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パラドクス   作者: ワクテカ
第1章 始まり
3/5

不可思議な夢

神様を名乗る男性は、ゆっくりと優しく語りかけてきた。「君達は、何時もあれが欲しいとか、恋人が欲しいとか、いつも不満ばかりだね?」「はー、」なんか先生に叱られている気分になってきた。「君の幸せは、何かを手に入れれないと駄目なの?」こちらをじっと見つめながら、神様を名乗る男性は尋ねてきた。「いやー、そういう訳では無いんですが、、」とてもバツが悪い気持ちになり、なんて言っていいのかさえ、解らなくなってきた。だって、神様を名乗る男性って、やっぱり可笑しい、あきらかに不自然だ、頭の中がグラグラしてきた。「おやすみー、またね」

「ん!」ピロピロピロ、ピロピロピロ、目覚まし時計の音が鳴り、目が覚めた。今は丁度、朝5時だ、周りを見ると、いつも通りの自分の部屋だった。


夢か、そう思い、「ふぁー」っと、大きなアクビをして目をこすった。ベッドから降りて、朝食の準備に向かった。


トースターにパンをセットしてスタートボタンを押し、ケトルに水を入れて、ボタンをポチッと押す


頭がボサボサな事に気付き、シャワーを浴びる事にした


シャンプーを頭にかけて、頭を洗いながら、夢の一部を振り返る、


「君の幸せは、何かを手に入れれないと駄目なの?」


あたり前じゃねーか、みんなそうだろーが、全く意味解らねーよ


シャワーで髪を流しながら、色々考えている


てか、幸せって、そういう事じゃねーか?


「ふー、さっぱりしたぜ」


トースターのタイマーはとっくに止まり、ケトルのお湯も湧いた状態だ


バスタオルで身体を拭き、頭にバスタオルを巻きつけて、キッチンに行く


パンにジャムを付けて、カップにインスタントコーヒーを入れてお湯を注ぐ


もう6時になろうとしていた、


「もう、そろそろ行くかな!」


作業着に着替えを済ませて、駐車場に向かう、愛車は、ローンで買ったばかりの軽自動車だ。


車に乗り、勤務先に向かう


いつも通りの道を走り、大体、20分くらいで着く距離にある


確か、夢の中では車の中で、神様が現れるんだったな、ふと思い出した


願い事したら、現れる?そんな事、あるわけないよな?


「神様、どうか願いを聴いて下さい」


シーンとした車内、何を期待してるんだろー、やはり現れる訳ないよな、神様なんて、いるわけない、バカみたいだな、笑える、


「ふー、」さて、仕事に行きますか、


会社の駐車場に車を停めて、ロッカー室に向かった


「おはよーございます」


「おはよーっす」


早くから、職場のみんな集まっている


早番は本当に眠い、さて、今日も面倒な事が起きない事を祈ろう、


会社での俺の立ち位置は、ペーペーの少し上と言った所か、入社して10年は経っているから、こんなもんだろ


特に能力があるわけでもなく、特にやる気があるわけでもない、この仕事に魅力があるわけでもない、


毎回、思うな、こんな風に、


なんで、ここに居続けるんだろう?


何時から疑問を持ち出した? 人生について?


学生時代とか、特に気にしなかったな、人生という事について、、


ビーーー、、休憩時間のブザーだ


ようやく昼休憩になった、やっと飯だ、腹減ったな、皆と一緒に食堂に向かう


食券を買い、何時ものうどんを受け取る


とりあえず、安く済ませる事にしている、ローンや家賃を考えると、食費は制限しとかないと、余裕がない、正直、給料が、もっと多く欲しい、


交代勤務には慣れては居るが、やはり不規則な生活はしんどい、休みも中々取れないのが現実だ


色々考えてる間に休憩時間が終わりを迎える


さて残りラストまで、頑張りますかね、


「オイ!山田!」

係長からの呼びかけに、ビックリした。


「なんでしょうか佐々木係長」


不機嫌そうに、睨みを利かせ係長が詰め寄る、「山田、来週からの専務来社のことは、知ってるよな?」


「ハイ、知ってますよ」相変わらず、威圧的だ、正直、俺の嫌いな奴の1人だ。


係長は話しを続けた、「知ってるなら、自分の班のメンバーにも伝えておけ、お前らの掃除箇所が一番汚れてる」


「ハイ、解りました」また、始まった、これもお決まりの、やりとりだ、何かと言ってくる、特に俺の班には厳しい


「残業してやっておけよ、ボイラー室は汚れが酷い、来社に間に合う様に、分かったな!」そう言って、係長は現場から出て行った


「山田さん、またですか係長の嫌がらせ!」


同僚からの一言に、「あー、まただ」ボイラー室は、他の班の掃除箇所であり、我が班は掃除箇所はほぼ終わっている


ボイラー室は、うちらじゃねーよ


やりきれない思い、嫌になる、反抗出来ない自分が嫌になる、全然楽しくない


一時間の残業をして帰る事にした、


着替えを済ませて、車に乗り込む、窓ガラスを下げ、風を感じると涼しくて気持ちいい感じがした


「やっぱり、仕事終わりが一番幸せだな」


鼻歌混じりに気分よくしてると、ゾクゾクと悪寒がした、もしかして、ルームミラーを見る、特に何も映ってない


気のせいかな?


一旦、窓に視線を向けて再び前を向くと、そこには夢の中で見た、あの男性が、


「えっ?」


「幸せ感じてるじゃん」神様を名乗る男性は静かに話してきた


「あのー、確か神様ですよね?」これは夢の中かな? 不思議な感じがしたが、とりあえず聞いてみた


「あー、そうだよ」男性は答えた

二度目だからか、不思議と冷静に対応出来たが、何故居るのか不思議だった、呼んでもいないし、何故ここに居るのかな?


「今日は、どう言った御用でしょうか?」


自分でもなんて言っていいのか解らず聞いてみた


「あはははは」男性は笑いだした


「あはははは、ごめん、ごめん、どう言った御用って」

男性はケタケタ笑い続けている


「これって、やっぱり夢の中だよな」


「どちらでも、よくない、夢の中でも現実でも」男性は静かに喋りだした


「君は、今幸せを感じてたよね?」


「はー、そうですね、仕事終わりは、とても幸せに感じます」素直に答えた


「前に言ってたよね、幸せにして下さいって?」


「ハイ、言いました」


「僕、思うんだけど、君は十分に幸せだと思うんだよね」


男性の言葉に違和感を感じる、十分に幸せって、とこがだよ?


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