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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
二度目の実地戦
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二度目の出撃・東の国境

「今回の作戦を説明する」

5月14日木曜日。

チーム・ブローウィングの四人はブリーフィングルームへと召集されていた。

そう、マルクト神国からの依頼が入り、チーム・ブローウィング2回目の出撃となったのだ。

「つい先日、マルクト神国のシャダイコンピュータが自国の領土拡大の為、マジャリナ王国への侵攻を決定したのは知っているな?」

「はい」

チューリップ・フランデレンの言葉に、ワシミヤ・ツバサ返事をする。

それに追随して、スズメ、マッハ、チャイカの3人も頷く。

「今回はマジャリナ王国国境警備隊を襲撃するマルクト神国軍に加わり、その援護を行う」

マジャリナ王国はマルクト神国の東部にその国境を接する国で、南はツェペシリア、東にルシリアーナ帝国、北にポートレヒア国と国境を接する。

マルクトの東部に広く接しているため、今回、マルクトは大きく3つの部隊に分けて、3方向からの同時進行を目指していた。

1つが、マルクト北東部ブレスラウ市を拠点とする侵攻部隊。

1つが、マルクト南東部マギア市を拠点とする侵攻部隊。

そして、

「チーム・ブローウィングはブルーノ市を拠点とする侵攻部隊に加わってもらうことになる」

「ブルーノ市――――あそこを、拠点にですか……」

「そう言えばスズメちゃんの出身ってプラハだっけ?」

「はい、そうです」

「確かプラハ市は旧チェスク領――――ブルーノ市もそうでしたっけ?」

マルクト神国の首都である神都カナン。

その南東部に位置し、マルクト全体としては東部に位置するスズメの出身地であるプラハ市や、更にその東にあるブルーノ市。

その周囲は元々チェスク共和国と呼ばれる1つの国だった。

サエズリ・スズメが生まれる十数年前にマルクト神国の侵攻を受け、その領地となった。

「それじゃあ、スズメちゃんはブルーノ市に行ったこと――」

「あります……あそこはチェスク共和国の時に使われていた装騎開発工場跡とかありますし」

「そうか――それなら万が一の時は役に立つかも知らんな」

「万が、一――――」

「まぁ、そんなことは無いと思うが……さて、今回の敵の装騎だが――」

フランデレンが、モニターに表示したのは1体の装騎。

「マジャリナ王国にはラドカーンやサーカニィと言った独自開発の機甲装騎が居る――――しかし、これらの装騎は既に1世代、2世代前の装騎だ――――マルクトにとってさしたる脅威にはならない――が」

そう言いながら、フランデレンが指し示したのが、先ほどモニターに映した装騎。

「最近、反マルクトの体勢を見せるマスティマ連邦の要請により、このマジャリナ王国にルシリアーナ帝国の最新型装騎P-3500ベロボーグが配備されたという情報が入った」

P-3500――ルシリアーナ帝国が作り上げた最新型汎用装騎で、その名前の由来はアズルの出力量が従来騎の平均値2000から大幅な上昇を可能としたことからそう名付けられた。

ルシリアーナ帝国周辺に伝わる伝承から、ベロボーグの愛称で親しまれている。

「この名前の由来からも分かるように、今まで相手にしていた装騎と比べると出力が高く、今までとはまた違った武装をしている可能性もある。特にこのブローウィングは軽量型の装騎が多い。気を付けろ」

「はい!」

「ん、着いたか」

暫くして、ブリーフィングルームがマルクト中央のマスドライヴァー・ダーウィーズの元へとたどり着いた。

「ここから、侵攻拠点であるブルーノのマスキャッチャーまで射出してもらう。そこからは、現地での状況に合わせて指示をする。では、準備をしろ」

「諒解!!」

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