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半端者達、現実世界と異世界をその手で救え! 〜知らんけど〜  作者: 群青 黎明
 二章 『日常と魔法の交差』
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 二章 6 『ゴロゴロしたい。え? 魔法?』

 二章 6 『ゴロゴロしたい。え? 魔法?」




 ーー四時にバイトを終え帰路につく。

 美人お姉さんの正体が瞳姉だったとわかったので少し残念な気がする。

 自宅までの五分間を西陽がオレを照らす。……なんか昨日と今日で色々ありすぎて疲れたなぁ。


 家に帰るとすぐにマイルームの布団に倒れこむ。


「あぁ〜疲れたんもぉ……」


 眠たいし晩ごはんまでの少しの間寝ようか……。

 ウトウトし始めたオレの視界に携帯が。

 画面には絵梨花さんからの通知が来ていた。そういやバイト終わったら連絡してくれとか言っていたな。

 めんどくさいし寝て起きたら連絡しよう。


 ♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜


 誰だよ寝ようとしてる時に……いや、十中八九絵梨花か。

 画面には『絵梨花』の文字が。やはりか。なんとタイミングのよい……。でるしかないか。


「はい……なんでございましょう絵梨花様」


「バイト終わったの?」


「終わったよ。今隣にいます」


「その隣にいますっていう返し怖いから。帰ってるっていいなさいよ。で時間ある?」


「……眠たいんですけど」


「あるのね。じゃあ今から家行くわ……それとも来る?」


「じゃあ行くで。自分の部屋にいたら寝そうだし」


「じゃあ玄関開けとくから勝手に入ってきて」


 なんの用事か知らないが……まあ異世界関係のことだろうか。

 と、いうことで徒歩五秒の絵梨花の家へ。

 別に下心とかは無いよ。


「おじゃましまーす」


 絵梨花の家の玄関を開け入ってそのまま二階へ。絵梨花の部屋にはもちろん何度もいっているので慣れたものだ。


 ガチャッとな。


 絵梨花の部屋に入る。相変わらず片付いた部屋だ。こんなに片付いていては逆に落ち着かないだろうといつも思う。


「で? 話ってなんでございましょうか」


「まあ座りなさいよ。ベット以外にね」


 わかってるよそんなこと。さすがにベットにダイブする勇気はオレにはない。

 絵梨花の座っている前に座る。

 ……近くで見ると可愛いやつだよなぁ。水色の髪の毛も綺麗だし……って今気づいたけど水色の髪って珍しくね?


「なにジッと見てきてるのよ。もしかして今更私の可愛いさに気づいたの?」


「いや、前から言ってるけどお前は普通より全然可愛いよマジで。けど絵梨花も瞳姉もなんで自分で言うんだよ」


「…….そうなんだ」


 あれっ? 照れてやがる。こんな反応するなら自分から可愛いなんて言わなきゃいいのに。なんか知らんが今日はいじりがいがありそうだ。

 もう少し遊んでみるか。


「その水色の髪の毛とかも珍しいけどサラッとしてて綺麗だよな〜オレはショートカットの方が好きだけどお前はロングも似合うし」


「なんなのよ急に……今は長いのが気に入ってるの。そのうち短くしてあげるわよ……」


 おっ、後ろを向いて顔を隠してやがる。これは赤面してやがるな。……楽しいですねこれわ。しかしあまりやり過ぎたら多分怒られるのでこの辺にしておこう。


「で、本題に戻るけどさ話ってなんなんだよ?」


「あぁ、そうね。えーっとね、昨日今日でアーウェルサの世界の住人に襲われてるわよね。反撃とかできた?」


「……いや、昨日はいきなり腕吹っ飛ばされたし今日に関しては飛び蹴りを綺麗にかわされて横っ腹をぶん殴られました」


 あらためて思い返してみると一方的にやられているだけじゃねぇか。仕方がないといえば仕方ないのかもしれないが絵梨花と瞳姉がいなければオレはもうこの世にいなかったのだろう。

 そう考えるといきなりだったとはいえ、自分の無力さをしみじみと思わされる。


「まあそうね。端的に言うとなにも出来なかった。でもそれはもちろん仕方ないことなのよ? いきなり巻き込まれて何かできる人間なんて一握りだから」


 というかあんなのにいきなり巻き込まれて何か出来る人間がいるのが信じられない。


「……で何が言いたいんだよ。オレに魔法でも使えるようになれっていいたいのか?」


 そんなこと無理なのは大体わかって、


「そう。咲都、魔法覚える気はない? ってか覚えないと昨日と今日みたいに空間に巻き込まれたりアーウェルサといきなりなにかあった、なんて時に何も出来ないし」


 あるぇ……覚えられるんですか。そういうのって普通の人間は覚えられないだろ。

 ーーあっ、そういえばオレ、普通の人間じゃなかったんだっけ。

 でもなんか複雑だなぁ。妄想や二次元でのみの魔法を覚えるなんて……。


「その魔法ってさそんな簡単に覚えられるものなのか? めんどくさいんだったら嫌なんだけど」


「私もよくわからないけど人それぞれらしいわ。ちなみに私も最初は使えなかったけど割と早く覚えたわね」


 ふーん……ちょっと気になってきたかも。チョロいな〜オレは。

 しかし目の前に魔法なんてファンタジーなものが転がってきたら大体の人はきになるだろう。


「簡単なら、そう、簡単なら覚えたいけどどうやるんだ?」


「だから人それぞれだって。まず魔法を覚える前に咲都の能力がどんな感じか見てもらわないとね」


 ほう、能力とな。ゲームとかでいうステータスみたいなものなのかな。

 こうゆうのはかなりワクワクしてしまうな。現実ではこうゆうことは起きて欲しくないと思っていたがその考えが変わりつつある自分がいる。


「じゃあ今から行くわよ」


「えっ、どこにだよ」


「だから咲都の能力を見てもらいによ」


 いや、オレ眠たいんですけど……明日とかじゃダメなんですかね? なんて思いは虚しく否定され着替えに家に戻る。

 というかわざわざその能力? を見てもらいに行かなければならないのか。あぁめんどくせぇ。




 ーー着替え終わり家から出ると瞳姉が当たり前のようにいた。


「なんでいるんだよ瞳姉」


「そんなジトッとした言い方しなくても……バイト先で投げキッスまでしてあげたのに」


「その投げキッスが余計なんだよ。あのあとオレがバイト上がるまで先輩にどれだけ気を使ったか……」


「……? なんで気を使うことになったのかよくわからないけど私がいるのは咲都の能力を見てもらいに行くって絵梨花から連絡あったから」


 そりゃ絵梨花から聞く以外知るすべは無いだろうがその話今してたところなのに来るの早すぎるだろ。やっぱり暇人なんだな瞳姉は。


「私のこと暇人だって思ってるんでしょ」


 さすがですね瞳姉。オレの考えを当ててきやがる。


「さすが瞳姉。絵梨花もだけどオレの思った事を的確に当ててくるよな」


「やっぱり思ってたんだ。言っとくけど私暇人ではないからね? 絵梨花に呼ばれたから来たんだからね」


 だから呼ばれて来るの早すぎるんだって。しかもいつものごとくスーツだし。

 そういやなんでいつもスーツなんだ瞳姉は。この際だし聞いてみるか。


「瞳姉ってなんでいっつもスーツ着てるんだ? もしかして着る服他に無いとか……」


「違うわよ! 貧乏だから服買えないとかじゃないから。スーツってなんかさカッコよくない? しかもパンツスーツってなんか私的に動きやすいのよね」


 あぁ、貧乏だから服買えないんではないんだ。

 まあパンツスーツはお尻から足にかけてのラインが出るしいいよねーうん。瞳姉はスタイルもいいし眼福ですわ。

 胸もパッツパツで直視出来ないレベルです……グハッ!


 玄関が開き絵梨花が出てきた。

 おぉ、これまたオレ好みのザ、女子大生みたいな感じではないですか! 瞳姉といい絵梨花といい実に素晴らしい。


「おっ、絵梨花オシャレな格好してるね。咲都を意識したのかなぁ〜?」


「ち、違うわよ! 瞳姉こそたまには他の格好したらいいのに」


「え〜、今咲都にも言ってけどスーツカッコいいし楽なんだもん。……ていうか絵梨花も来たし行こうか」


 行き先も伝えられずにとりあえず絵梨花と瞳姉に着いて行く。

 一応美女二人に挟まれている形だ。側から見たら羨ましいんだろうな〜。どっちも彼女じゃないし彼女もいないんですよ……自分で思っていて虚しくなってきた。


 てか晩ごはんはどうなるのだろう。時間がどれぐらいかかるのかも分からないからな。まあどうでもいいか。

 ーーしばらく歩き家の近くにある山の方までやってきた。山といってもかなり小さい山だが。

 ここは二月になると節分のお祭りで有名になるところだ。

 よく小さい時に虫取りに来ていたところだがこんなところに来てなにをするんだろうか……。


「じゃあ絵梨花、咲都、私の手に触れててね」


 言われたとおりに瞳姉の手に触れる。

 ーー綺麗な手ですなぁ……いかんいかん。


「よし、じゃあ行きますか」




 ーー瞳姉のその掛け声でなんと風に揺れていた木々の音が消え世界が停止する。

 そう、例の『空間』に入っていた。

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