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災禍の街 その5

この世界の龍と竜の違いは何でしょうね?

「竜人の巫女?」


「はい。 この娘の背中に大きな紋様がありますわよね? これは竜人と龍神の契約の証ですの」


「龍神? 竜の神様ってこと?」


「そこについてはワタクシも詳しくはないのですが……」


ーーーふむ。 確かにこれは龍神ディアとの契約の印だなーーー


 愛子の頭の中に女性の声が響いた。

 愛子はいきなり頭の中に響いた声に驚いたが、目を閉じて念じてみた。


ーーーちょっと! いきなり頭に大きな声を響かせないでくれる?ーーー


ーーー何を言うか異物イレギュラーよ。 我の声を聞けるなど至極の体験だぞ?ーーー


ーーーあ〜もわかったわよ! ところで龍神ってなに?ーーー


ーーー龍神ディア・ケト、又は生命の神として、我が竜の子らに伝わる伝承の一つだ。 まぁ詳しくは、そこの娘が起きたら聞くが良いーーー


 女性はそう告げると言葉を発するのを止めた。

 愛子は瞳を開けて目の前に横になっている幼児に見つめながら服を着替えさせた。

 彼女の着ていた服は浴衣というよりは巫女服のような作りだった。

 さらに、所々破れたり血がこびり付いていた。


「ルイカちゃん。 ルイカちゃんの服の替えを使ってもいい?」


「ええよ。 流石にこの子、ドロドロの服のままってわけにはいかんやろうし」


「助かるわ」


 そう告げると愛子はルイカのミニワンピを着せた。

 ルイカが着るとちょうどミニ丈なのだが、目の前の幼児は着るとサイズが合わないため

 ロングのワンピースとなっていた。


「アイコ殿、良いか?」


「何? ロイエル」


「このままここに居ても仕方がない。 とりあえず彼処にある廃墟の町に移動しようと思うのだが。 それにその幼児おさなごを休ませる場所も必要だろう?」


「そうね…少しでも屋根があるところがいいし……」


「賛成ですわ! ねぇレイジィ、ケイト?」


「ああ、異論ないぞ」


「そうですね……ところでこの子をどうやって運びます?」


「そうね。できたら横にしたまま運んであげたいんだけど……そうだあなた達の魔槍貸してくれる?」


「ええ…いいですよ。 はい、アイコ様」


 レインとアウロトが手にしていた魔槍を愛子に差し出した。

 槍と槍の間に毛布を被せ毛布の端同士をくくりつけ愛子は即席の担架を作り上げた。


「これで運べばいいわ。 えっと運ぶのは……」


「それは俺らにやらせてくれないか?」


 ケインとガインが手を上げて愛子に伝えた。

 

「俺たちの体格も似ているし、こう見えても体力はあるからな。 なっガイン?」


「おう。 まるで高級馬車にでも乗っているかのように振動を抑えて優しく運ぶぜ」


 そう告げる二人の背丈はほぼ同じだった。


「そうね。 二人なら傾くこともなく運べそうね」


 愛子達は廃墟と化している町に入った。

 町の中には壊れている屋敷が多くあった。


「本当に廃墟ね」


 町を歩く一行の前に一つの屋敷が現れた。


「あっアイコ様。 あの青い建物は比較的まだ綺麗ですよ」


 ルルカッタが指を刺した方向には青く塗られた壁の館があった。

 比較的まともな建物に入った看護団ナイチンゲールの面々は各々、装備をおろし体を休める体制をとっていった。


 館の暖炉というか廬に巻をくべ、広い和室のような場所で愛子達は暖をとっていると幼児が目を覚ました。


「……ここは……ママ! ママは!? ここ一体どこですか! あなたがたは何者ですか?」



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