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機人国潜入 その16

トゥエルブ・マキナと戦おう!

ーーーキィィンーーー


 バアルの街にある転移門を通って愛子たちは機都マキナにやって来た。

 そしてトゥエルブ・マキナに案内されるまま、愛子たちは大きな建物にやってきた。


「なんかすごい違和感を感じる建物ね」


「違和感ですか? それはどういうことですかアイコ様?」


「いや……なんかコレって古代のコロセッオみたいな……」


ーーーガシャァァァァンーーー


「「!?」」


 愛子たちがトゥエルブ・マキナに案内されるまま入ったのは円形の建物だった。

 そしてクラン’ナイチンゲール’の皆が入ると突然に扉が閉められた。

 愛子たちの前を歩くトゥエルブ・マキナが振り返った。

 そして微笑みを崩さずに愛子たちの方に向きを変えた。


「コレはどういうことかしら? トゥエルブ・マキナさん?」


 愛子が振り返ったトゥエルブ・マキナを睨みながら抑揚を抑えた声で問いただした。

 するとトゥエルブ・マキナはニッコリと口角をあげ笑顔で話し始めた。


「よもや、よもや、ですわ……アイコ様……本当にあなたが現れるとは……ワタクシ思いも寄りませんでしたわ……それにそちらのお嬢ちゃんと獣人の方……ルイカ様、ロイエル様、ミッタマイヤ様……あなた方の魔法力マナは神代に記録されていデータと一致しました……エクス・マキナが残した言葉通りになってしまいましたわね……」


「エクス・マキナが言葉を残したって!? それってどういうこと? エクス・マキナはどうしたの!?」


 トゥエルブ・マキナは両手で左右の腰から下げた銃のようなものを抜き構えた。

 そして銃口を愛子に向けて話し始めた。


「……詳しくはワタクシを倒してからにしてくださいましね」


 トゥエルブ・マキナが告げると銃口が光輝いた。

 そして愛子たちに向けて攻撃が放たれた。


「ちょっと! 話はまだ終わってないわよ!!」


 右手の銃口の光は赤い魔法力マナを放ち、まるで火炎放射器のような炎を放った。

 愛子とルルカッタはサイドに飛び退き、愛子は魔剣アヴェリーティアを構え、ルルカッタは獣魔召喚魔装術リヴァイブを唱えた。

 その隙にも左の銃口から青い魔法力マナを放った。直後氷の槍が複数現れケイトとアンジュルムに放たれた。


「「危ない!!」」


 一瞬動作が遅れた二人をロイエルとミッタマイヤが抱きかかえて左右に飛んだ。

 そして二人を抱きかかえたまま着地するとトゥエルブ・マキナを睨んだ。


「ロイエル様ぁ!」


「閃紅の獣騎士ミッタマイヤ様ぁ!」


 抱き抱えられた二人は顔が朱に染まっていた。

 ルイカが魔法杖を構えて真言を唱えた。


「歌え!希望鍵ホープキー!! 喰らいなさい!極獄炎龍ジオヴェノス!」


 ルイカの持つ杖の前にピンク色の魔法陣が描かれてそこから火炎の龍がトゥエルブ・マキナに向けて放たれた。


「敵対魔法に対し魔法障壁マジックキャンセラー起動。周囲1mにて魔法霧散自動設定開始マジックミストプログラムオートスタート


 ルイカは魔法がトゥエルブ・マキナに当たると確信した。

 直後、トゥエルブ・マキナの背中から小さな鳥が二体放たれた

 炎龍はトゥエルブ・マキナにあたる直前でまるで霧のように消えた。

 

「はぁぁ!!」


「うらぁぁ!!」


「行きます!!」


 レイン、ケイン、アウロトは手にした魔剣でトゥエルブ・マキナに切りかかった。

 トゥエルブ・マキナが左手に持っていた銃をホルスターにしまうとそのまま左手をかざした。


「対物理防御開始。魔法力をもとに物理障壁局所展開」


 直後、左手から白い魔法力マナがあふれ、分厚い盾のような形になった

 そして放たれた斬撃を受け流した。


「嘘だろぉ?」


「嘘でしょぉ?」


「嘘ぉぉ?」


 三人が同じセリフを吐いた直後、ケインにトゥエルブ・マキナの鋭い蹴りが放たれた。

 斬撃を放った直後で防御も侭ならない中、まともに蹴りを受けたケインは吹き飛んだ。


「なんでぇ俺だけぇぇ」


「「ケインさん!?」」


 ーーードゴォォォォーー


「ぐはっ!……くっやるじゃねぇか……アイツらの蹴りなみだぜ」


 愛子は魔剣を構えて改めてトゥエルブ・マキナに問いただした。


「……本気なの?コレだけの人数相手にあなた一人で戦うというの?」


「愚問ですね。 逆にコレだけの人数がいながら私にまともに攻撃を当てられないんですか?」


 トゥエルブ・マキナは左手に改めて銃を持ち直し両手に持った銃を愛子に向けた。

 愛子の両足の義肢から放熱版が現れ、紫色の魔法力マナを放って甲高い音を響かせた。


「あなたを倒して詳しいこと聞き出すしかないようね……たとえどんな理由であろうとも」


「Exactli よろしい。それだけ言えれば結構です。ならば闘争再開しましょうか?」


 愛子は手に持った魔剣を構えて、目配せをルルカッタと行った。

 ルルカッタは愛子の瞳から自らがなすべきことを悟った。


「行きます! はぁ!! ヲルフガング流決闘術’風穴牙’」


 魔装術を纏ったルルカッタの右手に青い魔法力マナが集中させた。

 駆け出したルルカッタは獣人の脚力を持ってトゥエルブ・マキナに詰め寄った。

 そして右手を振り下ろし魔法力の籠った爪攻撃をトゥエルブ・マキナに放った。


「ふん。コレくらい……」


 トゥエルブ・マキナは放たれる直前に後ろに飛びのいた。

 そして放たれたルルカッタの風穴牙だったがトゥエルブ・マキナには当たらなかった。


「コレは……!?」


 しかし風穴牙の副次効果がその牙をトゥエルブ・マキナに剥いた。

 急激な空間の圧縮がトゥエルブ・マキナをルルカッタの下に吸い寄せた。


「さぁこれはどうですか? ヲルフガング流決闘術’炸裂刃’」


 ルルカッタの右手が青い魔法力で輝き覆った。

 魔法力で出来た三本の爪がトゥエルブ・マキナに放たれた。


「なんの、魔法ならばワタクシ魔法霧散マジックミストプログラムで無象にして見せましょう」


 直後、トゥエルブ・マキナの両肩に止まった鳥型の機獣により魔法力で出来た青い爪は霧散した。

 だが物理的な攻撃である右手の突きはトゥエルブ・マキナの左脇腹に突き刺さった。


「くっ!ワタクシが物理障壁展開前に……」


「こっちがお留守よ! はぁヲルフガング流剣舞’桜舞フェアリー’」


 愛子の魔剣による縦一文字の剣戟がトゥエルブ・マキナに放たれた。


「なんの!対物理防御。魔法力をもとに物理障壁局所展開!!」


ーーーギィィンーーー


 愛子の剣戟が物理防御書壁により弾かれた。


「なんのぉまだまだぁ! 闇脚ゲルド


 義足の放熱板スラスターが紫の魔法力を放出し鋭い蹴りがトゥエルブ・マキナに放たれた。


「ふん。物理無効に何をしても無駄……!?」


「はぁ!! 闇脚ゲルド闇脚ゲルドぉぉぉ!」


 さらに二度の鋭い回し蹴りがトゥエルブ・マキナに襲いかかった。

 物理障壁が高い負荷を帯びたせいか白熱化して地面を焦がしていた。


「もう一度 闇脚ゲルドぉぉぉぉぉ!!」


ーーーバキィィンーーー


 物理障壁が砕け、愛子の蹴りをまともに食らったトゥエルブ・マキナは壁にまで吹き飛ばされた。


「くくくっ。よもや、よもや。 コレほどの力があろうとは。 いやぁ恐れ入る。 確かにワタクシ一人では力が足りないですわね。 相手を見て油断するとは機人族としてあるまじき失態ですわ」


 そしてトゥエルブ・マキナは右腕の手首を叩き信号を送った


ーーーゴゴゴゴゴーーー


 トゥエルブ・マキナの両隣に機械で出来た獣、機獣が二体地面から現れた。


「さぁ、セカンドマッチと行きましょう? クラン’ナイチンゲール’の皆さん?」


「「ウヴォォォォォン」」


 トゥエルブ・マキナの声に呼応るように機獣は雄叫びをあげた。


「戯言を……私たちの実力! 思い知らせてあげましょう……輝け!星剣ソレスタ


 レイジィの持つ魔剣の柄から魔法力マナが溢れている光の剣と化した。


「そうね…では私たちも行きましょうか! 各員魔槍を構えて!」


「「「了解!」」」


 ケイトが自らの持つ魔槍を構えて、二人の神人族レイジィとケイトはトゥエルブ・マキナに対峙した。


「行くぞ! クレイ流剣技 ’ 破邪断頭ザインスラッド ’」

「行くわよ! デミイエ流槍術 ’風流突破シルフィード’」


 レイジィの星剣が輝き、目にも止まらぬ速度で振り下ろされた。

 ケイトの構えた魔槍が輝くと風の魔法が槍の後方に吹き出して超速の刺突術がトゥエルブ・マキナに放たれた。


「ウヴォォォン」


 それを遮るように機獣が割って入り、ケイトたちの刺突術を受け止めた。

 しかも機獣もまた物理無効障壁を持っているのか刺さる直前で止められていた。


「嘘でしょ!?」


 ケイトは叫んだ。

 それを割って入るようにレイジィが星剣を持ち宙を舞った。


 「いまだぁ!クレイ流奥義 ’破邪一線ザインスラッシュ’ 」


 横凪の斬撃がレイジィから放たれた。

 取った!レイジィはそう思ったが、またもやもう一体の機獣がレイジィの間に割って入り斬撃を受け止めた。


「ギャン」


 ただ、先程の機獣と違いレイジィの剣戟を受けた機獣は、物理無障壁を切り裂かれていた。


「……なるほど、星剣ソレスタですか……全く厄介なものを……」


 初めてトゥエルブ・マキナが焦りの表情を見せた。

 その表情を愛子は見逃さなかった。


「どうやら、あの武器は苦手みたいね」


「……有機体にも聡いものがいるようですね……」


 トゥエルブ・マキナは愛子を忌々しく見つめた。


「いいでしょう。では更なる力をお見せしましょう!ヴェノフ、ボルニック」


「「ウヴヴォォォ」」


 機獣がトゥエルブ・マキナの声に答えるように唸り声を上げた。

 そして機獣がトゥエルブ・マキナのもとに走り寄り、光り輝いた。

 その時だった。


「ちょっと!!そこまでぇぇぇぇぇ!ストーーーーーップ!!」


 それは愛子の耳に聞き覚えのある声だった。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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