災禍の街 その25
ダンジョンボス出現。
光り輝く壁が開くと、ロイエル達が現れた。
ケイトは怪我をしているのか、グッタリしてミッタマイヤに背負われていた。
その後からはロシルとグラミス達が現れた。
全員傷だらけだった。
「アイコ殿! 良かった。無事に合流できたようだな! すまないがケイトたちを見てくれないか!?」
突如現れたロイエル達に向かい道化師達が襲いかかった。
「ロイエル! 危ない!!」
「くそっ! ここも道化師達がいるのか!? くらえぇい! ヲルフガング流決闘術’風穴牙’!」
ロイエルが向かい来る道化師達に向けて必殺の拳を突きつけた。
音速を超えた拳は道化師たちを吹き飛ばした。
そして愛子はロイエルの元に駆け寄った。
「ロイエル! ケイトは無事なの? それにロシル、グラミスも全身怪我だらけじゃない!」
申し訳なさそうな顔でミッタマイヤが告げた。
「すまない、我の背を守ってケイトが魔法の餌食になってしまったのだ……」
「これは! ひどい火傷じゃない!! 待っていて、すぐに回復魔法を使うわ!」
愛子は急いでケイトの体に両手を向けて魔法を唱えた。
「’極生命蘇生術’」
ケイトの体は電撃を受けた跡のような熱傷が広がっていた。
見た目は二度熱傷が大半だが一部、プレートアーマーの下には三度熱傷も見られた。
ケイトは薄い紫色の魔法力に包まれた。
「おお! 傷が! 焼け爛れた皮膚が綺麗になっていくではないか」
「う〜ん。 あれ、ミッタマイヤ様……それにアイコさん?」
寝ぼけ眼でケイトはミッタマイヤと愛子の顔を交互に見返して小さくつぶやいた。
愛子はケイトが無事なことを確認するとロシル達に駆け寄った。
「アイコさん…私たち……頑張ったんですけど……」
「私たちで隊長を守れませんでした……私たちって足手まといですかね……」
ふらふらのロシルとグラミスが倒れそうな体を魔槍で支えながら呟いた。
「無理に喋らないで!! 大丈夫だから!」
愛子は両手をロシル、グラミスに向けて魔法を唱えた。
「極生命蘇生術’」
ロシル、グラミスが薄紫の魔法力に包まれると体についていた傷が消えていった。
「すごい。傷が消えていきました」
「すごいです。力が戻った感じがします」
愛子が魔法でロイエル達を癒していると、ドームの中央に新たな巨大な魔法陣が描かれた。
そして現れたのは、牛の頭にツノがつき、二本足でたつ巨大な魔物だった。
「やれやれ…君たちもあれをクリアしてしまったのかい? 君たちは本当想定外だよ…でもこれで最後だ」
まるでミノタウロスのような魔物がグラマナスの声で喋った。
そしてそのミノタウロスの胸元には赤い宝玉が埋め込まれていた。
「あれは! グラマナス・サイコのダンジョンにあった物と同じだわ」
愛子はミノタウロスの胸元を見つめ告げた。
「ならば! あの魔物を倒して赤い宝玉を破壊すれば……」
「「このダンジョンを出られる!!」」
クレイの考えを聞いたロイエルとミッタマイヤが声を合わせ告げた。
そして愛子はミノタウロスに向けてアヴァリーティアを構え怒声を上げた。
「行くよ! ロイエル、ミッタマイヤ、トゥエルブ、クレイ!」
「「「「おう(ですわ)!」」」」
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