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古の神殿 その8

 ギンゲムから渡されたのは小さな白い鍵だった。


「これは……父上様の……部屋の鍵だよ! なんであんたがコレを持っているの?」


「そうか……ならばルイカ嬢、俺についてこい。見せたいものがある」


 ギンゲムはルイカに告げるとシイネの腕を肩から外し立ち上がった。

 肩にはシイネの手形が深く刻まれていた。


「えっ…でも……これが此処にあるということはここは本当にウチの……父上様の……城なんか?」


 ルイカはギンゲムの腕を引っ張り尋ねた。

 その腕を振り払うようにギンゲムはルイカに背をむけ呟いた。


「……ついてくればわかる。 ルルカッタ、巫女アイコ殿もついてこい……おそらくお前達にも関係するものが見えるぞ……」


 ギンゲムは玉座の後ろにある巨大なレリーフの下に立った。。

 そして壁にむけて愛子たちに聞こえないように何かを唱えた。


―――ゴゴゴゴ――――


「なっ!?」


「うわっ!壁が消えた!!」


 愛子達の目の前でレリーフの下に2mくらいの半円のトンネルが現れた。

 トンネルの入り口にはルルカッタでも読む事ができない、古い形象文字が彫られていた。


「こっちだ、ついてこい」


 ギンゲムはルイカと愛子達を連れてトンネルに入った。

 トンネルの中は足元以外は黒く墨で塗りつぶしたような空間だった。

 そして奥に広い空間が現れた。


「ギンゲム兄王様! これは…?」


「ルルカッタこれから見るのは他言無用だ」


―――チュンチュン―――


 白い広場には大きな樹が立っていた。

 その樹には小鳥が止まっていた。


 そして奥に建物が現れた。

 明らかに城の中の建築とは違う物だった。

 ルイカは走り始めた。


「……父上アビス様! 私の父上アビス様!!」


 ルイカは建物の入り口に着くとギンゲムから渡された鍵を刺した。


―――ガチャ―――バン!―――


 ルイカは扉を開いた。


父上アビス様! ルイカです。 戻りましたよ! 父上様ぁ!!」


 ルイカは悲痛な叫び声を上げた。

 愛子とルルカッタもギンゲムに連れられて建物に入った。


「…何もないじゃない…・」


「そうだ、ここはまだ何もない。 この屋敷のある場所を除いてはな」

いつも読んでくださりありがとうござます。

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