4/30の朝
今回の回も作者の技量、技術不足のせいで多少酷いところは御座いますがご了承の上で見ていただきたいなと思います。
「おはよっ、柚子木! 」
俺は背後から声をかけられる。
「ん? ああ、北瀬か」
「えっ、俺の扱い酷くない? 白浜っちとは大違いなことに異議を唱える! 」
「お前は男だろ。つーか朝からうるさいわ。少し黙らんかい」
この男の名前は北瀬守。俺が今いる数少ない友達の一人である。色々とわかる奴で話相手にもなってくれる奴だが、何か事あるごとに首を突っ込む野次馬くんである。
「柚子木はさ、なんか、そう、あれよ。怖いわけよ。普通にしててもガン飛ばしてるように思えるから。この前だってさ渋谷に行った時に、めっちゃ怖いひとに絡まれたじゃん。そういう人にガンを飛ばすの趣味なの? ただでさえ顔怖いのに? 」
「なわけねーだろ。はっ倒すぞ。ああん? 」
「うわっ、それが怖いのよ」
「えっ? そうなのか?普通だと思うが」
「しかも自覚症状無しっていうね」
いや、自覚症状はもちろんある。だが認めたくはない。これでも優しくしている方である。俺は小さい頃からずっとみんなに、顔が怖いだの、いかついだの言われていた。そしてそれは俺を長年悩ましている。いわゆるコンプレックスである。さらには中学の頃は少し荒れていた為に、怖さに磨きがかかってしまった。つまり俺は最強恐怖兵器なのである。
「あっ、そういえば今日から部活入れるらしいよ。俺らの学校は変な部活が多いからね。オカルト部に、クイズ部、料理研究部や遊部とか」
「遊部はないだろ」
「うん、今作った」
「おいっ! 」
そう言って俺は北瀬の頭をペチッと叩く。
「でも部活か、考えてもいなかったな」
「俺はサッカー部だな。でも柚子木なら運動部系でも良くね。ただでさえ運動神経いいし、背高いし、女の子にモテモテだよ」
「なにっ、モテモテだとっ!それはそれは」
「ははーんお前白浜っち狙っているでしょ」
そう言って北瀬は俺に対して指を指す。まぁあながち間違ってはいないが。
「いっ、いや、俺は別にあいつはただの友達でそっ、そうだよな、う、うん」
しかし恥ずかしいので誤魔化す俺。
「おっ、怪しいですなぁ〜。まぁクラスの大半の男子は白浜っち狙ってるんじゃない? あんな可愛い子狙わない人はいないよ」
な、なんだと。これは一大事である。敵が多い。戦意喪失である。
「お前だったら、バスケ部に野球にテニスとかいいんじゃない? 」
北瀬は俺に色々とアドバイスをくれる……がしかし、彼のアドバイスには偏りがある。彼は漫画的知識しかないのである。まぁ漫画も小説も読まない俺よりかは良い方ではあるが彼のアドバイスは本気で考えてはいけない。
いつものように話していると学校に着く。いけない!この頃北瀬と話しながらな登校するのが毎日の日課となってしまった。このままでは学園生活の定番のホモ友疑惑が流れてしまう。まぁ逃げようにも彼のしつこさからは逃げられないことは皆、承知である。
彼、北瀬は、クラスを賑やかにしてくれるムードメーカーである。さらに、彼は好きな子に振られても何回も何回も告白し続けるというメンタルも持ち合わせている。そう、それは悪くいえば「しつこい」と。彼は入学してからこの一ヶ月に5人もの人に告白している。しかもまだ諦めていない。ある意味超人である。
そんなことを考えながら上履きを履き替えて俺は階段を登り教室に着く。教室に着くと一番に俺の目に飛び込んでくるのは白浜の本を読んでいる後ろ姿。それを見れるだけで生きていて良かったと思える。そして、俺は出席番号順である席に座る。俺が席に座っていると白浜は俺の所に来てこう言った。
「柚子木くん! 今日から部活はいることできるらしいです」
ああ、白浜よ。朝から俺はそれを何回聞いたことか。出来ればお前からもこの北瀬に口うるさく”しつこい”と言ってやってはくれないだろうか。この清純さがたまにキズなんですよ。
「ねぇ、柚子木くん聞いてますか? 」
「聞いてますとも」
俺がだるそうに答えると顔をプクッと膨らせて怒った仕草をしてきた。……反則だろ。可愛すぎて鼻血でそう。そう思いながら鼻血を我慢して鼻を押さえている俺を横に白浜と北瀬は話をドンドン進めて行く。この二人の異色コンビは非常に厄介であり、相手をする気は一切ない。
しかし、部活か……。考えてもいない為白浜にやろうとも言われないと正直言ってやる気も起きないだろう。
「柚子木くんも部活やらないのですか」
白浜はそう言って俺の方をずっと見つめる。くそっ、そんなに見つめるなっ。部活やりたくなるだろっ。
邪な事を考えていると北瀬がこんなことを言い出す。
「白浜さん。こいつが部活やるなんて考えられないよ。まず長続きしないよ」
「なっ、長続きしないだと? 俺だってやれば出来る……多分」
言ってしまった。出来そうもない事を言ってしまった。
「柚子木くん、部活やるんですか? 」
しかも面倒くさい様に絡んできた。一番痛い所ついてきた。
「まだ決まってないかな。あはははっ」
「柚子木くん決まってなら、私入りたい所があるんです! 3人で入りませんか? 」
3人で⁉︎ でも確か……
「あー白浜さん。俺サッカー部って決まってるんだよね。入るなら二人ではいってよ」
北瀬はそう言うと俺の方を向いてグーサインをした。でかしたぞ! 北瀬!
「そうですか。しょうがないですね。じゃあ柚子木くん。二人で行きませんか? 」
この時の俺はまだ知らない。こいつが入りたい部活が俺の思い描いた高校生活を劇的に変化させることになるとは。
えー今回の人物紹介何ですけど、前話に浦部先生が出て来てくれたんですけど今回は北瀬くんを紹介したいと思います。多分今後浦部先生は紹介すると思います。
後誕生日大変なんで多分今後話には余り入れません。ご了承ください。
北瀬 守 高一
きたせ まもる
身体/ 身長166センチと小柄 体重56キロ
意外と変なところで天才くんが出る。
身体能力は意外と良いが滅多に見せない。
イリオモテヤマネコよりも多分見れる機会は少ないらしい。
性格/しつこい とにかくしつこい 非常にしつこい でも空気はちゃんと読める人
好きな物/高価な物。女性の胸。絶対領域。
過去/元サッカー超強豪校キャプテンであり、将来も有望された超凄腕であった。が、1年前の彼の中学最後の全国大会で彼のミスにより予選落ち。そこからめっちゃグレ始める。その後高校受験をめっちゃ頑張ってそこそこ良いこの高校に入る。しかし、サッカー部に入るからといってやる気があるからではなく、親からの強制で入らされている。