機人国潜入 その6
ほんとうにお待たせしました。
―――チャキ―――
愛子が魔剣を構えてレイジィに対峙した。
「まて、こちらにある魔剣は先日お前の所の獣人に折られたんだ、貴様だけが魔剣を使うのはフェアではないだろうが……」
レイジィが愛子に抗議した。
愛子はレイジィが持つ折れた魔剣をみた。
「’完視’(ヴィジョン)」
愛子の右目に魔法陣が描かれた。
そして愛子はレイジィの魔剣がただの魔剣ではないことに気が付いた。
「貴女のソレだけど、折れた刀身はあまり関係ないみたいよ?」
「なに?剣が折れたら使い物にならないだろうが、何を言っているんだ」
愛子の言葉にレイジィは不機嫌は表情で告げた。
「ソレの本体は手に持ってる柄の部分よ。それの本当の力を発揮するには’輝け!星剣’っていう真言が必要みたいよ」
「輝け、星剣だって? そんなのきいたことも……」
レイジィがつぶやくとレイジィの手に持つ柄が光り輝き魔法力があふれ出した。
そして折れた刀身を地面に弾き飛ばし、あふれた魔法力は光の刀身を具現化した。
―――ヒィィィィン―――
透明感のある音があたりに響いた。
そしての剣をもつレイジィが驚愕の表情で叫んだ。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!」
「ビームサーベルじゃん!?」
愛子がレイジィに突っ込んだ。
おっかなビックリにレイジィが柄を振ってみると光の刀身は消えることなかった。
「……まさか、こんな仕掛けがあるなんて……」
「貴女、それ知らなかったの?」
「しらんよ。こんなの!だってコレウチの家宝だもの、はるか昔の御先祖様が使ってた剣としか伝えられてないんだもの!!」
レイジィは愛子に思わずソレが家宝だったことを告げた。
そしてレイジィは改めて愛子に伝えた。
「まあ、経緯はとにかく、魔剣が手に入ったので! 改めて勝負だ」
「いいわ! さぁいざ勝負! ’喰らえ!アヴァリーティア’」
愛子が改めて魔剣を構えて真言を叫んだ。
すると刀身に薄い紫色の魔法力を帯びた。
「では、行くぞ! クレイ流剣技’断頭’」
縦一文字の剣戟が愛子に放たれた。
魔剣を両手に持ち、レイジィの剣戟をわずかにずらすと愛子はレイジィの星剣を薙ぎ払った。
「ではこっちの番ね! 闇連脚!」
愛子の義足の硬いからスラスターが現れ、一瞬でレイジィとの間合いを詰めると、右足で中段、下段への薙ぎ蹴りを繰り出した。
「ぐぅ!」
―――キィィン―――
「貴様の脚はなにか仕掛けでもしているのか!なぜ剣で受けたのに切れないんだ、それにこの馬鹿力はなんなんだ!」
レイジィが愛子の蹴りを星剣で受け驚愕した。
「これは、エクス・マキナからのプレゼントよ。 はぁ!!」
愛子の義足からスラスターが展開され、愛子は宙に浮いた。
そしてその場から跳躍し上空からレイジィに向けて踵落としを放った。
「なんの、クレイ流剣技’流’」
レイジィが愛子の踵落としを星剣で流した。
そしてその勢いを生かして剣を回転させ不敵な笑みを浮かべたレイジィは奥義を放った。
「クレイ流奥義’円剣’」
レイジィが星剣を円状に切りつけた。すると円の軌跡で放たれた斬撃が空を駆けて愛子に斬りかかった。
「くっ!」
―――キィィン―――
愛子の魔剣とレイジィの放った空中を駆ける斬撃が重なり放たれた斬撃を斬り飛ばした。
「……やるな」
「……貴女もね」
地面に降りた愛子と、レイジィがお互いに視線を逸らさずに見つめた。
そして少しの時間がたち、レイジィが愛子に告げた。
「私の負けだ。 私達、第八騎士団は貴女に全員従うことをココに誓おう」
「……へっ?いやちょっと!コレ私と貴女の勝負よね?なんで騎士団がそこで出てくるの?」
「ん? なぜって私たちは国に帰られないし、それなら騎士として主君仕える方が良いとおもっただけだ」
「……・ちょっとまって……とりあえず返答は一度二コラに相談してからでいい?」
「別にすぐでなくても構わない。貴女が勝者なのだから好きにすればよい」
「OK……明日までに返答するわ……」
愛子は魔道具を使い二コラに相談する事をレイジィと決めてから広場をルルカッタ達と一緒に出て行った。
アインスはレイジィ達を館に連れていき改めて魔封じの腕輪を付けた。
レイジィ達は館で愛子の返事を待つことにした。
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