イゼル動乱 その11
再考して再スタートです。
副隊長に案内されるように、施設を進むと奥の扉をフランは開いた。
「これが…水門結晶か。」
大水晶に都市と王都が立体的に写しだされていた。
そして隣に、ある小さな魔法具が光り輝いていた。
その小さな魔法具はイゼルの街が持つダム湖の水量を調節するための装置だった。
「なぁそんなにそれが大事な物なのか?」
マイルーズはフランに尋ねた。
「水門結晶を壊されたら、街と王都は壊滅するわ。」
そうフランが告げるとマイルーズは血の気が引いた様な顔色をしていた。
フランの言ったことを理解したからだった。
そしてイゼルの街をフラン達が掌握したのだった。
―――同時刻、王都の玉座の間―――
とてつもない圧が愛子を襲った。
―――私、馬鹿なことをしちゃたなぁ―――
ふと彼の顔を思いかえした。
彼も怒りに血が上っていたのだろう。
怒りに震えていた。
そんな彼がこの場所に居ない。
いや、わざと彼をこの場所から引き離したのだ。
「ルル君、貴方にあの人と戦わせるわけにはいかない!」
それに、たとえ私の魔法力が枯渇するとしてもそれだけは絶対にできない。
彼を玉座に来させるわけにはいかなかった。
「ルル君に嫌われたかもしれないなぁ……」
それでも愛子は選択した。彼を護るために。
以前の内容を再度、修正しながら話の続きを書いていきます。