表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/216

機人国潜入 その14

バエルの街につきました。

眩い光に包まれた愛子たちが目を開けるとそこは水門ウィンドリンによく似た結晶が浮かぶ白い部屋だった。


「これは?」


「……ここが先ほど言われていた転移門ですか?」


レイジィとケイトが愛子に尋ねると周囲に冷気が漂った。


ーーーキィィィンーーー


六帝門オラクルゲート水門ウィンドリン起動します。どちらへ行かれますか?」


澄んだ声が愛子たちの脳内に響いた。


「うぉぉ?なんだコレぇ?」


「ケインさん、なんですかこれ?」


「頭の中に声が聞こえるうぅ!!?」


「ふあぁぁぁ!?」


 元第八騎士団のケインたちが驚きの表情で水門を見つめた。


「私たち総勢27名クラン’ナイチンゲール’を機人国エンドアートの近くへ」


「了承。では現、機人国エンドアートの首都、機都マキナから2kmの地点にある六帝門、土門バルドリンへの転移設定を行います。転移シークエンス開始まで30セクト。座標設定完了。転移開始します」


 愛子の目の前で水門ウィンドリン結晶が輝くと周囲を白く塗りつぶした。

 そして愛子の脳内にだけ澄んだ声が響いた。


「…行ってらっしゃい異物イレギュラー…」


「!? ちょっとあんた! 私のことわかってんじゃ……」


 愛子は周囲を白く塗りつぶす光に包まれた


「ったく!あいつやっぱり私のことわかってたんじゃないの?」


 愛子は小さな声でボヤきながら消えた。


ーーーキィィンーーー


 「ここは?」


 愛子たちが目を開けるとそこに土色の結晶が浮かんでいた。


「解、土門バルドリン起動。水門ウィンドリンより転移設定に伴う生命体27体の移動を確認。ようこそ土門バルドリンへ」


 今度は硬質な男性の声が、愛子たちの頭の中に響いた。


「うわ!これも頭に響くのかよ?それに真っ暗闇は俺苦手なんだよぉ」


「ケインさん!!ぉ…おっぱい握らないでください!!」


「おっさん!!どさくさに紛れてあたしたちに抱きつくな!!」


ーーーゴォォンーーー


 二人の神人族の少女の拳がケインの顎に炸裂し綺麗に狐の字を描くようにケインは宙に舞った。


「ゲェフ」


ーーーグシャァァアーーー


 ケインは地面と激しく衝突した。


「お…お前ら……いいぃパンチだったぜ」


 なぜかケインは嬉しそうだと愛子は思った。


「それにしてもここは、地面がほんのり光っているんだけど薄暗いわね。明るくならないのかしら?」


「解。昭明調整の嘆願を確認。視野が開ける程度の光量に調整します」


 愛子たちの地面が輝き、部屋の全体が見える程度の明るさになった。

 そして愛子たちが見たのは壁面に彫られた大勢の人が、天にある何かと戦っている様を写したレリーフだった。


「コレは……」


「解。レリーフは八千年前の戦いを写したものです」


「八千年前の戦い?」


「解、六王と神の戦いです」


 愛子はエレダンでの出来事を思い出した。

 そして言葉を言おうとしたところで土門バルドリンから尋ねられた。


「疑、あなた方はどちらに行かれますか?」


「我らは機人国エンドアートに行くのだが」


 ロイエルが答えると土門バルドリンは光輝き愛子たちの頭に直接言葉を告げた。


「解。では機人国エンドアートのバエルの街に転移いたします。そこからなら、こちらに転移することも可能です」


 そして土門が眩しく輝き周りを白く塗りつぶした。


ーーーキィィンーーー


 愛子たちの姿は、またもや光の中に消えたのだった。


いつも読んでいただいてありがとうございます。

感想、ご意見、誤字脱字があれば報告をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ