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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:十人十色編
93/322

チーム・ドキドキパフェMIX

「わぁー、すごいですねぇ!!」

「本当……相変わらずレベル高いな」

とある土曜の午後。

スズメとツバサはステラソフィア校舎1号館1階にある多目的ホールへと来ていた。

そこには、丁寧に盛り付けがされた様々な手作りお菓子。

「これ全部食べていいんですか!!??」

「どうぞどうぞ~」

スズメの言葉にそう返したのはチーム・ドキドキ マンゴープリン4年グラノーラ・トロピカ。

今日、ここではドキドキパフェMIX会――通称ドキパフェ会というステラソフィア製菓部主催のイベントが催されていた。

ステラソフィア製菓部とは言うものの、その所属メンバーがチーム・ドキドキ マンゴープリンとチーム・パフェコムラードの計8人から構成されているため、両チームの名前を取ってドキパフェ会という名前になっている。

「わぁー、何ですかこの黄色いの!」

「それはマンゴープリンですよ。わたしが作ったんです」

「トロピカはマンゴープリン好きだからなぁー」

「ですからチーム名もドキドキ マンゴープリン、と名づけたのですし」

「美味しいですねぇマンゴープリン! 良いなぁ……私もこういうお菓子を作れるようになりたいですよぉ」

口に入れたマンゴープリンの濃厚さに目を輝かせながらそんなことを言うスズメ。

「本当!? それなら定期的にお菓子作り会もしてるから良かったらサエズリちゃんも参加してくれると嬉しいです」

「お菓子作り会! つまり、勉強会――みたいな?」

「まぁ、そうですね。お料理教室ですよ。次は来週の日曜にやりますので」

「ぜひ行きます! ね、ツバサ先輩!」

「ってアタシも!?」

「お菓子を作って、いつもご飯を作ってくれるチャイカ先輩に食べてもらいましょう!」

「ほう、確かにそれは良い案だなー。チャイカには世話になりっぱなしだし――でも、アタシはそういうの苦手だしなぁ……」

少し苦い表情を浮かべるツバサ。

それを見てトロピカが微笑みを浮かべながら言った。

「ツバサちゃんは1年生の時に参加したことあったけど――酷かったですよねー」

「そうなんですか!?」

「ケーキ爆発させちゃったし、もうお菓子なんて作らねぇ!」

「爆発って……お菓子作りってそんなに危険なモノなんですか……」

「まぁ、ある人物が“お菓子作りは化学の実験と同じ”って言ってたしな!」

「何それ怖い」

「その言い方はいろいろ誤解も生じそうなんですが……」

そんな話をしながらお菓子を食べるスズメ達。

一方で、このドキパフェ会の会場にはイザナとサリナの姿もあった。

「サリナ――」

「あれ、ヒラサカさんってこういうところ来るんだ」

「まぁね――スズメとかも好きそうだし」

「確かにねー。スズメちゃん来てないの?」

「居るわよ」

そう言いながらイザナが指差した先には、ツバサ、トロピカと楽しそうに談笑するスズメの姿。

「本当だ。スズメちゃんいるのにあたしの方に来るなんて――――もしかして熱でも……」

「アンタ、私をなんだと思ってんのよ」

「んー、一種の変態?」

「ああっ!?」

「冗談よ。で――何か話でもあるの?」

「無いと来ないわよ」

イザナの言葉に、サリナは「そりゃそうだ」と思う。

最近はスズメを見つけたらカープミサイルのような追尾性能で突進していくイザナが何の用もないのにスズメよりも優先するはずがないからだ。

「で、話って?」

「サリナ、アナタ――――――――スズメに興味無い?」

「――――――――は?」

興味無い? とは一体どういう質問なのか――考えようとするものの何かがその思考の邪魔をする。

「スズメのありとあらゆりことに興味無いの!? あんなに強くて可愛くて凛々しいスズメに!」

「ヒラサカさんそんなキャラだっけ……そんなキャラだったわね――最近は」

「私のことは良いのよ! 今はスズメの話をしてるの!!」

「ま、まぁ、あの強さの秘密とか興味無いって言ったら嘘になるけど…………話ってソレ?」

「それならサリナ…………サエズリ・スズメ研究会に入る気はない!!??」

「――――――――は?」

「サエズリ・スズメ研究会に」

「分かったから何なのよソレ!!??」

「文字通りスズメのあらゆることを研究する会に決まってんじゃないマルクト語わかるでしょアナタ!!」

「なんで怒られたの!?」

いつもにもましてテンションの高いイザナの様子にサリナはどうしてもついていけない。

仕方ないが。

「今、メンバーが3人いるのよ!」

「3人いるの!?」

「あと1人揃えば、学校側に正式な部活として申請できるの!!」

「申請するの!!??」

「だから、残りの1人としてアナタを勧誘しに来たわけよ」

「ていうか残りの2人って誰なのよ」

「ヘレネとサツキ」

「うわぁ……」

チーム・ウィリアムバトラー2年モード・ヘレネとチーム・シーサイドランデブー3年アストリフィア・サツキ。

その2人が入っているのは、まぁ、当然といえば当然か。

「で、入るの? 入らないの?」

「入らない」

「かーらーの?」

「入らない」

「……友達だと思ってたのに」

「都合のいい時だけ友達にならないで」

「都合の悪い時だけ他人面しないで」

「ていうかイヴァちゃんなら2つ返事で『いいよ~』とか言ってくれそうだしイヴァちゃん誘えば?」

「自分が入りたくないから人を身代りにするとかアナタ最低だわ!」

「うっさい!」

「ていうか、イヴァはここに来る途中会ったから誘ったのよ」

「え、そうなんだ!?」

「そうよ。『イヴァにはよくわからんさー』って言われたわよ」

「ああ……」

「あ、イザナちゃん、サリナちゃん!!」

「何だヒラサカとサリナちゃんも来てたのか」

スズメとツバサがイザナとサリナの2人に気付いて近づいてくる。

「く――――こうなったらスズメを誘うしか……」

「本人誘ってどうすんのよ」

「何の話~?」

「こっちの話よ」

「そういえば、来週にお菓子作り会っていうのがあるんだってー」

「スズメ、行くの?」

「行くつもりだよー」

「スズメが行くなら私も行くわ」

「へぇ、あたしも行ってみようかな」

そんな感じできゃいきゃい騒ぐスズメとイザナ、サリナの姿を見てツバサが呟いた。

「はぁー、若いっていいなぁ……」

ツバサ先輩も十分若いですけどね。

ステラソフィア読者のみんなにバレンタインのチョコ代わりの四コマだよ!

挿絵(By みてみん)

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