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機人国潜入 その3

アイコ戦います

 ケイトがレイジィの肩に手を当てて慰めた。

 レイジィの瞳から大粒の涙がポロポロと落ちた。


「……我らは、今回、ヴィスタ帝国への襲撃に失敗した。その上でウィルヘイムに戻ったとなれば我らに待つのは襲撃失敗の責任だけだ」


 レイジィが涙声で愛子に告げた。


「私だって帰られるなら帰りたい。それだけではない。部下を親元に返したいとも思っている……しかし我らは軍属だ……任務に失敗の責任を無視することはできないのだよ」


 愛子はレイジィに尋ねた。


「つまり責任を押し付けられて、貴女達は処刑されるということ?」


「……そういう事だ」


 手を握りしめレイジィは愛子に告げた。


「私たちは戦場で行き、戦場で死ぬ以外は勝利をもって凱旋する以外に祖国に戻るすべはないのだ……」


 レイジィがいまの部隊の状況と置かれている立場を告げるとその部屋にいる神人族の女性達は顔を地面に向けて泣いた。


 それを見ていたロイエルがレイジィに向けて尋ねた。


「レイジィとかいったな。貴方は生きたいのだな?」


「当然だろう!なにも死にたいものが軍に所属するのではない。私や副長ケイトは家の影響の為だから仕方いことだ。しかしここにいる私の部下の魔法師たちは、ソウルスキル以外の魔法がつかえるからという理由で軍属にさせられたものたちばかりだ……神聖教議会にな」


「そうか……なら貴方達は一度死ぬがいい」


「なっ!貴様は我らを処刑するというのか!?」


 レイジィが真っ赤な顔でロイエルに告げた。

 ロイエルは首を振り答えた。


「そういう事ではない……第八騎士団アレースとしてはということだ」


「……どういう事だ?」


「戦死したとなれば、貴方達を処刑することなどできまい?」


「そうね。それに神人国ウィルヘイムでなくても生活はできるでしょうしね」


 愛子とロイエルの提案にレイジィは悩んだ後にたずねた。


「わかった。我らが壊滅したということを神人国に伝えれば、追手もかからないということか」


「そういう事」


 レイジィは愛子の瞳を見つめて答えた。


「わかった。私の部下たちが助かるなら、それでいい……ただし」


「ただし?」


「私は私の生き方をきめるのは、自分自身だと考えている。隊の者達が助かるのは良い事だ。しかし、その私の生き方、処刑を回避させたいというならば決闘で決めようではないか」


「この獣人たちのボスはだれ?_」


 レイジィは愛子を見つめて尋ねた。


「一応、私がこの人たちのまとめ役です」


 愛子はレイジィに答えた。


「そうか、ならば決闘を貴女に申し込む!」


いつも読んでくださりありがとうござます。

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