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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
鮮烈なるリリィワーズ
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ライユの思惑

「準々決勝第2試合! Aブロックは無限の星は夢の数。チーム・バーチャルスター!!」

「そうか、バーチャルスターも2回戦だったな。しまった、視聴率取れねーぞ」

「視聴率って……」

「対するは、これぞオリエンタルミステリー! チーム・ミコマジック!!」

バーチャルスターの次なる試合に会場が湧きたつ。

視聴率は分からないが、この盛り上がりだとバーチャルスターに色々と持っていかれているような感じがするのも仕方ない。

「そしてBブロックは、追風一杯、順風満帆! チーム・ブローウィング!!」

4年ワシミヤ・ツバサと装騎スーパーセル。

3年テレシコワ・チャイカと装騎スネグーラチカ。

2年カスアリウス・マッハと装騎チリペッパー。

1年サエズリ・スズメと装騎スパロー。

「何度体験しても、この瞬間はなれない、ですね……」

「ま、楽にいこうや。楽にな」

「対するは、ようこそ、ヒミツの花園へ。リリィワーズ!!」

4年ナガトキヤ・ライユとその装騎キラ。

3年ハクツキ・クレスとその装騎クレセントムーン。

2年オルフェシア・リュディケとその装騎リラライラ。

1年アルク・アン・トワイとその装騎レーゲンボーゲン。

「それでは、準々決勝第2試合! 開始ィ!!」

「GO! ブローウィングGO!!」

「諒解!!」

試合の幕開け。

それと共に、チリペッパーを先頭にスーパーセル、スパロー、スネグーラチカと続き駆けだす。

「――――感じましたわ。正面から4騎。特に変わった動きはありませんわね」

「ってことは正面からぶつかるのか……」

「もうすぐレーダーにも映りますわ!」

チャイカの言う通り、レーダーに感。

キラとクレセントムーンの2騎を先頭にリラライラとレーゲンボーゲンが横並びになり接近してくる。

「マッハちゃん! 今回こそしっかり仕事してくれよ?」

「任せるんですよ!!」

「よし、マッハちゃんは敵を分断、チャイカはサポートを。アタシとスズメちゃんの二手に分かれて外側から潰すぞ」

「諒解!!」

カスアリウス・マッハのチリペッパーは両手にショットガンを構え、一段と加速。

チーム・リリィワーズ4騎の中央を狙い突っ込んで行く。

「ほ、本当に大丈夫なんですかね……」

「マッハちゃんはスロースターターな所もあるし、流石にそろそろ大丈夫だろ。多分」

「何かあったらウチらがサポートすれば良いのですわ」

「そ、そうですね」

「で、スズメちゃんどっちに行きたい?」

「どっちにって――そんなので決めて良いんですか……?」

「良いの良いの、何だかんだ言ってゲームみたいなもんだしさ」

「まぁ、そうですね……私はやっぱり装騎キラが気になります!」

「オーケー、それじゃそう言うことで!」

そう言葉を交わしながら、サエズリ・スズメのスパローはキラを、ワシミヤ・ツバサのスーパーセルはクレセントムーンを狙い二手に分かれる。

その中央を行くチリペッパーを追いかけるようにテレシコワ・チャイカのスネグーラチカが進む。

「ブローウィングの狙いは分断からの包囲殲滅――って所かしら」

突っ込んでくるチリペッパーと、二手に分かれるスパロー、スーパーセルの様子を見ながら4年ナガトキヤ・ライユは静かに呟いた。

「リーダー如何いかがする?」

「チリペッパーの動きが速いわね――レーゲンボーゲン?」

「何ですかー?」

3年ハクツキ・クレスの言葉に一瞬の考えるような間――だがすぐに1年アルク・アン・トワイへと通信を繋ぐ。

「レーゲンボーゲンはチリペッパーを牽制してくれる? 準備ができたら合図をするわ」

「りょーかい」

「リラライラは手筈通りに――」

「は、はいです!」

そう答えるのは2年オルフェシア・リュディケ。

「そうね――では、クレセントムーンはレーゲンボーゲンの護衛を。チリペッパーとスーパーセルの2騎を相手にする事になるかもしれないけど行けるわね?」

「無論」

「では、お願いね」

「御意」

「レーゲンボーゲンはチリペッパーと接触したら無理はしないで。この戦いの鍵は貴女なんです」

「は――はいっ!!」

レーゲンボーゲンは素早いホバー移動でチリペッパーの正面に立ちふさがり、17mm銃撃砲グリュンドラヒェをどしりと構える。

ダダダダダダダダ

激しい音が鳴り響き、グリュンドラヒェが火を噴く。

「うひゃあ!? 正面から銃撃――!! でも、この程度の障害何ともないんですよぉ!!」

木々を使い、素早く身を捻り、グリュンドラヒェの銃撃をかわしながらチリペッパーは突っ込む。

「マッハちゃんと正面からぶつかる気か――スズメちゃん、1人でキラとリラライラの相手――いけそうか?」

「問題ありません!」

「言うね……分かった、チャイカはそのまま援護を」

「諒解ですわ!」

「クレセントムーンとレーゲンボーゲンをさっさと叩いてスズメちゃんと合流するぞ!」

「ちぇすとぉぉおおおおおおおお」

チリペッパーのキックブレードにレーザーが灯り、その蹴りと共に木々を切り倒す。

そのまま、レーゲンボーゲンへとショットガンを撃ち放った。

ギィインと金属音が響き、ショットガンの命中を知らせるが、レーゲンボーゲンの装甲には僅かなへこみ。

効果は低そうだった。

グリュンドラヒェの弾をばら撒き、ホバー移動で木々を避けながら後退するレーゲンボーゲン。

それを半ば無茶にも見える機動で追いかけるチリペッパー。

「――――早いっ!?」

チリペッパーの喰らい付きにトワイの口からそんな言葉が漏れる。

「喰らうんですよぉぉぉおおおおおおお!!!」

木々を突っ切り、レーゲンボーゲンを捉えたチリペッパー。

マッハは撃墜の確信と共にレーゲンボーゲンへと、いつもにも増して気合を入れた蹴りを放とうとした。

その時――

「うぎゃあっ!? あ、危ないんですよコノヤロー!!!」

チリペッパーは何とか蹴りを踏みとどまり、突然の攻撃をかわしのけた。

不意にチリペッパーを狙い投げ込まれた円形の何か。

木漏れ日を受けてチラチラと輝くソレは、巨大なチャクラム。

「――クレセントムーンなんですかァ!!」

そう、巨大戦輪チャクラムアニュラーイクリプスを両手に構える、3年ハクツキ・クレスの装騎クレセントムーンだ。

クレセントムーンは左手に持ったアニュラーイクリプスをフラフープを操るかのように右手に持ちなおす。

そのまま、流れるようにチリペッパーへと切り掛かった。

「うひゃお!?」

思わずかわすチリペッパー。

だが、クレセントムーンの本当の狙いはチリペッパーでは無かった。

先ほどチリペッパーへと投げつけられたもう1個のアニュラーイクリプスを左手で拾い上げる。

「うげ、しまったんですよ……」

そう呟こうと今更遅い。

マッハは意を決して両腕のショットガンを構えた。

正面にはクレセントムーン。

その背後では、彼女を援護しようとするレーゲンボーゲンの姿がある。

2対1だと分が悪い――性にも無くそう考えてしまうマッハ。

タタタタタタ

不意に、マッハの背後からクレセントムーンへ向かって弾丸が放たれた。

クレセントムーンは難なくその銃弾をアニュラーイクリプスで弾き散らす。

「助けに来たよ、マッハちゃん!」

「リーダー! 気持ち助かったんですよ!」

「気持ちって何だよ!!」

チリペッパーと合流したスーパーセルに、その後方からスネグーラチカも追い付いて来る。

「よし、それじゃあさっさとこの2騎を落とすぞ!!」

「諒解!」

オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

挿絵(By みてみん)

4年:チーム・リリィワーズ所属

名前:永常夜 礼夢

読み:ナガトキヤ・ライユ

生年月日:聖歴149年8月29日

年齢:18歳(4月1日現在)

出身地:マルクト国ミュンヘン市

身長:164cm

体重:56kg

使用装騎:PS-S-S2:Killer(ベース騎PS-S-S2:Sariel)

好みの武器:可変式戦闘鎌インコンシステント・ラヴ

ポジション:リーダー・コマンドー

私立プフィルズィッヒ中学出身。

チーム形式の装騎バトルでの実績を認められ自己推薦入学。

趣味は夜中の散歩。

個人的な声のイメージは三森すずこさん。

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