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機甲女学園ステラソフィア  作者: 波邇夜須
戦慄の女王シーサイドランデブー
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犬と猫?

「それではこれにて、新入生歓迎大会2日目、午前の部を終了します! これからお昼、さぁ、みんなでランチを食べましょう~!」

三回戦ABブロック、四回戦ABブロックも終了し、昼食時間を迎えた。

「午前の部も無事に終わったなー!」

例によってブローウィング、バーチャルスター、ウィリアムバトラーの3チームはみんな集まって昼食を食べていた。

「バーチャルスターは相変わらず圧勝だったねソレイユ」

「当たりめーだろ! オレの自慢のチームなんだから」

今日の第4試合Aブロックはチーム・バーチャルスターとチーム・マンチャドーレスの試合があった。

その結果はツバサの言うとおりであり、改めて言うまでも無い。

ついでに、その第4試合。

Bブロックではチーム・ヴィーナスラヴとチーム・ミステリオーソの戦いも繰り広げられた。

今回の優勝候補2チームの試合が同時に行われると言う事から、会場は異様な盛り上がりを見せた。

当然ながらチーム・ミステリオーソも勝ち残り、準々決勝に駒を進めた。

「バーチャルスターもブローウィングも順調に勝ち進んでるんか――嬉しいけど悔しいなぁ」

「ウィリアムバトラーは1回戦がアタシらだったのが運の尽きだったね」

「アンタのとこの1年強すぎるんや……」

「え、えっ――!? べ、別にそんなこと」

「今年の新歓のブローウィング内撃墜数1番多いのスズメちゃんだしなぁ……」

スパローが5騎、スーパーセルが2騎、スネグーラチカが1騎、チリペッパーが0。

スズメの撃墜数が明らかに多い事は明白だ。

「逆にマッハちゃんは撃墜しろとまでは言わないから撃破支援くらいはして欲しいよ……」

「何言ってやがるですか! ラプソディを倒す時は手伝ったんですよ!!」

「爆弾処理とガトリングの破壊くらいしか役に立たなかったじゃないかやだー!」

「相手の戦力を削るのは大事なんですよ!」

「削る戦力と削られる戦力が割に合わないから問題なんだ!」

「そういえば、2日目は弁当女王みたいなの無いんですね」

不意にスズメがそんなことを口にする。

「まぁ、カトレーンの弁当がアレじゃあ……やっぱりやめておくべきだったぜ」

「本当は去年カトレーンが爆弾持ってきたから去年限りにして今年はやめようかって話になってたんだけどね」

「カトレーンがどうしてもやりたい言うからやってみたんやけど…………あの様や!!」

「なるほど……それでこのお弁当は――――」

「ウチと」

「ヘレネと」

「私が3人で作ったわ」

そういうのはチャイカとヘレネ、そしてロズだ。

「良いお勉強になりましたわ」

「うちも参加したかったとよ…………」

「カトレーンは……死ね」

「死ねぇ!?」

「今度、私と一緒に勉強しましょうね」

「ロズ……死ぬの?」

「し、死なないように気を付けるわ」

「まだ人死にが出たことはないとよ!!」

「まだ?」

わいわいと盛り上がる所に、新たな人影が現れる。

「こんにちはみなさん、こんなに大人数で楽しそうですね」

「あれ、クイーン?」

そうチーム・シーサイドランデブーの3人だった。

「あら? 1年生のディーコン・ジャンヌちゃんはどうしましたの?」

「ジャンヌちゃんはまだ体力が戻ってなくて医務室で休息中です」

「あらあら……後でお見舞いでも渡した方がよろしいでしょうか――?」

「お構いなくチャイカちゃん」

「クイーンも食べるかー?」

「お昼はもう頂きました――そうじゃなくて、彼女に用があるんです」

「わ、私ですか!?」

それは例によってスズメを指していた。

いつもの如くヘレネに抱きかかえられるスズメ。

そんな2人に鋭い視線を向ける者がシーサイドランデブーの中に居た。

「ええ、貴女にですサエズリ・スズメ。ウチのサツキが」

「あ、ああ……」

そう、スズメとヘレネをジーっと眺めるのはサツキだ。

「よ、用って何ですか? サツキ、先輩」

「…………」

「横にお邪魔しても良いか尋ねてますね」

「あ、ああ、横に――い、良いですよ」

「――!」

スズメの言葉にサツキの表情が若干緩む。

サツキはスーっとスズメの傍まで来るそ、その隣で丁寧な正座をした。

そのサツキの姿は心なしかすごく楽しそうである。

「申し訳ありませんが、残り少しの時間、サツキを隣に置いていただけませんか?」

「い、良いですよ」

「では、私たちはこれで」

そう一礼をすると、サツキを残し、残りのシーサイドランデブーは去って行った。

「スズメちゃんって大型犬とかに好かれるタイプ?」

「そ、そうですね……」

「まぁ、猫も寄ってくるんやから犬くらい寄って来るやろ」

「猫……? それ、ヘレネ?」

ヘレネに抱かれたスズメの隣に座するサツキ。

このやや奇妙な構図のまま昼休み時間は過ぎて行った。


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