新たな決意 その2
あの秘匿された神殿での戦いから三日が過ぎた。
エクス・マキナ死去は機人国の一大ニュースとなって機人国中のメディアで報道された。
そして、トゥエルブ・マキナが機人国の王として宣言をしたことで、エクス・マキナ死去による国の乱れは最小限に抑えられた。
「トゥエルブ・マキナ、すごい堂々としていたね」
「そうですね。 あんな風に堂々としている姿は、おなじ王族として尊敬します」
一日前に愛子とルルカッタは機人城でトゥエルブ・マキナの演説を聞いた。
トゥエルブ・マキナの隣にはラプチュアが秘書官のように見守っていた。
「なぁ、アイコ。これからどうするん?」
「そうね…エクス・マキナが言っていたみたいに龍人国に行こうかしら」
「アイコ殿、我らも共に行こう」
「獣騎士が行くのなら私たちも一緒ですよ? ねっ? レイジィ?」
ケイトがレイジィの肩をグッと掴んで笑顔でレイジィと視線を交わした。
「そっ…そうだな。 もちろんだともケイト。 だから、その手を離してくれないか?」
レイジィの口角が引き付いていた。
「もちろんミッタマイヤ達も一緒にきてもらうわよ。 私たちは冒険者クラン ’看護団’ なのだから」
「アイコ様。 僕は今回の戦いで痛感しました……自分は弱いのだと…だからロイエル兄様、ミッタマイヤ兄様! 僕の修行に付き合ってください」
「いいぞ! 弟弟子の願いだ。無下に断るはずもなかろう?」
ミッタマイヤはルルカッタに答えた。
ルルカッタは眩しい笑顔で二人の獣人を見つめると二人の獣人はこれまでに無いほどの笑顔で親指を立ててサムズアップした。
「私もお願いします! ロイエル様!!」
それを見たアンジュルムも片手を上げて名乗りあげた。
「おお、もちろんだとも」
ロイエルも尻尾をブンブン振って乗り気だ。
目は爛々と輝いていた。
「ところでトゥエルブ・マキナ様に挨拶は済んだのですか?」
ルルカッタが愛子に尋ねたが、愛子は首を横に振って答えた。
「彼女には今日旅立つことは伝えていないわ。 それにいきなり伝えても彼女も忙しいと思うし…」
愛子は俯きがちに答えた。
その時、後ろから甲高い音と砂煙を立ながら近づく一人の機人の姿があった。
「ちょっっとぉぉぉ! 私を置いていくなんて許しませんことよぉぉぉ!」
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