新たな決意 その1
「叔母上!!」
トゥエルブ・マキナが倒れているエクス・マキナに走り寄った。
半分に切られて、体から血のような色のオイルを流しているエクス・マキナは虚な瞳でトゥエルブ・マキナを見つめた。
「トゥエルブ…?」
「そうです、叔母上! トゥエルブ・マキナです! ああ…こんなに血が!! すぐに替えのボディを用意します!!」
「……トゥエルブ……無理だぞ…私の魔法炉心は…もう持たない……」
「嫌です! おばさま!! 生きてください!」
トゥエルブ・マキナの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
こぼれ落ちた涙がエクス・マキナの頬を濡らした。
「……トゥエルブ…少し…話をしようか…私が機能停止する前に……」
「嫌です! 叔母さまが……」
「トゥエルブ……困った子だぞ……なら……聞いてくれるだけでいい…私の話を……」
「叔母さま……」
エクス・マキナは手をトゥエルブ・マキナの頬に当てて話を続けた。
「……私は…お前に謝らなければ…ならない……ね…私の妹……イレブン・マキナの仇を取れなくて……」
「いいんです。それよりも叔母さまが生きてくれていたら!」
「ははは…無理だぞ……それは…あと…ラプチャア……聞こえているかい……」
エクス・マキナの頭にラプチャアの声が響いた。
「はい。我が主人」
「……私の持つ権限を全てトゥエルブ・マキナに移譲する……」
「はい。我が主人」
「そんな! 嫌です! 私はまだ貴女から学びたいんです」
「……本当に困った…娘だぞ……生きたくなるじゃないか……」
「でも……もう少しだけ…愛子さん…いいかい……」
「エクス・マキナ……私は貴女にお返しできることが何もないのに……」
「いいんだ……それよりも……愛子さん…お願いだ…グラマナスの復活を止めるのに……力を貸してほしい……」
「ええ。貴女がそれを望むなら私は……」
「……ありがとう……だぞ…」
「トゥエルブ……これからは…お前がこの国の王だ……ぞ…民を、国を、守ってくれ……」
「……はい」
トゥエルブ・マキナは涙に崩れた表情でエクス・マキナに答えた。
エクス・マキナの手がぱたっと落ちた。
「……叔母上さま?」
「マキナ!」
トゥエルブ・マキナと愛子がエクス・マキナを揺らしながら声をかけた。
しかしそれに返答はなく、明るい表情だった彼女の顔は暗く瞳は虚に中を見ていた。
「おばさまぁぁぁぁぁ!!!」
二人の前でエクス・マキナは琴切れた。
エクス・マキナ抱きしめ、泣きじゃくるトゥエルブ・マキナ。
そしてその二人を見つめながら愛子達の涙は止まることなく瞼から溢れていた。
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