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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
絶対・王者・バーチャルスター
46/322

開幕一撃

「レディース、アーン、ジェントルメーン!! ついに、ついにこの日がやって参りました!! 新入生歓迎大会決勝戦! 司会はわたくし、チーム・ソルフェージュ所属のミウラ・リタが務めさせていただきます!」

広大な屋内演習場と、その周囲を囲むように設置された観客席。

その一角に備え付けられた司会者席でマイクを手にし、お約束の挨拶をするミウラ・リタ。

リタの姿を捉えたカメラが、天井に備え付けられたモニターへその姿を映し出す。

「最盛り上がりとなるステラソフィア新入生歓迎大会の決勝は此方、国立装騎中央公園屋内演習場より全国生中継でお送りします!」

観客席に囲まれた広大な演習場は、屋内でありながら15ヘクタールほどあるステラソフィアの屋外演習場にも遜色のない広さを誇る。

その為、ステラソフィアと同じようにカメラでの中継がメインとなるのだが、この演習場の凄さはそういう部分では無い。

「それでは、両チームの選手に入場してもらいましょう!」

リタがそう言いながら手を振り上げると、モニターに演習場の一角が映される。

「まずはAブロック――この新歓大会3年連続優勝のまさに絶対王者! リーダーのディアマン・ソレイユは4年連続優勝を勝ち取れるのか!? チーム・バーチャルスター!!」

そこに入場してきたのは、ディアマン・ソレイユ率いるチーム・バーチャルスターの装騎4体。

4年ディアマン・ソレイユと装騎セイクリッド。

3年ディアマン・ロズと装騎ロゼル。

2年ツミカワ・ミズナと装騎ミルキーウェイ。

1年エレナ・ロン・サリナと装騎ラピスラズリ。

「対するBブロックは、強烈なインパクトを見せたミステリオーソを破り、限界駆動同士の激しい接戦も披露してくれた埋もれたエースチーム、チーム・ブローウィング!!」

「埋もれたエースチームって何だよ!?」

そうつっこみながらも入場するワシミヤ・ツバサ率いるチーム・ブローウィングの装騎四体。

4年ワシミヤ・ツバサと装騎スーパーセル。

3年テレシコワ・チャイカと装騎スネグーラチカ。

2年カスアリウス・マッハと装騎チリペッパー

1年サエズリ・スズメと装騎スパロー。

「とても綺麗な屋内演習場ですね――――でも、何も無い?」

試合の開始を控え、装騎に乗り、演習場へと準備を始めていたスズメがふと呟いた。

そう、この屋内演習場には、ステラソフィアの屋外演習場にあるような、木々も何も無い――だだっ広いデュエルゲームコロシアムのようにしか見えない。

「それでは、両チーム入場を終えた所で、霊子アズルホログラム――――起動をお願いしまーす!」

リタがその言葉とともに、指をパチン! と鳴らす。

不意に、演習場内を玉虫色の輝きが一瞬走ったかと思った瞬間――――そこには鬱蒼と覆い茂る森林が出来上がっていた。

「す、すごい!」

初めて見る霊子ホログラムに驚きを隠せないスズメ。

「スズメちゃんは、霊子ホログラムを見るのは初めてなのか?」

「は、はい! まるで本物みたいです……!」

スズメはスパローでそっとその木に触れてみる。

すると、そこに木が確かにあるような抵抗を感じた。

質量を持ったホログラム――というよりは、反発力のある力場をホログラム映像として表示する技術――それが霊子ホログラムだ。

簡単に言えば、魔力障壁や霊子シールドの防御力の応用のような技術である。

天上にも自然な青空が浮かび上がり、その映像のリアルさには驚くばかり。

余談だが、この霊子ホログラムはアヴァターシステムと言う名で装騎用、人間用への小型化が目下研究中である。

「それぞれ準備ができた所で――――ステラソフィア新入生歓迎大会決勝戦」

会場の空気が張り詰める――その雰囲気を感じ、スズメも強くその手を握りしめた。

ツバサにチャイカ、そしてマッハもその表情が引き締まっているのが分かる。

「ついに――――始まりますね」

「ああ……」

「いつも通りに、ですわ」

「突っ切るんですよ!」

「チーム・バーチャルスター対チーム・ブローウィング――――――――開始ィ!!!」

「GO! ブローウィングGO!!」

「諒解!!」

開始の合図と共に、チリペッパーを先頭にして駆ける。

「チャイカ――!」

「バーチャルスターも正面から来ますわ! 先頭はミルキーウェイ――――すぐにぶつかりますわ!」

互いに、搦め手無しの完全に真正面からの真剣勝負。

高速で駆けるチリペッパーと、高出力のソロブースターによる高速移動が得意なミルキーウェイ。

その二騎が接触するのは早かった。

「ツミカワ・ミズナァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

「カスアリウス・マッハァァァアアアァァァアァアアアアアアアアア!!!!」

ダダン!!

チリペッパーが放った16mmファイティングショットガンの弾が弾ける。

しかし、ミルキーウェイはそれを素早くかわすとチリッペパーの背後へと回る。

「相変わらず単調なヤツなのですよ! 撃ち捨て御免ッ!!!」

その背後に突き付けられたのは25mm粘着榴弾砲ブラウシュトゥルム。

「単調? ちゃんとそれなりに考えてやがるんですよ!!」

「サエズリ・スズメ、スパロー。行きます!」

ミルキーウェイがチリペッパーに銃口を突き付けた瞬間にいつの間にか急接近していたのは装騎スパロー。

「なっ――なんて早さなのですか!?」

木々を蹴り渡りながらミルキーウェイに急接近してきたスパローはそのナイフをミルキーウェイへと閃かせる。

「ぐぅ――!」

刹那、ソロブースターがグリンと動き、急噴射。

激しくスピンするように、襲い掛かるスパローのナイフからかろうじ身を避ける。

急な方向転換に、ミズナの脳が揺さぶられるが、なんとかスパローとチリペッパーから距離を置いた。

「まだです!」

さらに、そこへ追い討ちを駆けようと突っ込むスパロー。

「ミズナちゃん!」

ガキィン!!

そのナイフを受け止めたのは、ディアマン・ロズが持つロゼッタハルバートの刃先。

「助かったのですよロズちゃん!」

ゴゥとブースターを吹かせると、ミルキーウェイはロゼルの傍につく。

相対するブローウィングの2騎とバーチャルスターの2騎。

「マッハ先輩!」

「分かってるんですよ!」

「せーのっ!」

不意に、チリペッパーが16mmファイティングショットガンを撃ちながら、その場から跳ね退く。

それと同時に、スパローも同じように跳ね退いた。

「逃げるのですか!!」

その行動に理解ができないように、ミズナが叫んだ瞬間。

「ミズナちゃん、危ない!」

ミルキーウェイをロゼルの手が突き飛ばし、その反動でロゼルもその場から退く。

「魔力――――砲撃ッ!!!」

その一瞬後、強力な魔力の奔流が木々を引き裂きながら、その場を過ぎ去って行った。

「ヒュゥ! 久々のバトルで気合入ってるぜツバサ達!」

「スズメちゃんも――すごい……」

ミルキーウェイとロゼルの背後で、魔力砲撃を回避しながらそんなことを言うのはソレイユとサリナ。

「さて――来るな。ツバサ達が! 頼んだぜサリナ!」

「はいっ!」

レーダーにはセイクリッドとラピスラズリに急接近するPS-J4S:スーパーセルとPS-M-J3S:スネグーラチカの2騎が表示されている、

魔力砲撃を隠れ蓑として、ミルキーウェイとロゼルの脇を抜けてきたのだろう。

「勝負だ――ディアマン・ソレイユ!」

「楽しみだぜ――ワシミヤ・ツバサ!」


オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

挿絵(By みてみん)

4年:チーム・バーチャルスター所属

名前:Diamant Soleil

読み:ディアマン・ソレイユ

生年月日:聖歴149年4月4日

年齢:18歳(4月1日現在)

出身地:マルクト国神都カナン

身長:170cm

体重:65kg

使用装騎:PS-M5S:Sacred(ベース騎PS-M5:Michael)

好みの武器:オリエンタル・ブレード

ポジション:リーダー・アタッカー

国立ステラソフィア女学園に初等部の頃から在学している。

趣味はサンクチュアリ・バトル・オンライン。

ゲーム内では神速のサムライの異名を持つ。

デュエルゲームに於いても非常に高名。

個人的な声のイメージは日笠陽子さん。


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