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ニコラの葛藤 その1


「はぁ…… 」

 

 深くため息を履く男性。

 その顔は暗く、肘を目の前の机についてうつむいていた。

 思案している内容がよほど重大なことなのか、その表情は険しかった。


 ここはクライクラスト商会の執務室。

 そこには頭を抱えた一人の魔人族がいた。


 ネイビーストライプのスーツに首元に柄ストールを巻いている。

 おしゃれな現代サラリーマンといった服装


 そして口元には顎費を整え、髪型は短く刈り込んだ男性。

 その人は二コラ・ギイル。


 このクライクラスト商会の支部長だった。

 何か悩んでいるらしく頭を抱えてさっきから不明な言葉を口にしていた。


―――コン!コン!コン!―――


「失礼します。 ニコラいいかしら?」


 扉がノックされて一人の神人族の女性が入ってきた。

 スリムな体系を目立たせるようなすっきりとしたパンツ。

 シャツも胸元はすっきりとした薄い青いストライプシャツ。

 自然なボディーラインを協調されたジャケットはスタイルの良さをくっきりと目立たせていた。

 髪型はロングヘアをポニーテールに後ろでまとめており動くたびにフサフサと揺れた。


 そうクライクラスト商会の副支部長にして秘書のコリー・マクリウだった。


「なんだ、コリーか。 いいよどうした?」


 そう女性をみると二コラは返事をした。


「二コラ、貴方、あの子たちが返ってきてからどうしてそんなに頭を抱えているの? あの子たちにちゃんと会って話をした?」


 そう告げるとコリーは二コラの肩に手をまわし、耳元でささやいた。

 その手をそっと触れると二コラは伝えた。


「あぁその件か。 わかっている。 私は彼女たちから聞いた話があまりに大きすぎてどうしようか悩んでいたところなんだ」


 そういうと二コラは鋭い眼光でコリーを見つめた。


「実際、彼女が帰ってきたときは思わず目が点になったよ。 明らかに別人になっていたからね。 しかもルルカッタくんは女装に目覚めるというか男の娘だっけ? になったいたし」


 そういうと二コラは机に両肘をつき、手を合わせて顎をそこに乗せた。


「その上、双子の姉妹とでもいうか、ルルカッタ君とそっくりなお嬢さんを連れてきたわけだしね。 そして獣人が護衛しているじゃないか。 あの毛色見たかい? 僕はあんなにきれいな毛色をしている獣人に会ったのは初めてだよ」


 二コラは扉を見ながらそのことを思い出しているようだった


「極めつけは神人族、魔人族、獣人族、機人族を総勢100名連れてきたことだよ。 もう今はこの会館の外にテントを作っていてもらっているが、それをどう本部に伝えるか……」


 二コラは大きくため息をついた。

 本当に悩んでいる様子だった。


「今、私の頭はそのことで、いっぱいだよ……」


 そう告げた二コラは右側にいるコリーを見上げた。

 すると思わぬ物がそこにあった。


―――チュッ!―――


 コリーの唇である。やわらかく温かい。二コラはそう思った。

 コリーは二コラと唇を重ねた。

 しかも結構長い時間である。


「☆!?」


 舌を絡めてくるコリーに頭が追い付かない二コラさん。

 その唇が離れた時、細い唾液の糸で二人はつながっていた。


「えっ? なっ!?」


 思わず顔が真っ赤になる二コラさん。

 青い肌が真っ赤になるくらいである。


「うふふっ! かわいい人……」


 そんな表情お構いなしのコリーさん。

 そしておもむろに話始めた。


「ねぇ、ニコラ。 貴方はそんなことで頭を抱えるほど弱い男なの? いつもみたいに飄々と本部の奴らを出し抜いていけばいいじゃない」


 二コラさんのストールを外し、シャツに手を入れながら話をつづけるコリーさん。

 その瞳はうっすらと潤んでいた。

 シャツのボタンを外すと胸元を撫でながら話しかけてきた。


「わたしはね。いつもの冷静で飄々としている貴方が大好きよ」


 コリさんはシャツを脱ぎ始めた。

 そしてコリーさんが二コラさんのスラックスに手を伸ばすとチャックを下げた。


「ちょっ!」


 そしてコリーさんは二コラさんの二コラさんを出しおもむろに触り始めた。


「あの子たちは私たちとの約束をちゃんと守ったじゃない?」


 そして自らのパンツも下ろし、ショーツを脱いだ。

 下半身は裸になったコリーさんが二コラさんの二コラさんをつかんだ。


「なっ! あの、コリー…さん? 一体何を?」


「うふふっ…なにってナニをよ」


 足を開き、二コラさんが座っている椅子の前にたった。

 そして二コラさんに乗るように座ると自らの体重を掛けた。


「約束を守ったあの子たちを守れるのは二コラ、貴方だけよ」


 そして二コラさんの二コラさんがコリーさんの中に飲み込まれた。


「アフッ……」


 コリーさんの吐息が漏れる。

 二コラさんは、されるがままになっていた。


「くふふふ、ふあはははああ」


 何か吹っ切れたのかおもむろにコリラさんを抱きしめると動き始めた。

 そして笑いながら叫んだ!


「ああ! そうだ。 私は何を悩んでいたんだ。そう私はニコラ・ギイルではないか」


 そう告げるとニコラさんの動きがさらにスピードを上げた

 息も絶え絶えで熱い吐息を二コラの耳元で吐くコリラさんに向かって二コラさんは告げた


「そうだ! 私ならできる! こんなに素敵な女性コリーがいる、私なら何者とだって、それこそ神とだってうまくやってやるさ」


 二コラさんが急に元気になった。

 コリーさんを机に押し倒すとさらに動きは早くなった。

 二コラさんの二コラさんもクライマックスだ。


「うふふ。 あっ…ふっうぅ…」


 それをきいたコリーさんが息も絶え絶えで告げた。


「あっ……そうよ…! 私の……二コラはできる男なのぉ……あっあっ……やっと……いつもの……あっ、貴方に戻って……んんっ……くれたわね! 」


 コリーさんも満足そうな顔で微笑んでいた。


「俺についてこれるか、コリー!! 」


 そう告げる二コラさん。もう限界という表情だった。


「んっあっ! いいわよ。私は貴方についていくからあぁん! 」


 答えたコリーさん。

 そして二コラさんはコリーさんに己のすべてを吐き出した。

 訪れる静寂。


「「はぁはぁはぁはぁ」」


 すこし余韻を楽しんだコリーさんは二コラさんとつながったまま告げた。


「いつもの貴方でいてね! 」

 

 微笑んだコリーさん。


「もちろんだ! 貴女に失望されるような私ではない」


 そう告げるとコリーさんは名残惜しそうに腰を動かした。

 そして二コラさんの二コラさんを抜いた。


「うん! 合格ぅ! 」


 太ももを垂れているそれをふき取り、服を整えたとコリーは二コラに向かい伝えた。


「下の会議室でみんな貴方を待っているわ。 その服装をきれいにしてから来てね」


 そう告げてヒラヒラと手を動かした。

 コリーはその肌にツヤツヤした輝きを放ちながら扉から出ていった。

 今迄の状況を整理した二コラが思わず笑いだした。


「君にここまでさせるほど悩んでいたのか。 私もまだまだだな」


 そう告げると苦笑した二コラは自らの服装を整えると颯爽と扉をあけて出ていった。

 その顔は覚悟を決めた男の顔だった。




 会議室にいたのは愛子とルルカッタが並んで座っていた。

 その後ろにルイカとミッタマイヤwithロイエル。

 そして、囚われていた各種族の代表2名ずつがそれぞれの隣に座っているのだった。

 机の奥の椅子は空いていた。

 そしてその隣にはコリーさんが座っていた。

 その姿はできる秘書、クールビューティーという感じだった。

 メガネも掛けて、完璧な秘書状態である。

 ただ、やけに肌がツヤツヤだったが。


「ルル君、私たちが出した報告書そんなにまずいこと書いてたかなぁ?」


 愛子が隣のルルカッタに聞いてみた。


「えっ、そんなことないとおもいますよ。だって事実ですしね」


 ルルカッタが答えた。

 そう愛子たちは元グラマナスサイコのダンジョンであったことを書いた。

 それは愛子がエクス・マキナの義足を手に入れたこと。

 ルルカッタが成長しルイカとミッタマイヤwihロイエルと出会ったこと。

 そしてグラマナスサイコを倒したこと。

 元グラマナスサイコのダンジョンは現在、【精霊イセのダンジョン】、別名【エレダン】として再度構築されていること。

 

 それを伝達魔法具ブレイで撮影していた動画を添付して渡したのだった。


「受け取ったコリーさんが、中身を確認するたびに顔が青くなっていったんだけどね」


 そう告げると報告書を渡したときのコリーの顔が思い出された。

 報告書を読むたびに唇が段々引きつっていたコリラーさん。


「それは仕方ないですよ。 だって内容はちょっとした恐怖ですから…」


 そうですね。はい。そう思います。愛子はそう思った。

 ちなみにこの話をしている間、ルイカとミッタマイヤwithロイエル達は出された飲み物。

 コーヒーのようなものを飲んでびっくりしていた。

 なお、ルイカの飲み物は砂糖がはいっており、かなり甘く作られていた。

 その甘さを経験したことがないルイカは顔が緩んで、ほころんでいた。


「うわぁ! これはじめてのんだわぁ。 えらいおいしいなぁ」


 ルイカは顔が緩みっぱなしである。


「姫の飲み物は甘いのか! われらのは少し苦いんだが。 どう思うロイエル」

「ウム、ミッタマイヤ。 これはかなり苦みは強いが、なにやら頭がすっきりするぞ」

「そうだな。 それにしてもロイエル、この器をみろなんと美しいことか」

「この美しさはよいものだな」


 そういうとティーカップを指ではじいた。

 カップがチーンと透き通った音を立てると二人の獣人は顔を崩して二ヘラッとなっていた。


―――ギィ―――


 そしてそれぞれが待ち時間をつぶしていると会議室の扉が開かれた。

 ニコラ・ギイルが、手に資料をもち現れた。

 その顔はできる男の顔であった。



いつも読んでいただいて、ありがとうございます。

感想、ご意見、誤字脱字があれば報告お待ちしています。


すこし大人のシーンいれました。

後で犬耳少女も出てきます。

次回更新は、月曜日7時ごろを予定しています。

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