古の神殿 その1
いよいよ神殿に向かいます
―――パチパチパチ―――
「…んっ! まぶしっ……」
明け方の清浄な空気が愛子を包んだ。
山から流れる霧が街道まで降りてきていた。
そして朝日が愛子に差し込んだ。
目をこすりながら愛子がつぶやいた。
「ん~! はぁ朝かぁ~今日はヴィスタ城につかなくちゃね。 そうと決まればこの街道を行く乗り合い馬車を探さないと…」
愛子はそうつぶやくとルイカが寝ているテントに向かった。
テントの入り口を開けて愛子が大きな声をだした。
「おきてぇ~ルイカちゃん!」
ルイカがシュラフにくるまっていた。
「……えへへっ! もう食べられないわぁ……うわぁアイコさん!」
口元から涎をたらしながらルイカが幸せそうな寝顔で寝ていた。
愛子はルイカを揺らしながら声をかけた。
「も~ルイカちゃん! 今日中にヴィスタ城につくよ~」
ルイカの腕を持つ愛子の手に力が入り始めた。
「あいたたた! アイコさん、力がぁ! 手がぁ、指が肌に入り込んでくるぅぅ」
愛子がルイカの腕を強く持ち体を起こした。
ルリカの腕の皮膚がつぶされて赤く染まってしまった。
「あっ! ごめんごめん」
愛子がパット手を離すとルイカは地面に腰を打ち付けた。
「もう! アイコさん!? いきなり手を離さないでよ。 お尻痛いんだからね」
愛子はルイカに謝った。
そして何か用意をはじめた
―――カチヤカチャ―――
愛子がテントの中で洗面器に水を入れた。
「ルイカちゃん、顔を洗えるように洗面器にも水置いとくね」
ルイカは愛子が用意していた水で顔をあらって服を着替えた。
テントからルイカが出ると愛子がつげた。
「さぁテントをぱぱっ!と、かたづけちゃいましょう」
アイコはテントの片づけを始めた。
やがてヘルメットサイズに畳み終わると、ウエストポーチにしまった。
その時
―――ガラガラガラ―――
愛子達の前を一台の馬車が通り過ぎた。
愛子は急いで手を振った
「あっ!ちょうど乗り合い馬車が来た! すいませんのせてください」
愛子が手を振り上げ、さらに大きな声を張り上げた。
「おう…なんだ。この馬車にのるのか? これはヴィスタ城行きだけどいいのか?」
馬車の手綱を握るおじさんが愛子に確認した。
「ちょうどよかった!! 私達ヴィスタ城に行く途中なんです」
愛子はヴィスタ城に行く予定を馬車の操りて伝えると馬車にルイカと共に乗り込んだ。
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