クライクラスト商会にて その2
コリーさん登場!
―――ガチャ パタン―――
更衣室の扉が開き浴室から現れたのは湯気に包まれた愛子とルイカだった。
「ふぅ~いいお湯だったわねぇ」
「アイコさん、前隠して!」
愛子が一糸まとわぬ姿で歩くとルイカが顔を真っ赤にしてバスタオルを持って追いかけてきた。
「もう~なんで、そういうところは抜けてるの?」
「ごっめ~ん。いやココ女子しかいないしね。隠さなきゃいけない理由もないしね」
「たしかに女子しかいないけど! その凶器は隠して!」
「うん!?」
ルイカが愛子の凶器をガン見して告げた。
愛子は、少し顔を赤らめてポーズを取った。
「もう~そんな見ないでよ。ごめんごめん」
そう告げると愛子は胸元でバスタオルを巻いた。
そして、鏡の前に気てルイカにつげた。
「あとは、冷たいアイスでもあれば最高なんだけね~」
「アイス?」
ルイカは愛子の発した言葉の意味を聞いた。
「あっそうかこの世界にはアイスないんだっけ? あのね~牛の乳をバニラビーンズっていう甘い香りのする香辛料と砂糖を一緒に煮てから冷やすとできる、すっご~くあまくて冷たいお菓子のことよ。とってもクリーミ~で美味しいのよ!」
「なにぃ!? あ…甘くて…冷たいお菓子!?」
「ええ! すっごく美味しいのよ。 お風呂の後に食べると最高だわ」
「うちメッチャ食べたい!!」
「なら、今度作ってみようかしら。 ただね~この世界にバニラビーンズってあったっけ?」
愛子がルイカに問うとルイカは少し考えて答えた。
「う~ん。そんなお菓子聞いたことないし……あとでコリーに聞いてみよか~?」
ルイカがクライクラスト商会のコリーの名前を出した。
すると愛子の背中で声がきこえた。
「バニラビーンズですか…甘い香りのする香辛料ならありますよ!」
コリーが胸元にタオルを巻いたすがたでそこに居た。
「おわっ!いつのまにぃ?」
「いつの間にって…さっきから居ましたよ。 そこの鏡台の前に。 それはさておき、私もその…アイスですか? とても興味あります。 だからお菓子作り手伝いますよ!」
コリーが両手をパンとたたいてキラキラした瞳で愛子を見た。
「ほんとう? あ~よかったぁ。 それなら……」
愛子が思案しているとコリーがつげた。
「その前に! アイコさん、お考えのところ申し訳ないですけど、着替えたらすこしお時間いいですか? お話がありますので執務室に来てくださいね」
きらりとコリーのメガネが光った。
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