災禍の街 その10
魔法は色々あるみたいです
「やっばい! ロイエル様の危機ですぅ」
アンジュルムは、急いで愛子たちの元に戻ろうとしたが……
「んっ? 誰だそこにいるのは!!」
盗賊団の小柄な女がアンジュルムの方を向いて叫んだ。
「えっ! なんでこの距離でわかるですかぁ! 私ちゃんと気配絶ちしてましたよぉ」
「不思議な顔してんなぁ。 まぁいい。 ここの話を聞かれたってことはお前……あそこのクランのやつだろ? 斥候ってとこか…どうだ? 俺らと組まないか? 悪いようにはしねぇよ」
「ふっ…アンジュルムはそんな手にはかからないですよ。 それに仲間を売るような、やっすい女ではないので!」
「なら仕方ねぇ…幻惑」
小柄な女はアンジュルムに向けて右手を突き出し魔法を唱えた。
手の平に白い魔法陣が描かれた。
「ふん! 残念でした! アンジュルムちゃんに、そんな状態異常系の魔法はきかな………」
「あめぇよ。 俺の魔法は魂に直接効くんだよ。 じゃあなきゃ……な?」
親指をクイっと隣に立つ男に向けた。
「なんですかボス?」
男の瞳は黒く濁っていた。
その瞳とは違う爽やかな笑顔が不自然だったがそれに気が付く者はいなかった。
「さて…では行こうか? えっとアンジュルム?」
「はいですぅ、ボス」
アンジュルムの瞳は濁っていた。
そしてアンジュルムの案内で小柄な女に率いられた盗賊団は愛子たちの前に現れた。
ーーードゴォォンーーー
「なんだぁ?」
「いきなり魔法を打ち込んできたのは誰だぁ」
ガインとケインが魔槍を手に持ち魔法の飛んできた方を見つめた。
「何事? あっあれは! アンジュルム!!」
「へい! オメェらのボスは誰だ!」
「私がこのクランの代表よ! アンジュルムに何をしたの?」
「そうか……ならオメェを殺れば問題ねぇなぁ! 幻惑」
愛子に向けて突きつけられた手のひらに白い魔法陣が描かれ愛子に向けられた。
「これでぇテメェも俺のもんだ!!」
小柄な女は愛子に凶悪な笑顔を向けた。
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