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古の神殿 その2

おじさん…

―――ガタガタガタ―――


 愛子たちを乗せた馬車にはルイカと愛子以外には2人の魔人族と1人の獣人が乗っていた。


「なぁ、アイコさん。 ミッタマイヤとロイエルもヴィスタ城におるんか?」


 ルイカが愛子に聞いた。


「ええ、彼らはイゼルの街を抑えた後にヴィスタ城を奪還しようと来てくれたわ。 もっともギンゲムと配下の部隊が城の中枢を取り返したあとだったけどね」


 愛子は思い出しながら話した


「ロイエルはギンゲムと今後の話を詰めているわ。残されたミッタマイヤは、ルルクンと一緒に決闘術の修業をしているわよ」


「そうかぁ、ロイエルはらしいと言えばらしいわね。 ヲルフガング様の下で軍師としても師事していたからね~」


 ルイカが懐かしむように目を細めてつぶやいた。

 そしてルイカが愛子に陶器で出来た20枚の親指サイズの板をだしてつげた。


「アイコさん?、すこしゲームせぇへん?」


「いいわよ。 あれっ? この駒いろと形がある?」


「へへっこれはな。 タイルウォーという奴や。私が好きでよくしとんねん。 ただのゲームではおもろないな…せや勝負するのはどないや?」


 愛子はルイカの提案にのった。


「いいわよ。ルールはたぶんチェスト同じよね」


 板の絵柄を居る限りはほぼ同じだ。


「さぁ、勝負や!」


―――30分後―――


「えぇl! なんでぁ なんでかてないの?」


「ふふ……やから言うたやろ? 得意なゲームやって……ほなひとつ願い事聞いてもらおうか」


「うっ!いっいいわよ」


 ルイカの提案に愛子が後ずさりしながら乗った。


「アイコさんのこと、呼び捨て手もええ?」


「なんだぁ、そんなことかぁ。いいわよ」


 愛子は無茶苦茶な提案ではないことに、ホッと胸を撫でおろした。


「ほな遠慮なく」


 そしてルイカの目に愛子の腰の刀のような剣が目に入った。


「せや、アイコ。 ソレどうしたん? 魔剣なんかもってなかったやろ? どこで拾ったん?」


 ルイカがパンと石を切り裂いた愛子の持つ魔剣を見て言った。


「これはね、ヴィスタ城奪還の時に神人族の魔法師が持っていたやつよ」


「そうか、魔剣と言うことはわかっているんやな? と言うことは真言マントラもわかっているんやね」


 ルイカがまじめな顔で愛子を見て告げた。


「そうね。 私の魔法’完視ヴィジョン’でみたら真言っていうのも見えたわ」


「そうかぁ…アイコォ、その魔法は’鑑定コレクト’に近い魔法なのかもしれんね」


鑑定コレクト?」


「せや。 魂職スキル整備師マイスターが使うことの出来る固有魔法や」


 ルイカは小さな声で呟いた。

 

整備師マイスターは希少なんよ。 アイコが知っている人ならエクス・マキナ様が持っとった」


 愛子はびっくりした表情でルイカを見た。


「ルイカちゃん、エクス・マキナのこと知ってるの?」


「エクス・マキナ様は、うちの父上様の友人やで」


「!?」


 愛子が頭を抱え悩んだ。

 ルイカに転移した先で出会った魔人族の青年の顔が重なった。


「えっ? と言うことはルイカちゃんは……」


「そっ! 私が魔人王アビス・ヨル・ヴィスタの娘や」


 ルイカが誇らしげに胸を張って愛子の前に立ち上がった。

 その時、咆哮と共に振動が馬車の荷台を襲った。


―――ガタンガタン―――


「ヴァァァァァァァ!!」


 荷台が縦に揺れ劈くような獣の咆哮が鳴り響いた。


「すまねぇ! 魔獣が! 魔獣が現れただ! だれか戦える奴はいねぇか?」



いつも読んでくださりありがとうござます。

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