第32話:Lišky Mají Doupata a Ptáci Hnízda
Lišky Mají Doupata a Ptáci Hnízda
-狐には穴があり、空の鳥には巣がある-
「うわぁ、すごいでありますね……」
ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン号の甲板で、風に吹かれながらアオノが感嘆の声をあげる。
今、船に乗ったŠÁRKAは地下海路を進んでいた。
「まさか、海に地下通路があるとはな」
「いつ敵に拠点がバレてもいいように逃走経路くらい確保済みさ。小さな島だからねぇ、囲まれたらおしまいなのは承知済みさね」
「お陰で助かった。問題は次の拠点と――」
ゲルダはチラッとビェトカとイザナの二人へと顔を向ける。
流れる海を並んで見つめる二人にはどこか覇気がないように見えた。
「アルジュビェタ」
ゲルダの声にもビェトカは答えない。
ただじっと、舞い上がる飛沫を見つめている。
「アルジュビェタ!!」
業を煮やしたゲルダが、ビェトカの肩に掴みかかろうとした時だ。
「ゲルダ、ŠÁRKAを召集して。作戦会議するわよ」
ビェトカの瞳には決意を秘めた真っ直ぐな輝きが宿っている。
「――わかった」
その瞳の光に、ゲルダは安堵しながら頷いた。
丁度その頃。
マルクト共和国へ帰るスヴェト教団の船でも緊急作戦会議が行われていた。
「未だに信じられん。マルクト諜報団、イェストジャーブ財閥……共和国大統領が協力者など」
「使徒シモーヌ、確かに信じ難いですが彼女たちの戦力であれだけ柔軟に対処できたことを考えると当然だとは思います」
「そうだな。サエズリ・スズメが開示した情報に不自然な点は無い。辻褄は合っている」
「本当のことしか言ってませんですからね」
使徒シモーヌにスズメが淡々とした声音で言う。
「モウドールさんやMaTySが協力しているからと言ってやり方が変わるわけでもないですよね? いえ、モウドールさんを暗殺でもするとなれば話は別ですが」
「そのような事はしません」
使徒ユーディの言葉にスズメは頷いた。
「しても意味はないと思うので私からもオススメはしません。まずやるのなら、イェストジャーブ財閥の施設を監視してŠÁRKAの動きを抑え込むことでしょう」
「ソれならば……既ニ実行済みダ」
「さすが使徒ジュダです。私の指示に素早い対応、感謝します」
使徒ヨハンナがスズメに見せつけるように嫌な顔を浮かべるが、スズメはわざと一瞥すると話を続ける。
「私の知っているŠÁRKA……それとグローリアの秘密基地も抑えてますね?」
「抜かリ無ク」
「ご苦労様です。一先ず、一通り動きを封じる策は完了でしょう」
「あ、あの……でもここまで動きを封じたら出てこなくなっちゃうんじゃ……」
おずおずと手を挙げた使徒ナーサリィにスズメは首を横に振った。
「確かに動きづらくはなっていますが、それで出てこない性格ではありません。特にビェトカは」
「では、誘き出して叩く、と?」
「そう簡単に行けば良いですけど、そういきそうにはありませんからね」
「なれば如何する」
「誘き出して叩く。それがかなわなかった時を考えて、ŠÁRKAの拠点を突き止め、そこを襲撃する……出来ますよね?」
ŠÁRKAの基地はその殆どを手中に収めた。
出撃ルートも殆どを抑えた。
中継地を誤魔化すために使っていたファルケユニットのスペックも分かっている。
これだけ徹底的に動きを封じ、情報を手に入れた今、スヴェト教団の情報網であればŠÁRKAの拠点を特定できるはずだ。
スズメはそう言っていた。
「わかりました。我々スヴェト教団は全力を挙げてŠÁRKAの拠点を洗い出す」
「最後に……ビェトカは強敵です。殺す気でかかった程度では殺せません。ŠÁRKAを打ち倒し、新世界の実現を本気で願うのなら――味方を犠牲にしてでもビェトカを殺す気でいかないといけません。皆さん、覚悟してください」
「アルジュビェタ、なんと言った?」
「言葉まんまよ。スズメは本気でワタシ達を潰しに――ううん、殺しにかかってきている」
それは、スズメと直接対峙したビェトカがよくわかっていた。
「もしかしたら、何か伝えようとしてるのかも? どうだった思ってずっと考えてたんだけど、スズメの言葉にも態度にも嘘はなかった。ワタシには裏の意図なんて全く分からなかったし」
「ヒラサカ・イザナも対峙したんだろ? どうだった?」
「私も同感よ。スズメの言葉、スズメの態度、それが今わかる全て。スズメの意図があるとすればそれはきっと……」
「スズメを殺す気で戦え。まさに言葉通りよ」
ビェトカとイザナ……スズメをよく知り、直接刃を交えた2人が出した結論に、重い空気が漂う。
「たしかにŠÁRKAには殺しの経験が全く無い――それこそ一介の学生だって多いわ。でも、だからってその事に甘えてたらスズメは殺せない。スヴェト教団は倒せない」
「だからスズ姉を殺せっていうの!? みんなで、よってたかって、スズ姉を!!」
あまりにも横暴で、あまりにも勝手な解釈――それはスズメから託された思いを踏みにじっている……そう感じたツバメは思わず抗議の声を上げた。
いや、ツバメも分かっていた。
分かっていたが、信じられなかった。
敬愛する姉なら、自分の信じる姉なら、きっと何か、自分もビェトカもイザナも誰もが思い付かないような意図を伝えようとしているのだと信じたかった。
「ツバメ、アンタのお姉ちゃんはどんな騎使?」
「スズ姉は無敵で、最強で、アタシ達が束になっても敵わなくて、世界一のアタシのお姉ちゃんなんだからッ!」
「でしょ? スズメは殺したくらいじゃ死なない。ワタシだって分かってるし、信じてる。イザナもそうっしょ?」
「当然よ」
「ツバメは信じてる?」
「…………当たり前じゃない。なんたって、アタシはサエズリ・スズメの妹なのよ!」
ツバメの力強い言葉にビェトカは笑顔と共に頷く。
「それじゃ、ワタシから命令を――スズメがワタシ達にくれた最後の命令を出すわ」
ビェトカにも迷いは無かった。
その場にいる誰もだって覚悟を決めていた。
「スヴェト教団の使徒を……そして、サエズリ・スズメを殺せ!」
「悪魔装騎が市街地に出現、ですか。好都合ですね」
「ŠÁRKAが来る、と?」
「はい、確実に」
使徒ユーディの問いにスズメは静かに頷く。
そんな中、1人そわそわしている使徒がいた。
それは使徒フェリパだった。
「ŠÁRKAがわたし達の最大の脅威になっているのはわかってる。だけどさ、あいつらを誘き出す為に罪のない人々を見過ごしてもいいのかな」
「なにを……」
スズメの言葉を遮ったのは使徒ユーディ。
「使徒フェリパ、貴女の言うことは分かります。だが、ŠÁRKAは本当に脅威です。これは新世界に至る為、大切な事です」
「確かに新世界を目指す……それはわたしも望むものだ。だけど、だからって人々を放っておくなんてっ!」
スズメは使徒フェリパの態度に違和感を覚える。
「マチアちゃん、もしかしてフェリパさんは――」
「はい。知りません……」
そう、使徒フェリパは知らないのだ。
スヴェト教団と偽神教の関係も、悪魔装騎の正体も、なにも知らなかった。
「実際、わたし達天使と悪魔は情報の共有も一切せず、互いに本気で戦いあって来ましたから……メガフロートでの戦いは特例中の特例でした」
「確かに、それだけ本気で戦わなければ民衆からも怪しまれますか」
天使も悪魔も互いが新世界という同一の目標のために、互いを犠牲にし合っている。
ゆえに、人々はスヴェト教団を善と信じてきたのだろう。
「わかりました。では、悪魔装騎の討伐に出ましょう。ŠÁRKAとの接触が考えられるので私も同行します」
「本当!?」
「待て、勝手だサエズリ・スズメ、使徒フェリパ!」
「使徒シモーヌ、仕方ありません。どちらにせよ、やる事は変わらないのですから」
「そうです、ŠÁRKAを誘き出して叩く。変わりはありませんよ」
「ですが、我々は当初の予定通り動かさせてもらいます。それまで、悪魔装騎とŠÁRKAの相手は貴女達2人で」
「では、わたしも――スズメさんに同行します」
「……行クのだロ? ならば、呑気ニお喋りしてる場合でハ無イ……」
「使徒マチア、使徒ジュダ!?」
「グレモリーのサポート能力なら生還率を高められます」
「ワレ、は、サエズリ・スズメの監視役ユエ……」
「はい、行きましょう。我らが新世界の為に」
その場から立ち去る4人の後ろ姿を見送りながら、使徒ユーディは自らの手が震えていることに気付く。
言いようのない恐怖――それがどこからくるものなのか、今の使徒ユーディには分からなかった。
「ŠÁRKA、DO BOJE!」
「ほら、さっさと行くわよ」
悪魔装騎出現の報を聞きつけŠÁRKAが駆けつけた頃には、既に戦いが始まっていた。
「あれは……スパローね」
装騎スパローTAに天使装騎グレモリー、アモン、グラーシャ・ラボラス。
ビェトカ達にとっても最早見慣れた装騎達が見慣れない3体の悪魔装騎と戦っている。
「ŠÁRKAが来ましたね……」
『ス、スズメさん、どうしましょう……』
「共闘する理由はありませんが、今は敵対するヒマもありません。ただ、ビェトカは不意打ち上等なので隙は見せないように」
『オーケー! だったら後ろは頼むよグレモリー!』
『我も居る。アモンは戦エ、存分ニ』
『うむ、ありがと!』
「ワタシ達と戦うつもりが無い? 誘い出す為に悪魔装騎を使ったんじゃないの?」
霊子杖ワセトを手に悪魔装騎へ挑む天使装騎アモンの姿を見てビェトカは疑問に思った。
「確か、天使装騎と悪魔装騎は元は仲間――自分達で悪を作り、自分達で倒すマッチポンプの筈だけれど……」
「だが、悪魔装騎を餌にするならリーダー……天使装騎達が迎撃する必要はないな」
イザナとゲルダも疑問を口にするが、考えても仕方がない。
「様子見する? 正直、手を出さなくても天使装騎達が倒してくれそうよ」
「ふーむ……」
イザナの言葉にビェトカは腕組みをして息を吐く。
「フツーに考えたら、天使装騎に加勢しようとしたところを背後からズドン?」
「ありえるわね。んで、天使装騎に攻撃しようとしたら悪魔装騎からズドンね」
「ズドンズドンと何だ。両方同時に相手でもするか?」
『ウォルウォルウォルウォォォオオオオオオオオオ』
「うわ、何かコッチ来た!!」
「だぁもう、アタシは黙ってられないわ! かかってくるなら――ぶっ飛ばしてやるんだから!」
「ちょ、ツバメ!!」
装騎ヴラシュトフカはブーステッドハンマー・クシージェを構え、身をかがめる。
『ウォルウォォォオオオオオ!!!』
そして、真正面から転がってくる車輪のような敵悪魔装騎を、
「うっさぁぁああああい!!!!!」
殴り飛ばした。
「なんか綺麗に飛んでったけど……今のって悪魔装騎?」
「転がっててよく分からなかったけど、車輪に顔が付いたようなヤツだったわね……実家にあった本に載ってた輪入道にちょっと似てたかも」
「ワニュードー? 悪魔装騎ワニュードー?」
「人間たち! 転がって移動する悪魔って言ったらブ――」
「ブエルね」
例によってタルウィの言葉をザリクが遮る。
「ブエル?」
「……そ、五本の脚で転がるように移動する悪魔。となると、あそこにいる――」
「赤い悪魔装騎はベリス。あと1体チョココロネに乗ってるのはバシンね」
「ザァーリィークゥー!」
「悪魔の癖に有名どころすら知らないなんて……もう、タルウィったら」
「知ってたからね!?」
ちなみに、悪魔装騎バシンが乗っているのはチョココロネではなくでっぷりした蛇だ。
「漫才コンビは無視するとして――ま、なら天使装騎達に加勢して悪魔装騎ぶっ倒してもいっかぁ」
一部のメンバーがやる気満々だということもあり、ビェトカは半分諦めたようにも聞こえる声音でそう言った。
「本当に加勢する気か?」
「まぁ、隙を見てグサッとやっちゃったりしようとは思ってる」
「隙を見てグサッね。いいじゃない、乗ったわ」
「ということで総員に通達! ワタシ達ŠÁRKAも悪魔装騎撃退に参加するわ! ただし、天使装騎は味方じゃないからそこんとこはヨロシクね」
「いってやるわよォォォオオオオオ!!!」
一気に雪崩れ込むŠÁRKAの装騎達。
戦いは一気にŠÁRKA、天使装騎、悪魔装騎と三つ巴の混戦状態へと陥る。
隙を狙って天使装騎にも攻撃を仕掛けながらも、悪魔装騎をメインに戦うŠÁRKA。
天使装騎アモンの手前、今はŠÁRKAには仕掛けられないスズメ他天使装騎達。
以外にも粘るのは、両者ともに狙われているはずの悪魔装騎達。
それもそのはず、この悪魔装騎には恐るべき能力が秘められていたからだ。
「チッ、コイツらぶっ飛ばしてもぶっ飛ばしても向かってくるジャン!?」
「私も何度も切ってる筈なんだけど……どうやら再生能力持ちみたいね。しかも厄介な程の」
焦れるイザナの言う通り、悪魔装騎の中に回復能力を持つものがいた。
それが、最初に装騎ヴラシュトフカに吹っ飛ばされた悪魔装騎ブエル。
「あのワニュードーそんな力があんの!?」
「そう! ブエルの能力、あらゆる――」
「病気を癒す力が拡大解釈されたようね。バシンにも薬草に関わる力があるから、きっとその複合作用かしら」
「ちょ、めっちゃ早口で言わないで! 説明することなくなっちゃう!」
「もう、タルウィったら見栄張って」
「えぇ……」
「ねえ、トカぽよ」
「ナニよピピ」
「今の戦いだけど、後ろから見てたらなかなかに面白いことになっているよ」
「面白いこと?」
ピピの装騎ネフェルタリは狙撃騎だ。
一歩引いた位置からだと、また見えるものも違っていた。
「まず、天使装騎アモン。彼女はがむしゃらに悪魔装騎と戦っているね。勇敢だ」
天使装騎アモンは背中をスズメ達に任せ、悪魔装騎の最中で戦いを繰り広げている。
その天使装騎アモンがŠÁRKAに攻撃されないように、装騎スパロー、天使装騎グレモリー、グラーシャ・ラボラスが援護していた。
「次に悪魔装騎達なんだけど……どうやら、最優先目標はスパローのようだ」
「悪魔装騎達がスパローを狙ってる?」
「うん」
ビェトカも一旦距離を取り、戦いの様子を暫く眺めてみる。
「確かに、悪魔装騎はアモンが邪魔だから対応はしてるけど……ほとんどスパローに攻撃してるわね。でもなんでスパローを」
「まぁ、使徒長を殺したから、でしょうね」
ビェトカの疑問に答えたのはイザナ。
「元は同じで悪魔達も使徒長とやらを崇拝していたのなら……使徒長を殺したスズメを狙うのはおかしな事じゃないわ」
「あー、なるほどね」
事実、イザナの予測は当たっていた。
この悪魔装騎ブエル、ベリス、バシンは司祭の中でもとりわけ使徒長ジェレミィに近しく、慕っていた司祭達だった。
『チッ、邪魔だな。天使装騎アモン。俺らはサエズリ・スズメさえ殺せればいーんだが』
『仕方なかろう、ヤツはそういう女だ。だが、吾等の連携は強力無比……だろ? バシン』
『ああ……っだがよ、ブエルは大丈夫なのか? ずっとウォルウォル言ってっがよ』
『ウォルウォルウォルウォォォォォオオオオオ』
『……大丈夫だろう。多分』
『あの悪魔装騎たち……スズメさんを狙って来てます、ね』
「そうですね、理由は分かりきっていますが……それにしても、このままだとジリ貧ですね」
悪魔装騎ベリスの鎧を砕き、悪魔装騎ブエルの顔面を貫き、悪魔装騎バシンの手脚をもいでもみるみるうちに治癒していく恐るべき回復能力。
妙にタフな相手にらちがあかない。
『使徒スズメ、何度も再生する敵を倒すにはどうすればいいと思う!?』
「よくあるパターンですと、跡形もなく焼き尽くすとか、死ぬまで殺す……何か力の核となるものを破壊する、とかですかね」
『偽神装騎、ハ、首の付け根に核ガあっタ……となるト』
『首どこです!? ブエルの首どこ!?』
『確かニ……』
天使装騎アモンの言う通り、頭の周りから脚が生えたデザインの悪魔装騎ブエルに首など見当たらない。
『でしたら、他の悪魔から倒せば……』
「いえ、ブエルの回復能力は驚異的過ぎます。ヤツを潰して回復を完全にできないようにしないと」
『ならばプランAでしょ! 天使装騎アモンの炎は全てを焼き尽くす!』
「そうですね。私がブエルをバラバラにしますから、フェリパさんはそこに炎弾を」
『オーケー!』
「私達がブエルにかかりっきりになってる間にŠÁRKAから不意打ちをされたら辛いです。マチアちゃんとジュダさんはŠÁRKAに留意を!」
『はい!』
『肯定』
装騎スパローTAと天使装騎アモンは悪魔装騎ブエル目がけて駆け出す。
「スパローとアモンはブエルを狙うみたいね」
「お、ならちょっとつまみ食いしてく!?」
「率先して邪魔する必要はないでしょ。あの輪入道は邪魔なんだから」
「ソレもそーか……んじゃ、もし倒せたらその後奇襲ってコトで!」
「容赦ないな。だが、ほかの悪魔装騎は私達でなんとか出来る。アルジュビェタとヒラサカ・イザナは行ってきてもいいぞ」
「じゃ、そゆことで!」
「とりあえずは行くのね……」
スズメ達の後をつけはじめる装騎ピトフーイDと装士フーシーにも構わず、装騎スパローTAと天使装騎アモンの狙いは悪魔装騎ブエルのみ。
「サエズリ・スズメ、スパロー……行きます!」
目標を真正面に捉えると、装騎スパローTAは弾けるように飛び出す。
『ウォルアァ!?』
「うるさいですよ」
悪魔装騎ブエルの顔面を串刺す装騎スパローTAの膝部ヤークトイェーガーの刃。
さらにそのまま宙へと悪魔装騎ブエルを蹴り飛ばし、
「スパロー、ムニェシーツ・ロズパロヴァチュ……!」
全身の刃でバラバラに引き裂いた。
「フェリパさん!」
『きたきた! 天使装騎アモンの炎は――――世界もろとも焼き尽くす!!』
そこに放たれた天使装騎アモンの強烈な熱量。
『ウォルァァァァアァァァァアアアアア』
炎に焼かれ悪魔装騎ブエルが悲鳴を上げた。