偽りの神 その15
「あぐぅ……なぜですの!? 物理障壁が破られるなんて……」
トゥエルブ・マキナの左手を貫いたのは青く光る魔槍・
そしてその手からは血のような赤い液体がポタポタと地面を汚していた。
「ふふふ……まるであの時のようですわね……」
「何を言ってますの……?」
ガルドスが邪悪な笑顔をトゥエルブ・マキナに向け話を続けた。
「あの時の機人も同じ顔をしていましたわ……私に頭を砕かれるその瞬間まで……ね」
ーーードクンーーー
あの機人……頭を砕かれた……
ーーードクンーーードクンーーー
頭を砕かれた機人…私と同じ武器を使う……
ーーードクッーーードクッーーードクッーーー
トゥエルブ・マキナの心臓に当たる機関……魔法炉心が早金を打つようにマキナの中で響いた。
ーーードッドッドッドッーーー
トゥエルブ・マキナの脳裏にあの日の記憶がよがえった。
四肢を青い魔槍で貫かれていた……母の姿を。
「貴様ぁぁぁぁ! 貴様かぁぁ!! 貴様が! 私の……母様! イレブン・マキナを!」
「ええ。 ご名答ですわ」
トゥエルブ・マキナは我を忘れたかのように魔法銃の銃口をガルドスに向け引き金を引いた。
銃口からは青い魔法力が光の弾丸となり放たれた。
「殺してやる! 殺してやる!!」
「ふむ? これくらいでそこまで乱れるとは……」
ガルドスは放たれた光の弾丸を持ち替えた大鎌で打ち消した。
「貴様に……貴様に何がわかる!!」
「あの日のことは消して忘れない! お前がぁお前がぁぁぁ!!」
トゥエルブ・マキナは殺意を込めた瞳でガルドスを見つめた。
「昔のことですわ? それに貴女様の戦い方はあの機人に似ていますが……あの機人よりも弱いですわよ?」
ガルドスは魔槍に持ち替えた。
そしてトゥエルブ・マキナが瞬息の間で一気に間合いを詰め魔槍を振るった。
「くっ!」
トゥエルブ・マキナは紙一重で魔槍を退けると魔法銃の銃口をガルドスに向けて引き金を引いた。
赤い魔法力が光の弾となり放たれた。
「ふっ!」
ガルドスが赤い光弾を飛び退き避けると着弾地点で火炎が起きていた。
「そんな雑な動きでは私を倒すことは無理ですわよ? 最も…私は貴女との遊びをこのまま続ける気はありませんのよ?」
「私の魔法銃技が遊びですって……!」
「ええ。 貴女の闘争は児戯にも等しいですわ。 それに私の目的はアレですから……」
ガルドスは射抜くような瞳で部屋の奥にある祭壇で輝く青い結晶体を見つめた。
その結晶体の近くではウィズ・フィ・エダラとエクス・マキナが互いの武がぶつかり合う音が響いた。
二人の戦いはさらに加速していった。
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