・スラッシュ……斬撃の威力を強化する。
「この2つの魔法は恋が決戦形態になった時に出現した魔法だよ。だけど今は透明なカードになっていて、スロットに装填して読み込んでもうんともすんとも言わない状態なんだ」
「突然現れたからびっくりしたけど、これのお陰でアルカエスを斬れたんだよな……俺1人じゃ無理だった」
「メモリーズ・マギアがレンの強い想いに応えてくれたんだよ」
「まずはリアライズから。まあこれはそのままで両手剣を召喚するっていう魔法だね」
「……剣ってのが俺に合わないんだよな」
「おや、レンは剣に何か思入れでも?」
「……単純に慣れていたのが徒手格闘だったからなんで剣なんて使ったことないってだけだよ。まあ振り下ろすだけで助かった」
「ふーん」
「次にスラッシュ。これは召喚した両手剣の専用メモリアで、籠手に装填しても斬撃を生み出せるようになるわけじゃないんだ。あくまで斬撃の威力を強化する魔法だからね」
「そうなったら怖くて使えないぞ……」
「必殺技はクレセリオン・スラッシャー。剣に込めた魔力を用いて剣そのものを巨大化、斬撃威力の強化された巨大剣を振り下ろすって技になるね。いやもう冗談抜きにこれで切れないものは多分ないよ」
「……俺、相当危ないもの振り回してたんだな……」
「ちなみになんだけど、今回魔法が新しく追加されたのは俺だけなんだよな?」
「そうだね。レンだけがアルカエスとの戦いで魔法が追加された。アオイとイクも何か強い想いが切っ掛けになれば新しい魔法が作られるかもね」
「……2人とも、どんな魔法になるのか皆目見当もつかない」
「まあ多分、レンと同じくリアライズとその専用魔法になるんじゃないかな。何が出てくるかは分からないけど」
「だったらそれも楽しみだな。まあ、これから戦うことなんてないだろうからそんな機会も無いか」
「……レン、そういうの世間一般では”フラグ”って言うらしいよ」
~HR~
「今日は初めてだからこのくらいで終わりにするけど、どうだった?」
「まあ自分の状態も再確認できたし有意義だったぞ。……疲れたけど」
「うんうんなら良かった!」
「なあ話聞いてたか?俺疲れたって言ったんだけど」
「それじゃあ今回の授業はこれでおしまい! 次回の番外編はアオイになるよ! それじゃあアデュー!」
「無視か!? 番外編とか意味わからんこと言って……ああ葵、頑張ってくれ……」
どうでしたでしょうか?地の文ないと違和感すごいんですけど、まあこんな感じでやっていきます。
あと、葵の番外編の前に始まりの章の後日譚を予定しています。具体的に言うならアルカエスとの戦闘の翌日、つまり土曜日ですね。書けたら日曜日まで書きます。
で、そこから章を分けて日常編に入って行きたいと思っているので把握のほどよろしくお願いします。
それとこの話と同じくして活動報告を上げました。内容は今後の執筆活動についてです。
作者の執筆事情やこの作品を書いてて起こったことなどを交えて長々と書かれているので、読みたい方だけお願いします。
では後書きはこのくらいにして、また次話で!




