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フェザの改革 その5


「いきなり王都進攻は、いかがな物でしょうか? 」


 街長が愛子達に対して意見を述べた。

 それは愛子の王都進攻に対してであった。


「なぜそう思うの? 」


 愛子は街長に向けて告げた。

 すると街長は愛子に自らの意見を述べた。


「確かにここから王都に進攻するのは街道を一直線に進むのみなので、たどり着きやすいでしょう。 しかし、それは王都を占拠している神人族とて同じこと。 イゼルからの神人族に強襲されると考えます」


 そう告げると街長は地図を見ながら、指さし、愛子に告げた。

 地図上ではフェザの街から一番近いのが王都であるが、王都に向かう街道に一番近いのはイゼルと書かれた街であった。


「我々の街が、神人族に占拠されていたことから、おそらく他の街も同様に占拠されているでしょう。 王都に新たな戦力を招きかねない事ともう一つの懸念を考えるとイゼルを先に開放していただく方がいいのではないでしょうか」


 街長は真剣な表情で意見を愛子に告げた。


「街長のいうもう一つの懸念とはなんなのですか?」


「それは…水門ウィンドリンの事です」


 街長は告げたイゼルの秘密…水門ウィンドリンのことを

 それを聞いたロイエルが意を決したような表情で意見を述べた。


「うむ、街長殿の的確な指摘は頭が下がります。 そう考えるのが良いでしょう」


 ロイエルはミッタマイヤを見た。

 その表情でミッタマイヤはロイエルが言わんとしている事が理解できた。

 そして二人の獣人はタイミングよく声をあわせて、街長に告げた。


「「この街の住民は、強くなっただろう? なので…」」 


 それは街長もビックリな提案であった。

 顔が一瞬固まった街長は獣人に聞き直した。


「そっ、それはどういうことでしょうか? 」


 街長はもともとの青い肌がさらに青くなるように血の気が引いていた。


「なぁに、この街の者達と共にわれら二人とフランがイゼルに進攻すればよいだけの話だ」


 そう告げると得意げな表情でミッタマイヤがサムズアップした。

 

「それに、少数で入るほうが王都に侵入しやすいでしょう? 敵がやれたことなら我らでも可能ですよ」


 神人族の勇者という騎士たちが少数で王城に侵入し、魔人族の王族を虐殺したことを。

 そして敵ができたことなら、自分たちでも可能だと胸を張って告げた。


「クライクラスト商会のニコラ殿が言っていたではありませんか、サポートは闇ギルドの一部の者をつかうと…… 」 


 そう確かに二コラは闇ギルドを使うと愛子たちに告げていた。


「それに、ここの住人は十分な戦力になります。そうでしょうフラン殿? 」


 ロイエルの問いかけに対して、いつの間にか会議室に来ていたフランが小ぶりな丸メガネをまるでマッドサイエンティストのように光らせながら答えた。


「ええ。それは可能だとおもいますよ。そうでしょう? ドーライ?」


 フランは誰もいない空間に…だれもいないと皆が認識していた。

 そう愛子でさえも……


「YES!マム! 我らに雪辱の機会を! 敵に殲滅の慈悲をお与えください!! 」

 

 ドーライと告げられたショートカット女性が暗闇から現れた。

 しかもなにやら香ばしい発言と一緒に。

 それをみてニヤリと笑うフラン。

 

「どうであろうか? この者達と我らが鍛えた騎士たちでイゼルに向かうのは」


 ロイエルは住人の仕上がりに対してかなり自信があるようだった。

 その証拠にしっぽがピーンと張っていた。

 愛子は二人の獣人とフランのニヤリと笑う顔を見ると一息ついて告げた。


 

「では王都には私と、ルル君で向かいましょう! 」


 ため息を吐き気味に愛子は告げた。

 それを聞いたロイエルとミッタマイヤ、フランはサムズアップして笑った。

 まるでうまく言質を取ったどーとでも言いたそうな、少しルルカッタとルイカが引くくらいの笑顔であった。


 ルルカッタとルイカは二人顔を合わせてつぶやいた。


「「これ絶対、無茶するやつだ(やん)」」 


 そのやり取りを聞いていた街長があわてて愛子に質問をした。


「鍛えられた住人を連れていくことは承知しました。 ではフェザの守りはどうするのですか? 皆連れていかれたらこの街を守る手立てが無くなってしまいます!! 」


 その質問を待っていましたとばかりにミッタマイヤは新たな策を街長に告げた。


「むろん住人で護ってもらう! なに安心されよ。 われらが鍛え上げた戦士の力をぜひ披露させていただくいい機会だ。 なぁツヴェルフよ!」


 ミッタマイヤは部屋の奥を見ながら告げた。

 

「サーイエッサー! 我が命はこの街と共に!」


 いきなり現れたのは魔人族の男性だった。

 それは愛子の固有魔法’完視ヴィジョン’を使用しても存在さえ把握できなかった。。


「我がツヴェルフ隊や他の騎士たちとこの街を守らせていただくので問題はですマスター」


 魔人族の男性はミッタマイヤとロイエルに覚悟をつげた。


「では……この街を護るときの指揮は街長殿にお願いしたいが、よろしいか? 


 魔人族の男性の覚悟を聞いたロイエルが街長に告げた。

 いきなり指名された街長は驚きの表情でロイエルをみた。


「えっ…私でよろしいのですか? 」


 指示をしろとロイエルに言われた街長だが、すぐに聞き返した。

 なにせ、今まで戦場で指揮などしたことがなかったからである。

 それを承知の上でロイエルは次の言葉をつげた。


「そうだ! なにせ貴方は街長としても優秀だが、王都進攻においてイゼルでの強襲を予測できた一人だ。 もちろん最初は拙い指揮になるかもしれないが、それは鍛え上げた戦士がカバーをする。 それに街を守るのは街長の使命であろう? 」


 ロイエルはそう告げると街長にウインクをした。

 そして一冊の手帳を街長に手渡した。

 その手帳の中をみた街長は覚悟を決めた表情でロイエルに告げた


「私に、この街を守るチャンスをもう一度頂けるんですか! ぜひお任せください!! 」


 そう声高に告げた街長は目に力がはいっていた。


「まぁうちもおるさかいな。いざとなればウチが魔法を使ってあげるよ」


 ルイカも街長に告げた。

 街長も、雪辱の機会を得たことに感謝していた。


「「ならば、この街を守って長としての意地を見せよ」」

「御意! 」


 獣人達につげられた言葉に街長は歓喜した。

 その様子をみた愛子はルルカッタと共に王都に向けての準備を開始したのだった。


 


いつも読んでいただいてありがとうございます。

感想、ご意見、誤字脱字があれば報告お待ちしています。


次回は王都進攻になります。更新は金曜日の予定です。

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