クライクラスト商会にて その1
第三章 スタートです
―――ピチョン! ピチョン!―――
「はあぁ~やっぱりここのお風呂はいいわぁ。 ね?ルイカちゃん」
「せやね~こればっかりは二コラに感謝やなぁ」
ヒノキに似た木で囲まれた浴槽に、腰を下ろした愛子とルイカがそこにいた。
「それになんで急にココにきたん?」
ルイカが湯船で愛子をみて聞いた。
愛子は少し上気した顔でルイカを見た。
「それはね、ヴィスタ城を神人国の魔法師から取り戻して明日で一か月なんだけどね、ギンゲム王が神人国からヴィスタ帝国を取り戻した事について各国に宣言を出すんだって。そこでルイカちゃんにもヴィスタ城に来てほしいことを伝えるって仕事をことづかってね」
愛子はルイカに告げた。
「だからね! ルイカちゃん!明日、私とヴィスタ城に来てほしいの」
「えっ…でも…」
「もちろん、ルル君もルイカちゃんが来ることを歓迎しているわよ」
顔を赤くしてルイカが言った。
「なんで!? そこでアイツの名前がでてくるん?」
愛子はルイカに聞いた?
「えっ~だってルイカちゃん。ルル君のこと好きでしょ?」
「へっ!? そんなこと…ない」
ルイカは頬が赤く染まっていた。
「まぁ、たとえルイカちゃんが、ルル君のことを好きでも……あげないからね?」
愛子はルイカに告げた。
右手の親指を立ててサムズアップだ!
「なっ!?」
ルイカはプルプル震えていた。
「だって…彼は私の物だからね? ね?」
愛子は意地の悪そうな顔でルイカをみていた。
「ふん! うちは別にルルカッタのことなんてなんとも思っておらへん! 勘違いせんといて!」
ルイカは風呂場で大声を上げた。
「あっ!」
ルイカは急に大声を出したせいか、ふらついて倒れそうになった。
「あぶない! もうルイカちゃん! いきなり立ったら危ないわよ」
愛子はふらついたルイカを支えた。
そしてルイカの手をにぎり浴槽から出た。
―――ざばぁ―――
「まっその話はあとでね? それと後で二コラさんに伝えたいこともあるから出発は明日の朝になるわ。今日はゆっくり寝ておいてね」
―――カラカラカラッ―――
二人の姿は更衣室に消えていった。
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