災禍の街 その31
ーーーギィィーーー
僧兵に案内される形で、ルルカッタ達は教会に入った。
「ここで履物を脱いでくれ」
「私たちに靴を脱げと?」
「そうだ。 わが教会の建物は寝殿造。 木造建築なので外履きで歩く設計はされていない」
「みなさん、ここは僧兵に従ってください。 お願いします」
ペコリとフレイが訝しがるルイカ達に向けて頭を下げた。
というのも、この世界では自室以外で靴を脱ぐという習慣がなかったのだ。
しかし竜人国の建物はヴィスタ帝国の物とは根本的に違ったつくりの物だった。
ヴィスタ帝国を始め、この世界の多くの街は石造の三角屋根を持つ建物だ。
例外としてはコンクリートなどを利用して箱型の建物として作られている機人国。
そして、竜人国の寝殿造と言われる木造の神殿を主とした木造建築だ。
「こちらへ」
僧兵が先頭にたちルルカッタ達を案内した。
「何か素足で歩くのって恥ずかしいですね」
「でもこの木の感触は私たちの国では感じられないものですね」
「せやなぁ。 ひんやりしてて気持ちええわぁ」
ルイカ達が木造建築の感想を言い合っていた。
ルルカッタたちが歩くと板間がギィギィと音を立てていた。
そして少し進んだところで巨大な畳を敷かれた和室に案内された。
「こちらで待たれよ」
僧兵はこちらを向きフレイに告げた。
しばらく経つと上下白い装束をきた壮年の竜人が入ってきた。
竜人はフレイを見つめて告げた。
「よく来たね。 フレイ」
「最高司祭様!!」
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