災禍の街 その14
少しづつ進めています。
光る通路を愛子達が進むと小さな小部屋が現れた。
「なんだここは?」
「この感じは…気をつけておそらくだけど此処がこのフロアのボス部屋のはず!」
ーーーキィィィーーー
愛子達が部屋に入った瞬間に部屋の入り口が閉まった。
「なんか黒い塊が出てきたわ!」
黒いモヤは一塊になりコウモリのような魔物の姿をとった。
「あれは…ダークネスバットですわ!」
「何それ?」
「簡単に言えば吸血、吸魔法に特化した魔物ですわ」
「ならば切り裂けば良いだけだ! 輝け!星剣! はぁ!!」
レイジィが星剣を振るいダークネスバッドに斬りかかった。
ダークネスバッドは切られた瞬間、霧のようになって消えた。
「なんだ!? 手応えがないぞ!」
霧のように消えたダークネスバッドがレイジィの後ろで具現化し、レイジィの細首に噛み付いた。
「ぐっ!! この!」
レイジィが首に噛みついたダークネスバッドを引き剥がした。
レイジィの首筋には二本の噛み跡があった。
「やばいですわ! レイジィ急いでこれを飲んでくださいまし!」
「んぐっ!んぐっ! ゲホッ」
トゥエルブ・マキナがレイジィの口に小さな小瓶を突っ込んだ。
少し咽せながらレイジィは小瓶の中身を飲みこんだ。
「これはなんだ、トゥエルブ?」
「解毒剤ですわ! ダークネスバッドは致死性の猛毒を持っていますの」
「毒だとぉ…あっ」
ふらふらになったレイジィは血の気が引いて今にも倒れそうになっていた。
その上、顔色も悪くなっていた。
「レイジィ!? ちょっと大丈夫?」
「なんとか……血を少し吸われたようだ…」
「あまり、無理をならさらないほうがよろしくてよ。 それにダークネスバットは高火力で対応するのが宜しいんですよ」
「なら、魔法で焼き尽くしましょう!」
愛子が右手を突き出し魔法を唱えようとした矢先、トゥエルブマキナが腕を掴み止めた。
「攻撃魔法はダメですのよ。逆に吸われてダークネスバットを強くしてしまいますわ」
「魔法もだめ、近接攻撃もだめってどうしたらいいのよ?」
トゥエルブ・マキナが腰のホルスターから二丁の魔法銃を抜き取り、ダークネスバットに向けて構えた。
「簡単ですわ。 遠距離物理で粉微塵にすれば宜しくてよ。 魔法銃! 第一弾倉解放! 連続射撃!!」
ーーードゴゴゴゴゴゴォーーー
まるでマシンガンのように連続発射される弾丸は、ダークネスバットをボロ雑巾のようにズタズタに引き裂いた。
「では、私も’絶躰! ふっ!」
ーーーブンーードォンーーー
愛子は足元にある手のひらサイズの石を拾い、ダークネスバッドに全力で投げつけた。
石は音速を超えたようで空気が弾ける音が周囲に響いた。
音を置き去りにする速度で依頼した石にダークネスバッドは回避することも出来ず直撃した。
直撃した場所にはまるで大砲でも打ち込まれたかのような大穴が、ぽっかりと空いていた
遅れて届いた音がそうしたようにダークネスバッドは霧散した。
その光景を見たレイジィは呟いた。
「主人……それは、なんの冗談だ……」
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