ヴィスタ奪還 その10
魔法少女的な男の娘っていいっすよね。
過去の話を改稿しながら進めていきます
愛子からの通信の後、ルルカッタはつぶやいた。
「そうか、お姉さまたちは、南の塔か…ここからならすぐにつきますね」
呟いた後、ルルカッタは全力で走った。
「さっきの魔法師みたいな人がいなければいいですが…」
ルルカッタは愛子と別れてからのことを思い返していた。
獣魔召喚魔装術を行使して変身したルルカッタは、愛子と別れて通路を上層階に向けて走った。
すると登って二つ目の部屋で、神人族の魔法師とが現れた。
「きさまは確か第三皇子だな!我は第四騎士団のゲイボ・グル!きさまを倒す男だ!」
そう告げたのは長身の魔法師だった。
そして左手に持った槍を構えて叫んだ。
「’唸れ!無双槍!! はぁっ!」
魔法師は槍をルルカッタに向けて投げた。
「甘いですよ。今の僕ならこの程度は避けられます!」
ルルカッタは横に飛んだ。しかしその行動をみてゲイボはニヤリと微笑んだ。
「ふははっ!甘い!ティータイムの菓子より甘いぞ!」
そう叫ぶと同時に無双槍は軌跡を変えてルルカッタに襲い掛かった。
「なっ!」
「我が槍は必中!どんなに逃げようとも貴様刺し貫くまでは貴様を追いかけるぞ!」
ルルカッタはさらに壁を使い飛び上がった。
それに呼応するように弧を描き向きを変える無双槍
「確かにこれでは埒があきません。 不本意ですが、仕方ないです。 ’解除’」
ルルカッタは叫ぶと一瞬で元の姿に戻った。
「これは…ほんっとうぅに!!使いたくなかったんですが…仕方ありません!」
ルルカッタは腰に装備した青いステッキを掴み構えた。
そして叫んだ
「ふぅ…’歌え!愛歌鍵!」
ルルカッタを青い光の粒子が取り囲んだ。
―――シャランララァ――
某変身シーンのような音が流れた。
そして光の中から現れたのは魔法少女みたいなルルカッタ!
「くははは!どうやら第三皇子は女になったというのは本当らしいな!?」
下種な笑い声を上げるゲイボ。
「ううぅ…こんな…こんな格好になる以外は、イイだけどなぁ…まぁ仕方ないです!」
ルルカッタは真っ赤な顔でゲイボを睨んだ。
そして目線を変えて向かってくる無双槍を見据えるルルカッタ。
―――チャキン!―――
「’火炎’!」
構えた杖の先端に魔法陣が現れた。
そして青い火炎弾が無双槍に向けて放たれた。
―――ギィン!ヴォォォォ!―――
「はははっそんな火炎で、我の無双槍がやられるわけがなかろう」
「ふふ確かに!火炎だけでは、道筋を変えるだけであまり効果はなさそうですね」
ルルカッタが放った青い火炎弾は無双槍に当たると弾けとばすが、またその場から無双槍が弧を描きルルカッタにむけて飛び出した。
「ではこれはどうでしょうか! ’飛翔’!」
そう告げるとルルカッタの身体は宙に浮いた。
「なっ!貴様は’飛翔’が使えるのか?」
そうゲイボは告げた、
その言葉をかき消すようにルルカッタは、魔法を使った。
「では僕の番ですね! 星炎召喚術!」
「ククク!そんな簡単に我が槍はやられんぞ?」
ゲイボは高笑いをしていた口を開けたまま固まった。
ただの火炎弾で自慢の槍は焼けない自信があった。この時までは!
―――シュウヴォォ!!―――
魔法陣から放たれた青白い光を放つ火炎が、無双槍をその場に押しとどめた。
灼熱の火炎が槍を焼き続けた。
――――ドロッ・・・―――
「わが槍が! 溶けているのか」
「どうですか?自慢の槍を溶かされた気分は?」
「馬鹿な!ただの火炎魔法であんなことが起こるかぁぁぁ!きっ貴様ぁ何をしたぁ!?」
ゲイボは怒号をルルカッタにぶつけた。
ルルカッタは流し目でゲイボを見て伝えた。
「簡単なことですよ。僕の火炎は火炎魔法じゃないんです。召喚魔法なんですから!」
「召喚魔法だと!そんな召喚魔法で炎弾を召喚なんて聞いたことないぞ!」
ルルカッタは杖をゲイボに向けた。
「それはそうですよ。だって召喚したのは星炎なんですから」
「ははっ…だがっまだ槍をやられただけだ。魔法師の力見せてくれるわ!’火炎’!」
ゲイボはそう告げると右手をルルカッタ向けた。
手の先に魔法陣が現れた。
「そんな魔法で僕を止めるのは無理ですよ!’電撃’!」
杖の先端に魔法陣が現れた。
そして、ゲイボの魔法陣から炎が現れる前に、ルルカッタの魔法陣から黒い稲妻がゲイボに放たれた。
「グゲゲェ!」
―――シュウウゥ―――
情けない声を出したゲイボは、電撃に貫かれて焼け焦げた。
そして膝から地面に倒れ込んだ。
ルルカッタは杖を腰に下げた。すると変身も解けた。
「ふうぅ…さて急いで探さないと!’獣魔召喚魔装術’!」
ルルカッタの背後に魔法陣が現れ、ルルカッタは再び獣人の姿になった。
そして走り始めると魔法具が鳴り響いた。
―――ピッ!―――
それは愛子からの通信だった。
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