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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
ステラソフィアの日常:始まり編
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ヒラサカ・イザナのプレッシャー

「ステラソフィア女学園機甲科25期生の諸君、私が君たちのクラス担任になるウィンターリア・サヤカよ。これから四年間は私がアナタ達の担任になるわ――――宜しく」

4月23日――――新入生歓迎大会の決勝戦から4日後の木曜。

授業初日1時間目。

スズメ達機甲科1年は機甲科校舎のある教室へと集められていた。

前方のモニター前に立つサヤカ先生を中心に、緩やかなカーブを描くようにして前から10・15・15と40人が腰かけることができるテーブルと椅子が設置されたやや小ぶりな教室だ。

ステラソフィア女学園では、入学式が行われたその日から1週間は新入生歓迎大会の準備期間となり、それから3日間かけて行われる新入生歓迎大会が終了するまでは授業などは無い。

「このステラソフィアでは3年以上は資格取得などに向けて好きな科目を取ることができる制度になっているけど、2年以下は1部の選択科目を除いて粗方の時間割は組まれているわ。まぁ、中学の頃と同じような感じね。今日は、この学園で取れる資格の再確認――――パンフレットはちゃんと読んだわよね? 再確認と、選択科目の選択があるわ。質問は?」

サヤカ先生の言葉に、誰も反応する者は居ない。

「それじゃ、学生証――――SIDパッドを出して。そこにレジュメと科目選択用のデータを送信するわ」

SIDパッドを出し、データを受信しながら、スズメはふと奇妙な視線を感じた。

それは、スズメの後ろ斜めからの視線だ。

「――――?」

「スズメちゃんどーしたの?」

そう声をかけてきたのは隣の席に座っていたエレナ・ロン・サリナだ。

「な、なんか、異様に視線を感じるような気が、して」

「視線…………?」

「うん、斜め後ろから……気の、せい……かな」

サリナがチラリとスズメの背後へと目を向ける。

するとそこには、ジーッとスズメの姿を睨みつけるヒラサカ・イザナの姿があった。

「ヒ、ヒラサカさんがすごい剣幕でスズメちゃんを睨みつけてるけど……」

「イザナさんが!? え、で、でも何で……」

「新歓で負けたのが悔しくて…………とか?」

「でも、イザナさんってそんなタイプの人とは思えないんだけど……」

「新歓の時は逆恨みに近い感じでスズメちゃんをライバル視してたじゃない」

「それは……そうだったかもしれないけど」

理由はどうあれ、イザナがスズメを物凄い勢いで睨みつけてきていると言う事実に変わりはない。

「どうするスズメちゃん。なんでコッチ見てるのか聞いてみようか?」

「え、いや、でも私の気のせいかもしれないし……」

「いや、でもアレはどう見たってガン見してるよ!」

「はい、そこ!」

コソコソと話をしていたのが見つかったのだろう。

サヤカ先生がスズメとサリナを一喝。

「選択科目は決めたの? 決めたなら私のとこに送ってほしいんだけど」

少しイラついたような様子を見せるサヤカ先生。

「う、早く決めないと――――」

「そうね――――スズメちゃんどうする? 同じ授業取る?」

「うん――――」

「イ、イヴァも同じ授業を取りたいさ」

不意に、スズメの隣に座っていたリサデル・コン・イヴァもそう小声で告げてきた。

「とりあえず――――私はこの装騎史っていうのが気になるんだけど」

「イヴァもそれを取ろうと思ってたやっさー!」

「じゃ、あたしもソレ取っとこ――――! ソレって土曜の2時間目の選択?」

「そうだよー」

そんな会話をかわしながらも、やはりスズメは背後からの視線が気になっていた。

寧ろ、その視線は一層強くなっているような気がする。

気のせいだろうか、先ほどからイザナがゆらゆらと、何かを探り出そうとしているようにしている気もする。

「そんじゃ、後はソレを提出したらこのオリエンテーションは終わりよ。この後の授業は時間割に従ってくれると良いわ」

サヤカ先生の言葉に、科目選択を終えたと思しき生徒が何人か立ち上がり、教室を後にしていく。

「こんな感じ――で良いかな?」

「じょーとーさ!」

「そうね! 提出したら次の授業の教室に移動しとこ?」

「次の授業は――――国語?」

「意外と普通の科目もあるんだね……」

「本当よね。もっと装騎のことばっかり――ってイメージはあるのにね――――――で、ヒラサカさんはまだコッチ見てるの?」

「う、うん…………」

「あー、もう! だったらあたしが話を付けてくるわよ!」

「え、サリナちゃん良いって! それよりも次の授業行こう?」

「だからよ! 触らぬ神に祟りなしっていうばーよ」

「むー」

そんな調子で、その日の授業が進むが、スズメは授業の度にヒラサカ・イザナからの視線を感じ中々集中できない。

そんな感じで数日が経った。

オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

挿絵(By みてみん)

元ステラソフィア生:チーム・アクセラレーター出身

ステラソフィア女学園機甲科講師

名前:Winteria 沙耶風

読み:ウィンターリア・サヤカ

生年月日:聖歴142年6月14日

年齢:24歳(4月1日現在)

出身地:マルクト国神都カナン

身長:163cm

体重:57kg

使用装騎:PS-Ba3S:V-MAX(ベース騎PS-Ba3:Bardiel)

好みの武器:衝撃集中爆弾メテオライト

ポジション:アタッカー

ステラソフィア高等部機甲科の第十五期生で、講師の資格を取りステラソフィアで講師をしている。

本当は、戦災孤児などを集める施設をつくりたいと思っているが、人手不足や資金不足など色々な事情により今は講師として働く。

子どもは好きだが感情が顔に出やすいため正直向いてないんじゃないかと最近思い詰めてきてる。

趣味は毎朝1時間のランニング。

個人的な声のイメージは戸松遥さん。

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