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抗体 その5

そろそろ竜人編も終盤です。

黒装束の男と赤装束の女が夜が明けて数刻が経った。

外は晴天で陽の光が眩しく指している正午過ぎ。

黒く重たいカーテンで閉じられた屋敷の一室でラムランドは手にしたグラスを壁にぶつけて黒装束の男に罵声を浴びせていた。


「あれだけの手筈を整えてやりながら、失敗しただとぉ!?」


「……申し訳ございません。主人」


「貴様の謝罪など何の価値もないわ! はぁこれだから使えない! 我以外は皆無能ということかぁ?」


「……申し訳ございません……」


「その言葉はさっきも聞いたぞ。無能者が!!」


 親指をカリカリと噛みながらラムランドは険しい表情でぶつぶつと呟いた。

 やがて思い出したかのように黒装束の男に尋ねた。


「貴様に渡した小瓶はどうした? 回収できたのか?」


「はっ! こちらに」


 黒装束の男は胸元から小さな小瓶を出して差し出した。

 小瓶の口には厳重な封印魔法がかけられた上からさらに封印の護符をかけられていた。

 

 ラムランドは小さな小瓶を受け取ると歪な笑顔で男に告げた。


「これを回収できただけでも良しとするか……クズにはクズでできることがあったということだな。はぁ……次はない。 貴様も私なのだから、この私の落胆を理解できるだろぅ? ううん? よいか! 必ずあの劣化品フレイを処分するようにな……たとえ貴様の命がなくなろうともだ。」


「御意………」


 ラムランドは男の声を聞き届けると部屋から出て屋敷の奥に進んだ。


 同時刻


 竜都カグラに近づく一行があった。

 その一行は獣人や機人族、神人族など他種の異種族が混じっていた。

 先頭を進む神人族の女性は呟いた。


「ここが、竜都カグラ……ゼロ。ここで間違いないのよね?」


「ああ、此処が竜人国の首都、竜都カグラだ」


 神人族の女性は背の低い竜人に尋ねると竜人は間髪入れずに返答した。


「此処にフレイをルル君とルイカちゃんが連れてきたはずよね」


「! アイコ殿! 待たれよ。 何か懐かしい気配を感じるぞ」


「ミッタマイヤ、これは……」


 愛子達の前に蜃気楼のような空間が突如現れた。


「ああ、ロイエル。これは竜眼による物だな」


 二人の獣人は遠くを見つめ告げた。


「竜眼ってなに?」


 アイコが二人の獣人に尋ねた。


「竜眼。まぁ有り体に言うと魔眼というやつだ。 この蜃気楼は遠隔転移の術だな」


「竜人の中でも力あるものは、竜眼などさまざまな能力を持っていることがあるのだよ。竜人がこの世界で最強と言われる所以だ。」


「ご名答! よくご存知ですね? 獣人さん?」


 ミッタマイヤがアイコに説明したところ、まるで初めからそこに居たかのように紅髪の竜人が現れた。


「あなたがアイコ様たちですね。 ルイカさんからお話を伺っています」


 にっこりと竜人は笑うと愛子達に経緯を話した。

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