災禍の街 その13
グラマナスのダンジョン再び
「グラマナスのダンジョン? なんだそれは?」
「……とっても性悪な奴が作り上げたものよ」
愛子とロイエル、ミッタマイヤは遠い目をして見上げていた。
愛子の足元にあるプレートに現れた文字に書かれていたのはただ一文のみ。
ーーーグラマナス・エンヴィのダンジョン ※命の保書はないよん♪ーーー
「待ってくださいまし! ここが叔母上が仰っていた、グラマナスの一部がある場所ということですの?」
トゥエルブ・マキナが身を乗り出して愛子に尋ねた。
「そうね…前に、ヴィスタ帝国のグラマナス・サイコのダンジョンで私たちが出会ったことは話したわよね? いやだけど…ここに書いている文字はあそこで見たものとよく似ているのよ」
愛子はトゥエルブ・マキナの肩を片手で叩きながら答えた。
「……この最後に書いているイラっとする言葉もな」
ミッタマイヤがトゥエルブ・マキナの反対側に立ち呟いた。
そして愛子はレイジィ達の方を向き伝えた。
「気をつけてよ。 特にレイジィとケイトたちは! ここ何が起こるか全くわからないから」
「主人は以前、これに似たダンジョンを経験していると言ったな? その時はどうやって出たのだ?」
レイジィが愛子に尋ねた。
手に星剣を握りしめて、周囲を警戒していた。
「あの時は、グラマナス・サイコの真核を砕いて、そこに囚われている精霊を解放したら出られたわね」
「ということは、おそらくだがここも同じような構造だと考えられるのでは?」
レイジィの言葉に愛子はあることを思い出した。
「そうか! 前も精霊が言ってたっけ、グラマナスが精霊が生まれる場所に真核を置いて奪っていったって」
「ならば! アイコ殿。 ここも精霊を解放すれば」
「「ダンジョンを抜けられる」」
「決まったわ! 私たち看護団はこのダンジョンを踏破します!! で貴女はどうするの? ゼロ?」
「仕方ねぇ、俺もここで死んでしまうわけにはいかねぇから付き合ってやらぁ」
「決まりね。では」
愛子たちは光が指す方向へ進んでいった。
最初の部屋にはグラマナス・サイコのダンジョンにいたボーンソルジャーが数十体いたが看護団の前には障害にもなりえなかった。
レイジィの星剣が煌めき十体規模で斬り捨て行くとケイト、ロシル、グラミスの電撃魔法がそれぞれボーンソルジャーを焼き払った。
トゥエルブ・マキナの魔法銃の銃口が輝くたびに赤い魔法弾を撃ち放ち的確にボーンソルジャーの頭部を砕いていくといった具合であっという間んい最初の部屋を制圧したのだった。
「なんだか行けそうね。」
「油断は禁物だぞ、アイコどの」
ロイエルがそう告げた瞬間、愛子とレイジィ、トゥエルブ・マキナたちとロイエル、ミッタマイヤ、ケイトたちの間に一瞬で壁が現れた。
「「早速来たか…」」
「早速だったわね…」
ナイチンゲールが二つに分けられると反対側に光る通路があらわれた。
まるでこのダンジョンそのものが意思を持っているように愛子は感じた。
「ここを行けということですわね」
「主人、どうする?」
トゥエルブとレイジィが愛子に尋ねると愛子は告げた。
「どんな道だろうとぶっ壊してやるわ!」
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