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偽りの神 その9

鎌を使おう

ーーーカツン、カツン、カツンーーー


「あら? 御機嫌よう……ウィズ・フィ・エダラさん? あっ嫌だわ私ったら、今はクラン’仮面舞マスカレードダンス’の冒険者ウィズでしたかしら?」


「貴様は…やはり来ていたか死神……いや第六魔法師団のガルドス・ルルガス!」


 二人は目線を外さず射抜くような瞳で互いに見つめた。

 先に動いたのはガルドスだった。


「ふふふっ…こうしてこの場でお会いできたのも何かの縁…いざ勝負と行きたいところですが…」


「なんだ、何が言いたい」


 ウィズは凍てつくような冷めた瞳でガルドスを射抜いていたが、それを意に介さずガルドスは一つの提案をしてきた。


「封印を壊すこと…これが私と貴方の同じ目標ですわ。 つまり利害の一致がありますの。 ここは共闘しませんか? ウィズさん」


「貴様の言うことなど、真に受けられるか!」


「うふふっ……そうですわね……やはり私の言うことは何も通じませんね」


 ガルドスが大鎌を構えて臨戦態勢に入ろうとした時、ウィズは告げた。


「だが確かに時間がないことは確かだ。 ここは貴様の案に乗ってやろう」


「……そうですか…残念ですわ……今なら……ねぇ?」


 ガルドスは大鎌の構えを解いて、ウィズ達と共に封印の間にある最奥の部屋を目指して進んだ。

 途中に出てくるのは先程の機人馬ばかりではなく、鳥型の機獣、狼のような機獣達が一行を阻んだが、ガルドスとウィズ達は顔色一つ変えることなく魔法と魔剣で尽く制圧した。


「ふふふっ…こんな、おもちゃでは肩慣らしにもなりませんわ」


「まったくだな…」


 ガルドスたちが通った後には、焼き尽くされた機獣や凍てついた機獣、ぽっかりと大穴を開けた機獣達が残骸を成していた。


 そんなガルドスとウィズが進む中、扉の前に一人の機人が杖を構えて立っていた。

「貴様らをこの扉の向こうに行かすわけには行かんのだ……特に貴様のような邪悪はな」


 身の丈ほどある杖を構えた機人はガルドスを見つめ告げた。


「あらあら…言うに事欠いて邪悪とはひどい言い草ではありませんか?」


 ガルドスが舌で唇を舐めながら、手に握る大鎌を構え直した。


「我が名はゼファ・アイアン。 わが魔法回路の放つ魔法の前に消え去るがいい」


 ゼファの持つ杖の前に魔法陣が描かれた。

 そして描かれた魔法陣から極太の光が溢れ周囲を焼きながらガルドスに向けて放たれた。


「うふふっ、よろしいですわ。 でもその程度の魔法は私にききませんよ?」


 ガルドスは大鎌を構えて右手を差し出した。


極滅氷結テオブルガ! 」


 ガルドスの目の前で氷の塊がまるでバターナイフで斬られたかのように細切れにされた。

 その氷塊を盾にガルドスは機人の杖を狙い攻撃を仕掛けた。


「やるのぉ!だがこの杖が貴様に滅びをくれてやるj


極滅光断テオブレイズ!」


 ゼファの杖に魔法陣が描かれ、更なる光が溢れ出した。

 そして光の弾がガルドスたちに向けて放たれた。


「まぁ、恐ろしい」


 ガルドスはカウンターのように右手を光の弾に向けて手を掲げ反魔法の魔法陣を描いた。

 そして大鎌を構えて、ゼファに向けて全速力で駆けた。


「喰らいなさいな。 極断パニッシュ


 ガルドスが放つは大鎌の一撃。


ーーーギィィンーーー


「なんの!」


 ゼファは杖をまるで槍のように持ち替えてガルドスの一撃を受け流した。


「あらっ? やりますわね?」

 

「こっちが疎かだ!」


 ウィズの魔剣が魔法光を放ちながらゼファを斬りつけた。

 それはまさに体を両断せんとする一撃だった。

 

「くっ! ならば我がサイドウエポンよ。 光弾装填オートロック射出! 発射!」


 ゼファを守るように光の球が宙に現れた。


「遅い! その程度の速さの光弾など我らに効くものか!」 

 

 光の弾はまるで、レーザーのように空を焼きながらウィズに襲いかかった。

 ウィズは魔剣を納刀し迫る光弾に向けて瞬息の一閃を放った。

 魔法力が篭った魔剣が一閃されると光の刀刃がゼファの光弾に向けて放たれた。

 光弾と光刃がぶつかり消え去った。


「ぬぅ! やるではないか!」


 ゼファの隙をついて背の高い男の剣戟が放たれた。


「覚悟! 神破断」


 神速の剣撃がまるで空間を引き裂いた。


ーーーギィィンーーードサッーーー


 魔法を放とうと左手をゼファがかざした瞬間、左腕が根本から斬り飛ばされた。

 それを見たガルドスが真言マントラを唱えた。


「泣きわめけ! 死霊鎌デスサイズ!」

 

 ガルドスの大鎌が赤い魔法力マナを放ち周囲に圧力プレッシャーを解き放った。


「その魔法力マナは!? やはり…恐れていたことが……」


 ゼファはガルドスの放つ異様な圧力プレッシャーを感じ、問いただした。

 しかしその言葉を覆い潰すようにガルドスが告げた。


「貴方は何も知らなくてよろしいんですのよ? 極切断ディパニッシャ


 凶悪な笑顔でゼファを見つめるガルドスから必滅の赤い魔法技が放たれた。

 ゼファは杖を盾にガルドスの魔法技を受け止めた。


「愚かですわ」


 ゼファの体が左右にゴトンと音を立てて両断された。


「さぁ奥に行きましょう。 次の扉が最後ですわ」


 ウィズは手元にあるコンソールに闇ギルドの人間から入手したパスカードを挿入した。

 そして表示されたのはパスコードの入力だった。


「やはり、パスコードも必要だったか……ならば」


 先程の機人から聞き出したパスコードをウィズは告げた。

 重厚な扉が持ち上がり扉の奥への通路が現れた。

 

「では行くとしよう……」


 ウィズが足を踏み込むと通路に灯が灯った。

 ウィズ達がその通路に入った時、背後から機人の声が響いた。


「待つんだぞ! 君たちを……それ以上進ませるわけにはいかないんだぞ!」


 

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