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ヴィスタ解放 その1

お楽しみください。

―――ピッ―――


 愛子から告げられた言葉。


―――ここに来てはいけない―――

 

 そしてその時、映った姿…


「おじいさま…はっ!いけない!!」


 ルルカッタは走り出した。

 愛子が対峙しようとしている人から愛子を護るために


―――ピッ!―――


「ふぅ…さて、これはどういう事かしら? ルドルフさん?」


 愛子の目の前に立つのは、初めてこの地に来た時に会った人物


「フゥ…ハハハ! 我を知っているか。 ほう、これはこれは…巫女殿ではないか……」


 愛子が見たのはルドルフだった。

 ルドルフ・ヨル・ヴィスタ。

 愛子を呼び出した大魔法’多次元境界強制大召喚ディメンションバルコリオン

 それを行使した魔法師であり、魔人帝国ヴィスタの元皇帝


「ふふ、巫女殿はよくご無事でしたなぁ。 さて…貴女がなぜここにいるのだ…」


「なにを言っているの? 貴方が彼を護れといったんでしょ。 それに何故? そこに居るの? 貴方は確か斬り倒されて…」


「ふむ…そうだな…確かに、この体は斬り倒された。 それがどうした?」


「なっ!?」


 ルドルフはローブを開けた。

 とても高齢の者とは思えない筋肉の隆起した肉体。

 そして右胸に’赤い宝玉’が埋め込まれていた。


「それは…」


「ふむ? コレをみたことがあるか。 おおっそうか! 巫女殿があいつの…サイコが最後に伝えた検体か…」


 ルドルフが思慮深い顔で愛子を見た。

 愛子は驚きが隠せなかった。


「なぜ…ソレを! グラマナスサイコのダンジョンのことを、貴方は知らないはずなのに!! どうして!!」


 ルドルフは髭をさすりながら、初めて会った時と同じ顔でつげた。


「ふむ。解せぬか…巫女殿、謎解きはいずれまた行おう……まだ体が馴染まない我ではなぁ…いまの巫女殿の相手は難しいからのぉ」


 ルドルフは向きを変えて告げた。


「巫女殿、我はココを引こう。 ここの相手は貴様にまかせたぞ…ガルドスよ」


 ルドルフは隣に居た神人族の魔法師の肩に手を載せた 


「はっ!では! 貴女の相手は私、神人国ウィルヘイムの第六魔法師団のガルドス・ルルガスが相手をさせていただきます」


 ルドルフは右手に魔法力マナを集中させた。

 魔法陣が右手に現れた。


―――ドガァァァン―――


「ほう! 壁が壊れてもうたのぉ」


―――ガラガラッ―――


「アイコ様!!」


 大穴が開いた場所からルルカッタが現れた!


「アイコ様!大丈夫ですか…なっ!?」


 南の塔から魔法で壁を破壊してきたルルカッタが現れた。


「お…おじいさま…」


「おぉ…ルルカッタ。 逢いたかったぞ…貴様になぁ… だが時間がないのぉ」


 ルドルフの右手の魔法陣から赤い魔法力マナがルドルフを覆った。


「ふむ。ではなぁ厄災カラミティよ! 転移パルバラ


 ルドルフの姿が消えた。

 そして残されたのは神人族の魔法師ソーサラーガルドス。

 腰に下げられた魔法具を手に取り告げた


「ガルドス。参ります!!」


 鎌の形をした魔法具をガルドスは構えた。


「貴方と! おじいさまはどういう関係なんですか? なんでおじいさまが!?」


「私はそれに答える義務はありません。’泣きわめけ!死霊鎌デスサイズ’!」


 鎌の魔法具から赤い魔法力マナがあふれた。

 それに呼応して新たな魔法が紡がれた


極切断ディパニッシャ


 ルルカッタに向けられた赤い線

 それは、ルルカッタを切り裂こうとした。


「あぶない!!」


―――ドン!―――


 愛子はルルカッタを蹴り飛ばした。

 そして愛子は変則軌道を描いた。


―――シャキン!ヒィィン!!―――

 

「貴女の相手はぁ! わたしよぉ!!」


 愛子は叫んだ。

 そして手に持った魔剣を構えた。

 

「はぁ!! ’圧縮バアル’!」


 魔法陣が描かれるとガルドスは横に避けた。

 直後、ガルドスの居た地面が円形に凹んだ。


「重力系の魔法か…厄介ですわね」


 ガルドスは涼しい顔で愛子を見つめた。


「今のを避けるとはね…あなた…今まで戦った魔法師ソーサラーとは違うわね」


 愛子はガルドス見つめた。

 右目に魔法力マナを集めてつぶやいた。


完視ヴィジョン…」


 愛子の瞳に紫色に染まった。

 魔法がガルドスを写した。


「なっ…」


 愛子の魔法が弾かれた。

 

「ふむ…貴女は、魂擬装ノンデヴァインの魔法を知らないみたいですね。 くくくっああぁ! イイですわ! 無知な者を前にすると私…高鳴りますのぉ!!」


 口を大きく開きガルドスは告げた


「貴女のその足をきれいに切り裂いてやりますわぁ」

極切断ディパニッシャー!」


 ガルドスの鎌の前に魔法陣が展開された。

 そして赤い線が愛子に迫った。


「くっ!  噴射スラスタァァ!!」


―――シャコン! フィィィ―――


 愛子の義足が開き中からスラスターが展開された。

 そして高速で飛びのいた。


「うふふふっ!これも避けるなんてあぁ。 なんてことでしょう!!」


 興奮したガルドスが嬉しそうに叫んだ。


―――ウゥゥオォォォ!!―――


 

 しかし、城の外から聞こえた怒声が、鳴り響いた。

 そしてガルドスの魔道具が終了の時を告げた。


―――ピッ―――


「…時間ですわね…仕方ありませんわ。 貴女、なんてお名前なのかしら…?」


「青山…愛子…」


「そう…アイコさんですね。 私はガルドス・ルルガス。 いずれお会いしましょう…転移パルバラ!」


 ガルドスの死霊鎌の前に魔法陣が展開された。

 そしてガルドスが告げた。


「そうだ…ひとついい事をお教えしましょう…神聖教義会…これが貴女達が知りたいことの一つに関わっていますわ…ではごきげんよう」


 ガルドスが赤い魔法力マナに包まれて消えた。

いつも読んでくださりありがとうござます。

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