表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/216

機人国潜入 その5

―――カチャ―――


 愛子たちがイゼルの街ですごす宿をアインスから紹介された。

 それはイゼルの街で広い区画にあった為、今回の神人族襲撃でも壊れることなく残されていた。


「風情がある館ね」


 その館は、まるで和風建築のようだった。

 なんでも東国にある建物を模して造られたとアインスから説明を受けた愛子たちは館に入った。


「いらっしゃいませ。 お客様。 アインス様から承っております。アイコ様とお付きのかたですね」


 浴衣のような服をきた魔人族の女性によるお出迎えを受けた愛子たちは案内されるまま奥の座敷に案内された。途中に見える景色はどう見ても温泉旅館のそれに愛子からは見えた。


「この20号室と21号室が皆様のお部屋になります。ではごゆっくり」


 そう告げた魔人族の女性はそそくさと奥の部屋に行ってしまった。


「まるで温泉旅館みたい!!」


「アイコ様、温泉旅館ってなんですか?」


「ここは、まるで龍人国の屋敷みたいやわ」


「ここを解放した時にはきがつかなかったなぁ。なぁロイエル」


「そうだな…あの時は闇夜だったし水門ウィンドリンの屋敷が目的であったからなぁ」


「ロイエル様、私もご一緒してもいいんですかぁ?」


 ひとり聞きなれない声が聞こえた。

 それは一人の獣人の少女。


「っ!?」


「アンジュルムだったか? なぜここに?」


「なぜって私、ロイエル様を見つけてからずっと一緒にいましたよ?」


 アンジュルムは探索師の技能をフルに発揮してロイエル達にくっついていた。

 まるで認識阻害でもしているかのように自然と愛子たちにくっついていた。

 神人族達がいた館にも付いていたのだがそれはロイエルには伝えずにいた。


「まぁいいかな。ここってアインスさんのおごりだし。止まっちゃいなよ」


「はい!お世話になりますぅ。ねぇロイエル様ぁ」


 アンジュルムは飛び切りの笑顔で愛子たちに伝えた。

 そして皆が寝静まった闇夜に一つ動く影があった。


―――キィィィ―――


「レイジィ様。起きてください」


「う~ん。も食べられない!」


「また、べたな寝言を……第三騎士団インビジブルサードのウィズ様からの伝言ですぅ」


「はっ! 誰だお前は?」


「もう、起きたと思ったらそれですか……私は第三騎士団インビジブルサードのアンジュルムですぅ。第三騎士団インビジブルサードのウィズ・フィ・エダラ様からの伝言です。『帰ってくるな』だそうです」


「……『帰ってくるな』だと……」


「はい。ウィズ様は皆さんが生きていることを知っていますよ。その上で伝えているんです……今、神人国に戻るのは危ないと!」


 アンジュルムはレイジィに告げてこっそりと何かを渡した。


「ウィズ様は現在、クラン’仮面舞踏会’として機人国エンドアートに向かっています。」


「そうか……ご苦労だったな。ついでにここに来た理由はそれを伝える為だけか?」


 レイジィはアンジュルムに尋ねた。アンジュルムは少し朱色に染まった頬で答えた。


「だけでないですよ。恋も全力なんですぅ。では!!」


―――シュン!!―――


 アンジュルムはレイジィに告げると部屋から音も立てずに消えた。

 まるで初めから何もなかったかのように消えたのだった。


「『かえってくるな』か……ウィズは何を知ったというのだ……」


 レイジィは呟くと天井を見上げて考えた。

 脳裏に浮かぶのはある老人達の姿だった。


―――チュンチュン―――


 「朝霞か……」


 レイジィじゃ結局一睡眠も出来ずにこの日を迎えた。

 そう…・・・決闘の日にちを


「覚悟はいいかしら!? さぁ決闘をはじめましょう?」


 愛子は広場で魔剣を身構えた。

 愛子の剣が薄う輝きを放った。


いつも読んでくださりありがとうござます

感想、ご意見、誤字脱字があれば報告お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ