ヴィスタ奪還 その3
過去の修正をしながら、書き足しています。
ルルカッタは、愛子に告げると走りながら叫んだ。
「”獣魔召喚魔装術”」
ルルカッタの頭上で薄く緑色の魔法陣が、輝くとルルカッタの身体が変化した。
見た目が獣人のように変化すると、ルルカッタはスピードを上げて愛子の頭上を飛び越えた。
―――トーン、トーン―――
ルルカッタは、壁を足場に三角飛びを行った。
愛子に向けて魔法を放とうとした神人族魔法師に近づくと、
指先に力を籠めて手を開いて腕を振り下ろした。
「ヲルフガング流決闘術”真空牙”」
ルルカッタの指先から、風の刃が現れた。
「ぐはっ!」
風の刃は魔法師腕を裂き、あたりに血しぶきが舞った。
「ルル君!走り抜けるよ!」
「はい!」
愛子が足に意識を集中すると、マキナの義足が変形した。
―――カシャン、ガシャ―――ヒィィ―――
太ももとふくらはぎの後ろの装甲が開き、中から廃熱口が現れた。
スラスターは光り輝くと熱風を吐き出した。
愛子の身体が、熱風に押されるように加速した。
「ウォーーーン!」
ルルカッタは遠吠えした。
そして四肢を使い、まるで獣のように加速した。
二人がそのまま奥に進むと、古代文字が彫られた扉が見えてきた。
「突き抜けるよ!”闇脚”」
愛子がさらに加速した。
そして回し蹴りを扉に叩きつけた。
―――ドガァァァァン!!―――
扉が大きく弾け飛んだ。
そして愛子とルルカッタは、明るい光を放つヴィスタ城の一郭に現れた。
「なんだ!? てっ敵襲!」
――――ピィーー!―――
警笛が城に鳴り響いた。
そして愛子が告げた。
「ルル君!二手に分かれましょ!ルル君は、お兄さんとお姉さんが幽閉されていそうな部屋を!」
「分かりました。アイコ様は?」
「私は、このまま城内で暴れて、奴らを撹拌させるわ!」
そう告げると愛子は、左の通路を力強く走り始めた。
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