設定集 世界の人種・後編
この世界には多数の人類種が生活している。それは人類へと進化した動物が多数いたからである。前回、世界中の文化人類学は多種多様な人類を16種類に分類することで統一されていると言った。しかし、中には分類が難しく未だに議論の続いている種族もいる。後半となるこの本では、多様性国家と呼ばれるキュアノス国で多く出会うことの出来る、より個性の強い残り8種族を一気に紹介しよう。
よく知らないことは争いの最も原初的な要因である。普段顔を合わせることの少ない人類種も、皆同じ人類であることを忘れず、関わることを恐れないことが何より肝要であることを、どうか覚えておいて欲しい。
―――出展:『続・16人類の繁栄への道』
○ケートス
クジラ、イルカなど水生哺乳動物から進化した人類。比較的種族の独立性が高く、混血は少ない。主に海洋国家キュアノス国で暮らしている。多数の国家が立ち上げられるも互いに干渉することを避け、戦乱が起こることはごく稀である。
デルフィーネ
イルカから進化した人類。集団生活に長け戦闘の得意なものも多いが、そもそも海中で彼らに挑むものはなく、彼らが種族内で争うこともない。そのためか戦闘技術が演武、舞踊などの形で伝えられている。
フィレナ
クジラから進化した人類。穏やかな性格の者が多く、大きな集団よりは小規模な集団、あるいは一人での生活を好む。かつてデルフィーネがフィレナを王として擁立し、国を乱立する時期があった。そのためキュアノス国の王族に多い。
フォキア
アシカ、アザラシなどから進化した人類。寒い地域に多い。身体の脂肪量を自由に調整できる能力を持つものが多く、より太く、重くなれる人が権力を手にしてきた歴史がある。魔力はそれほど高くないが体力が高く、掌打を中心とした拳法が広く普及している。
○マーフォーク
ケートスを除く水生動物から進化した人類の総称。種の独立性が低く、多くの生物種に由来する者が多い。故にその特徴も多岐にわたり、身体に鱗のあるもの、身体の一部の骨が軟化しているもの、両性具有のもの、成長や環境によって性転換するものなど、その多様性は群を抜いている。
セイレーン
マーフォークの中で遊泳フォームになれる者の総称。人魚とも言う。遊泳フォームは下半身が魚のようになり海中を自由に泳ぎ回ることが出来る。血筋で決定することが多いため種族として扱われるが、例外も多く疑問視する学者も多い。女系部族で高い魔力を有する。
○アラクネ
蜘蛛から進化した人類。下半身を8本足にしたアラクネフォームになれる者が多い。起伏の激しい地形や不安定な足場も物ともしない。中には魔力を糸として紡ぎ、その上を歩いたり手足のように扱えるものもいる。人形劇が盛ん。キュアノス国の山間部に集落がある。
○ドロソフィリア
ハエから進化した人類。魔力を視認できる特別な目を持つものが多いが、一方で魔力の高いものが少ない。だがドロソフィリアとの混血は一転魔力が高くなることが多く、特別な目を継承できる者も多い。ヒューマンとドロソフィリアの子は赤い髪になることが多い。
○ミュルメークス
アリから進化した人類。社会性が強く、大規模な洞窟住居を作って集団生活を営むケースが多い。キュアノス国内の洞窟都市フォルミーカで、女領主を中心とした中央集権型の自治を行っているが、近年、火属性魔法を使う若い男たちによる暴動が問題となっている。
○スメーノス
ハチから進化した人類。ミュルメークスとよく似ており、木の上で女性中心の集団生活を営んでいる。女性同士の対立が激しく、小競り合いが起こることもしばしば。娘が成人するとその母親は集落を出なければならないという伝統があり、そのせいか娘を虐待ないし殺害してしまう母親が後を絶たず、社会問題になっている。
○アメーバ
不定形の体を持つ種族。神話では泥から生まれたとされているが、真偽はさだかではない。スライムをテイムできるものが多いことから関わりが深いとされている。あらゆる姿に擬態出来るため、諜報部員として活躍する者もいるという噂がある。
○アマゾーン
精霊ニンフから生まれたとされる種族。その殆どが女性。他種族と交わると子は必ず相手の種族となるため、アマゾーンは完全なる純血である。16種族の中で最も長い寿命を持ち、支配力の強い者が500歳前後になると性転換する。髪の毛が若干青みがかっているのが特徴。
これで16種類すべての人類が紹介されましたね。ハーフやクオーターと言った形で、既出のキャラが該当しているケースも多々あります。是非探してみてください。ヒントは、混血になると鮮やかな髪色になることが多い、です。もしかしてあの人も……?