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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
鮮烈なるリリィワーズ
26/322

チーム・ミステリオーソ

準々決勝第一試合

Aブロック

その名の通り、永遠に! エターナルネバー

VS

希望は我らに オラシオン


Bブロック

不思議大好き仲良し四人 ミステリオーソ

VS

どんな相手も振り切ります アクセラレーター


準々決勝第二試合

Aブロック

無限の星は夢の数 バーチャルスター

VS

これぞオリエンタルミステリー! ミコマジック


Bブロック

追風一杯、順風満帆! ブローウィング

VS

ようこそ、ヒミツの花園へ リリィワーズ


準決勝

Aブロック勝ち抜きチーム同士

Bブロック勝ち抜きチーム同士


昼休みは終わり、後半戦の幕が上がる。

チーム・ブローウィングも準々決勝に備え、演習場へと向かっていた。

Bブロックの演習場ではもう既にチーム・ミステリオーソとチーム・アクセラレーターの試合が始まっていた。

チーム・ミステリオーソ。

4年ヒンメルリヒト・ヒミコとその装騎フリップフロップ。

3年クラスタリアス・リコリッタとその装騎ラヴァーズ・シックス。

2年レインフォール・トーコとその装騎ニューウェイ。

1年ヒラサカ・イザナとその装騎アイロニィ。

チーム・アクセラレーター。

4年アカイ・リュカとその装騎ロートサイクロン。

3年ルートウッド・アオイとその装騎シグナルブルー。

2年アクトゥアリーサ・C・アマリージョとその装騎ヴォラドール。

1年ガンネア・エイスとその装騎ファストステップ。

その状勢はミステリオーソが明らかに優勢だった。

「風になりたいんですよぉぉおおぉおぉおおおおおおおおおおおおおお」

試合を前にして、我慢できないマッハがエントランスを走り回るのを尻目に、スズメたちはモニターを見つめる。

ヒラサカ・イザナの4騎抜きに目を引かれがちなミステリオーソだが、それ以外のメンバーもかなりの強さを誇っていた。

4年ヒンメルリヒト・ヒミコの装騎フリップフロップ。

両足にローラーを備えたフリップフロップは砂埃を上げながら激しくフィールドを疾走する。

そして、その手に持った電磁薙刀ライジンを華麗に振るい、2年アクトゥアリーサ・C・アマリージョの装騎ヴォラドールを薙ぎ倒す。

そこに襲い掛かりナイフ・クサナギを突き刺す1年ヒラサカ・イザナの装騎アイロニィ。

機能を停止したヴォラドールの次の獲物を探し、アイロニィは駆ける。

2年レインフォール・トーコの装騎ニューウェイを狙い4年アカイ・リュカの装騎ロートサイクロンが放った炸薬弾。

それを3年クラスタリアス・リコリッタの装騎ラヴァーズ・シックスの左腕に装備されたワイヤーシールド・リコリスが防ぐ。

そしてそのまま、ラヴァーズ・シックスはもう片方の手に持ったワイヤーシールド・リコリスをフリスビーの要領でロートサイクロンへと投げつける。

刃のように鋭いワイヤーシールド・リコリスはロートサイクロンの体を引き裂いた。

その隙を狙い、装騎ニューウェイが対エネルギー切断剣ミヅキリを閃かせ、ロートサイクロンの機能を停止させる。

リーダー騎を失い、焦りが見えた3年ルートウッド・アオイの装騎シグナルブルーと1年ガンネア・エイスの装騎ファストステップ。

そこにアイロニィは畳み掛けるように爆弾を投げ込む。

爆炎の中、退避しようとしたシグナルブルーとファストステップの足を絡みとる、ラヴァーズ・シックスのワイヤーシールド・リコリスのワイヤー。

動きが止まったそこを狙い、フリップフロップとニューウェイがそれぞれ電磁薙刀ライジンと対エネルギー切断剣ミヅキリの1撃を加える。

そのまま、残りの2騎は機能を停止した。

「イザナさんもすごい……でも他の方もかなりの強さですね」

「まぁ、あのチームはヒラサカ除いても何だかんだで強者揃いだからなぁ。イマイチ地味だけど」

「去年は総合3位でしたっけ?」

「3位決定戦の常連チームだな」

「それはウチらブローウィングもですわよ?」

「そうなんだけど…………」

「日程には見当たらないですけど、3位決定戦とかあるんですか――?」

「あるんだよ。決勝が終わった後に演習場で自主的に。5位決定戦とかもあるし」

「自主的に――ですか」

「まぁ、二次会みたいなもんだな」

「へぇ……それでウチは去年何位だったんです?」

「あー、4位…………」

「それってこのミステリオーソに負けたってことですか」

「ああ負けたさ!」

そう言いながら、ツバサは悔しそうにうなだれる。

「こ、今年こそは優勝しましょう!」

「そうだな……いやぁ、良い子が入ってきてくれてお姉さん嬉しいよ」

「そうですわねぇ~」

「あっ、チーム・ブローウィングだ! やっほー、そういえば次だっけ?」

不意に掛けられた嫌に元気で高い声。

そこにいたのは、4人の女子生徒の姿だ。

「ヒミコ――――チーム・ミステリオーソか」

そう、ソレは4年ヒンメルリヒト・ヒミコ率いるミステリオーソの面々だった。

「今年は優秀な1年生が来てくれたおかげで、ブローウィングと3位を争う必要は無さそうだよぉ~」

当てつけのように言うヒミコに、ツバサはにこやかな笑みを浮かべたまま、

「優秀な1年ならこっちだって同じさ。今年こそお前らミステリオーソをぶっ倒して、ついでにソレイユ達バーチャルスターもかっ飛ばすさ」

「ふぅーん、そっちの1年サエズリ・スズメちゃん、だっけぇ?」

「あ、は、はい……」

「ふむふむ……まぁ、精々頑張るんだね~。ま、あたし達、負・け・る・気・が・し・な・い・け・ど」

「言っとけ――」

「ふふん、じゃあ、ひとまずお先に準決勝で待ってるよー。リリィワーズに負けて5位決定戦に出る事にならなければ、だけどね~」

「おうよ――お前らは準決勝でボッコボコにしてやるよ!」

「楽しみだね~。それじゃ、失礼するね~」

上機嫌のまま、その場を去るヒミコに、3年リコリッタがやれやれと肩をすくめ、2年のトーコがツバサ達に丁寧な礼をするとその後へ着いていった。

ヒラサカ・イザナはしばらくジーっとスズメの顔を見ていたが、去り際にスズメにこっそり一言。

「今度は私を失望させないで――――」

そう言い捨てると、先輩達の後ろへとついていった。

「やれやれ……ヒミコはいつにもまして天狗状態だな……足を掬われんぞ」

「面倒くさい方ですわよねぇ」

ツバサとチャイカは2人とも苦笑を浮かべながらため息を吐いた。

「そういえば、さっきヒラサカが何か言ってたみたいけど――」

「い、いえ、特には……」

「そーか?」

「はい……」

ヒラサカ・イザナが告げた言葉に多少の引っ掛かりを感じながらも、スズメは彼女達を見送るしかできない。

「私はあの人に、勝ちたい……」

挿絵(By みてみん)

チーム・アクセラレーター

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