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ダンジョン攻略 その2

中身を修正しまづ。


『グラマナスサイコのダンジョン』


 茶色に変色した封筒は、幾年月を得た物かルルカッタにはわからなかった。

 古代文字で書かれていたのは、ダンジョンの名前だった。

 そして一緒に入っていたのは、鈍い光を放つ鍵だった。


「それは鍵ですか?」


「そうみたいね。さっきの紙と一緒に入っていたわ。どこの鍵なんだろね?」


 ルルカッタはその鍵を持ち、先ほど倒したラマンをみた。

 この部屋のボスを倒すと宝箱が現れた。


「アイコ様、きっとあいつがこの部屋のガーディアンだったんですよ」


「ガーディアン?」

 

「はい。ガーディアンは別名ダンジョンの守護者と言われています。おそらくこの部屋を護っていたんだとおもいます」


 そう告げて、ルルカッタは手紙を読んでみた。

 手紙には、こう書かれていた。


『ようこそ、グラマナスサイコのダンジョンへ。このダンジョンは部屋を奥に進むごとに魔物が強くなっていきます。すべての部屋を走破クリアーしたら”特別な贈りギフト”があります。ふるってご参加ください。追伸、一度ダンジョンに入れば途中で逃げ出すことはできません。いいですか、大事だからもう一度いいますよ。一度ダンジョンに入れば途中で逃げ出すことはできません。あっわかった?これを読んでいる段階でダンジョンからはにげられませんのであしからずw 』


 ルルカッタは声にだして読んで、腹が立った。


―――こんな文章書く奴は愉快犯です!!―――


 ルルカッタは腹が立つ気持ちを抑えて、さらに声に出して読んだ。



『さてダンジョンのことがわかってくれましたね?賛同いただけたみたいなので、すこし”贈りギフト”を残しますよ。この後で必要だから大事にしてくださいね? 』


読み終わると宝箱にゴトっという音が響いた。

宝箱の中には二つ同じものが入っていた。


「なにかしらこれ?」


薬瓶を愛子が’完視ヴィジョン’でみると、’魔法力回復薬エーテル’ということが分かった。


「えっ!年代不明!?大丈夫なのこれ?」

「少し飲むのは、躊躇しますね……」


ルルカッタは本心を述べた。

とはいえ魔法力マナの回復は必須なので、しかたなく二人はウエストポーチの左側にいれた。


「まぁここに居てもしかたないから先に進もう!進めば何かあるでしょ」


そして意を決して二人は、奥にある階段を下りていった。


―――カツンカツン―――


「結構長い階段ね。あっ扉があるわ」


階段を下りた先には鉄で出来た扉があった。

扉の周囲には古代文字による装飾がなされていた。


「文字が書いてますね。えっと…’失望と欺瞞の刻にて汝等の絆を得ん’だそうです」


「どういうこと?」


「さぁ、僕にもわかりません。どういう意味なんでしょうか‥…あっ鍵穴がありましたよ」


「ほんとうに鍵穴ね。コレ入れてみようか?」


そういうと愛子は手に入れた鍵を差し込んだ。


―――カチャ―――


鍵は扉の差込に刺した直後スウゥっと扉に吸い込まれる消えた。


―――ゴゴゴゴ―――


鍵が消えると、扉が下から上に向かって開いた。

すると目の前の扉からあふれた眩しい光が二人を直撃した。


「うぉっ!まっまぶしいわ。ルル君大丈夫?」

「アイコ様、まぶしさで目がくらくらします…」


二人は眼を思わず閉じた。


そして愛子とルルカッタに扉の奥から出てきた風が二人の頬をなでる。


「あれ?風が吹いているみたいね。」


目を開けるとそこは地下のダンジョンとは思えない光景が広がっていた。


「わぁ!きれいね。まるで田舎の景色みたいだわ」


そう愛子が言うとルルカッタも思った。


「そうですね。なにか懐かしい感じがあります」


二人の目の前にはひらけた平原があり、その奥にはさらに広さがわからないくらい広大な草原が広がっていた。


「それにしても、なんで地下にこんな草原や明るい場所があるんだろう」


天井には空が見え光が地上と同じようにさしていた。


「そうですね。まるで本当に外みたいな景色ですね」


まるで地上のようで、ここが地下のダンジョンというのを忘れそうな光景である。

ただ扉の前にある石碑がそこがダンジョンであるということを忘れないように立っていた。


「第2の間:草原」


そう古代文字で書かれていた。

二人は手を握り一緒に草原に足を踏み出した。


―――ドオォォン―――


「うわ!あぶないなぁ」


 愛子はつぶやいた。

 部屋に入った直後、頭の上の扉が下に降りてきた。


「かなり重たい扉みたいですね」


 急いで飛び込んだ二人は扉を見た。

 危うく二人は圧死しそうだったのだ。


「ほんとうに草原が広がっているのね。ここが地下なんて信じられないわね」


「そうですね。こんなの初めて見ました」


 二人は立ち上がると、草原に向かって歩みを進めた。

 そして歩き始めると草原から物音がきこえてきた。


―――ガサガサガサッ―――



「何かいるわ!ルル君気を付けて!」


 愛子がルルカッタを庇うように前に出た。

 すると腰まである草が左右に分かれた、そして音の主が現れた。


「シャアァァァァ」


 両手に鎌を持ち、首を回してクリックリッと音のするその姿。


「カマキリィィl!?」


「アイコ様違いますよ。あれは鎌虫マンテスです。獰猛で他の魔物も食べてしまう残忍なやつです」


 逆三角形の頭をもち、体長は1メートルくらいありそうなその姿はまぎれもなく蟷螂であった。


―――ギチギチギチッ―――


不快な音が聞こえてきた。

相手はこちらを見ている、その顔は捕食者のそれである。


「「イヤァアアアア!!!」」


愛子は叫んだ。全力で叫んだ!! そしてルルカッタを見た。

ルルカッタも全力で叫んだ! 目には涙である。


「’絶躰ゼアペス’ルル君つかまって!」


愛子の背中に魔法陣があらわれ、薄紫の魔力が全身に張り巡らせられた。

そしてルルカッタの手を掴むと全力で飛びのいた。


「アイコ様、天井にぶつかりますぅーー!」


 急に飛びあがったものだから天井にぶつかりそうになった。


「ルル君、抱きしめるよ!」


 愛子はルルカッタを抱きしめると、くるっと向きを変え天井に着地した。


「あぶなぁ!でもこれで離れられる!!」


そして全力で飛んだ。その距離は優に100メートルは超えただろうか。


「これで、離れられたはず……」


地面に着地すると後ろを振りかえった。

大きな目で走ってくる蟷螂がそこにいた。


「いやぁぁぁ!」


愛子は右手にロングウイップを握ると全力で振り上げ、振り下ろした。

そのスピードはスピードのあまり衝撃波を生み出した。


―――ブウゥゥン!―――


金髪のガタイの良いおじさんが両手で交差して出すやつそっくりな衝撃波が生まれた。

思わず天井にすごい笑顔でサムズアップしている金髪たてがみのおじさんが、浮かんだ気がしたが無視した。


「ギギギィィ」


大きな蟷螂はその衝撃は両手の鎌をクロスして防いだ。

そして鎌を振り上げると、その衝撃波の後に来たウィップの実体に頭から一直線に断ち切られた。


―――ブチィィン―――


真っ二つになった蟷螂はぴくぴくしながら息絶えた。

その目はまるで信じられないという感じの思いを映し出しているようであった。


「急いで魔法石を回収しましょう!よみがえられると嫌だし!!」


愛子は急いでショートナイフを使用し、両断された結晶石を取り出した。


「アイコ様!ここにいたらアブナイです。とりあえず奥に進みましょう」


二人は、ふたたび歩き始めた。

草原をさらに200メートルほど歩くと縦横6メートルの坑道が広がっていた。

上の断層と違うのは通路が光り輝いている点である。


「道があったわ。ここは少し前と違うわね。道が光ってる」


「おそらく、光源石が使われているんだと思います。光源石は光を自ら放つ石です。暗い廊下などに使われていることが多いですよ」


二人はそのまま歩いて進んだ。

途中で上の階にいたグーラも出てきたが、この断層では少数であった。


「また鎌虫が来たわ。一撃で葬ってやるわ」」


愛子は鞭を全力でふるった。


―――ヒューーン―――ザシュ!―――


鎌虫が両断された。


「あれ、あそこ!道が分かれているね。どっちに行こうか?」


そしてしばらく進むと道が二つに分かれていた。一つからは風が吹いていた。生暖かい風である。

もう一つは風もなく明かりが灯るだけだった


「どうしようね、セオリー通りなら、明るい場所に行くべきだろうけど……」


風が来るところはもしかしたらさっきの草原に出るのかもしれない。


「アイコ様、風のこない方が次の階に進めるのではないでしょうか」


ルルカッタはそう告げた。

そして歩き続けると突き当りに、白い部屋が見えた。


「なにか、ここだけさっきの通路とは違うわね」


そして、二人はその部屋に入った。

部屋の周りには白い壁に赤い文字が多く書かれていた。

そして文字を読んだルルカッタは叫んだ。


「アイコ様、この部屋は罠です!!」


その文字は古代文字であり、こう書かれていた。


―――パーティーを組んでいる方はご注意を。では!―――


ルルカッタがその文字読むと、二人の足元に赤い魔法陣が現れた。


「ルル君!」

「アイコ様!!」


魔法陣からは赤い光が迸り、つないでいた二人の手を強制的に離れた。


そして二人を覆うような赤い魔力の壁が出現した。


―――ドンドン!―――


二人は互いに魔法壁を叩いた。

そして二人はその場から消えていた。


その場には赤い魔力の残滓が残るのみだった。

いつも読んでくださりありがとうございます。

感想、ご意見、誤字脱字があれば報告お待ちしております。


これから試練が続きます。

なるべく早い更新を目指します。

次は木曜日の20時ころを目指します。

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