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クライクラスト商会にて その5

アイス!

異世界クッキングをしよう

―――ガチャ―――


「待たせたかしら? ルイカちゃん、 コリーさん」


 食堂にある調理室に愛子が入るとルイカとコリーがエプロン姿で振り返った。


「そんなことないよ。 私らもいま用意しているところやし」


「アイコさん、一応さっき言われた甘い香りのする香辛料を用意しましたけど、これでいいですか?」


 コリーが近づいて黒い種を愛子に渡した。


「これ甘種っていう種なんですが…」


 渡された物は明らかにバニラビーンズを感想させたものとそっくりだった。


「コリーさん! これよ! 私たちの世界ではバニラビーンズってよばれている物よ。 匂いは少し強いけどこれならアイス作れるわ」


「そうですか。 よかったです。 ほかには何か材料が要りますか?」


「そうね、前ここに居た時にあった白い飲み物あります? あと卵、えっとコカトリスの卵っていうんでしたっけ? それと甘い調味料そうねシュガーがあればいいだけど…」


「コカトリスの卵なら調理場にあったわ。 それと白い飲み物っていうと魔牛の乳のことかしら? それも調理場にあるわね。 甘い調味料というと…そういえば研究班が何かつくってたものがあったはず! すこし聞いてみますね」


 愛子とルイカは調理場のエプロン姿の男性に尋ねた。


「すいません! 魔牛の乳とコカトリスの卵をもらいたいんですが」


「ああぁっ? 何だてめぇらは?」


「「!?」」


 エプロンをしていたのは眼光鋭いまるでおじさん。


「あっあの! コリーにここに言えば材料もらえるっていわれたんやけど!」


「あぁ、コリーの姐さんのお知合いですか。 私はこの場を仕切らせてもらっているコヤバ・マツというもんでさぁ。 姐さんのお知り合いなら、私らにとっても姐さんだ。 以後お見知りおきを」


「「はい!!」」


 まるで人を殺せそうな眼光で愛子とルイカに話をするおじさん。


「それで、何個いるんでさぁ?」


「えっと、魔牛の乳が3人分だから多めで300mlだから…このコップ2つ分とコカトリスの卵を2個ください。」


「ちょっとまっててくだせぇ。 なぁにすぐですよぉ」


「笑顔がこわ!」


 人殺しのような笑顔でお辞儀するコヤバ。

 ルイカが思わず本音を漏らした。


「おまたせしやした。 ところでこれで何をつくるんでさぁ?」


「アイスっていう氷菓よ」


 愛子が答えるとコヤバは興味深かそうに


「へぇ、氷菓ですかい。 面白そうですねぇ。 私も後学の為に見学させてもらってもよろしいですかい?」


 見学させなきゃコロスとでも言いそうな笑顔で告げるコヤバ


「えぇ…いいわよ。 ねぇルイカちゃん?」


「アイコさんが良いなら、うちはええよ?」


 そう告げると3人は調理室に材料を持って戻った。

 するとちょうどコリーが戻ってきた。


「はぁはぁ。 お待たせしました。 研究班が甘木シュガーウッドっていう木を研究してまして、樹液を煮たら甘い白い塊が出来たといってたからもらってきました。 強引に」


 コリーが大慌てで調理室に戻ってきた。

 手には袋に入った白いさらさらした物をもっていた。


「コリーありがとう! これで材料はそろったわね。 んじゃ早速つくりますか!」


「「「オー!」」」


 愛子の言葉に3人が腕を天に突き出した。


「まず、魔牛の乳を鍋にいれます。 そこに甘種を割って中身の黒い粒を出します」


「あっ姐さん。それでは魔牛の乳に匂いが写っちまいますぜ」


 コヤバがクマでも殺せそうな笑顔で愛子に告げた。


「それでいいの。 それを暖めます。 ルイカちゃん、簡単な火起こせる?」


「ちょろ火なら、ほい! ’ブレ’」


 台の上に小さな魔法陣が描かれ小さな火が現れた。


「ありがとう。 この火の上で煮立たない程度に暖めて…ほい」


 愛子が手鍋を魔法陣の上の火に近づけて暖めた。


「温まったら、コカトリスの卵から黄色い卵黄を取り出して、器で混ぜます。 その時にさっきコリーがとってきたくれた甘味料を15グラム。 えっとこのスプーンにとって混ぜます」


―――シャカシャカシャカ―――


 撹拌棒でまぜた愛子。白っぽくなってきた。


「そこにさっき暖めた魔牛の乳を少しずつ混ぜます」


 3回に分けて入れて愛子は混ぜた。


「混ぜた液体をまた小鍋にもどして、ゆるいトロミがでるまで暖めます」


「あっいい香りやなぁ」


「ほんとうですね。 なにか美味しそうな香りですね」


「ほお。こんな使い方があるなんてしらなかったですわぁ」


 三者三様の感想を述べていると愛子が次に追加に告げた。


「ルイカちゃん。氷の魔法使える?」


「ええよ。 ’氷結ブルガ’」


 愛子の前に魔法陣が描かれ、其処に氷の塊が現れた。


「ならこの氷を少しもらって、お水にをはったところに入れて。 氷水の中に暖めたお鍋を置きます。  その間に同じ氷水を作った入れ物の上に、小さな入れ物を置いてそこに残りの魔牛の乳をいれてまぜます」


 愛子が混ぜていくとホイップクリームのようなものが出来た。


「そこに、先ほどの冷やした魔牛の乳入れていきます」


 そういうと愛子はホイップクリームの入れ物の中に、暖めて冷やしていた魔牛の乳を入れた。


「これを別の入れ物に移して、冷やして固まるまで待てば出来上がりよ」


 そういうと愛子は四角い入れ物に移した魔牛の乳を、ルイカの出した氷の中に突っ込んだ。





いつも読んでくださりありがとうござます。

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