この人は苦手だ
はい!Gヘッドです!
今回は、まぁ、はい。特にありませんね
、
「えっ?一人辞めちゃったの?」
「……はい」
「確か、辞めちゃった人は……轟さんでしたっけ?」
多田森はコクッと頷く。
轟空。学年チャラ男トップ5に入るほどの男。多分、そこらへんだと北瀬をゆうゆうと超える。
「あれ?でも、彼と今までバスケやってきたんでしょ?なんで今さら辞めちゃったの」
「それが……」
多田森は淡々と語った。彼は今にも泣き出しそうだった。前までずっと一緒にバスケをやっていたのだ。だから、裏切られた時の苦しみは大きい。
多田森はこんな事があったと言った。いつものように今日、轟と話そうとした。すると、彼からこう言われたそうだ。
「あ、俺もうバスケやんないから」
「えっ?」
「いや、だってお前とバスケやってても面白くない」
と言われたそうで。
まぁ、確かにそんな事言われたら傷つくよ。うん。誰でも。
「まぁ、とにかく事情はわかった。後はこの柚子木君というGHBの優秀な部員が担当するから」
「えっ?いやいや、部長。俺やんないって……」
「ダメだよ。そしたら物語進まないだろ?」
おい!そこで言っちゃいけない事言うなよ‼︎作者の腕があまりにも悪いからってここまではないだろ!
すると白浜が俺にこう言った。
「柚子木くん頑張ってくださいっ‼︎」
そしてラストに笑顔を付け足す。その笑顔の可愛さに思わず条件反射。
「はい!」
……くそぉぉぉっ‼︎そんな風に可愛く言われたら断れねぇだろぉぉぉぉ‼︎白浜がぁ、可愛すぎるのがぁ、たまに傷ぅ!
という事で俺は多田森が文化祭の日に手伝って欲しいという事を受け持つ事にした。……が、しかし、三人かぁ。まぁ、二人は受けてくれるとして一名はなぁ、むずいだろ。
俺はこの件のお願いをするためにある人の所へと向かった。そして扉の前まで来た俺はすうっと深呼吸をする。扉の所にはこう書いてある。
『生徒会室』
嫌だなぁ。ここに入るの。
「失礼します」
俺は部屋の中へと入った。そこにはいつものように気持ちの悪い植物が飾ってあった。
「あっ、柚子ちゃんじゃん。どうしたの?」
清戸は俺を見ると席から立って俺の頭をぐしゃぐしゃとした。
「あの、やめてくれませんか?俺は子供じゃないんですけど」
「ん?ああ、ごめんね?で、どんな用なの?用もなしに来るような人じゃないからね。柚子ちゃんは」
ご明察で。よくわかりましたね。これだからこの人と話すのは嫌なんだ。俺の喋りたくない事や悩みをズバズバと当てられてゆく。
すると俺はある事に気がついた。
「あれ?他の人たちは?どこなんすか?」
「ああ、もうすぐ文化祭近いからね。だからみんな忙しいんだ。俺は丁度暇だっただけ」
「へぇ、大変なんですね」
「いやいや、君ほどじゃないよ。ね?どうせ依頼の件でしょ?話はそらさないでねぇ〜」
あれれ?それもばれた?なんか段々とこの人のペースに乗せられているような気がする。
……だから、この人はやりにくい相手なんだ。